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都市環境照明

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都市環境照明の考え方

近年、公共施設の積極的導入や駅前の再開発、地下街の開発など、都市機能の充実が図られており、街づくりの中にも、機能性、合理性、利便性のほかに、人間性や地域性、芸術性、さらにはコミュニケーション要素といった快適性への配慮が求められるようになってきています。
良好な都市環境を形成することは、地域の人々のコミュニケーションをうながし、人間関係を深め、うるおいある地域社会を育てる大切な役割を果たします。この都市環境の照明の目的としては、従来は交通安全や犯罪防止が主として考えられていましたが、最近は、都市形態の変革や環境に対する人間の欲求変化にともなって「より安全で快適な都市環境づくり」の重要な要素として、都市環境との総合的な調和へと移行してきています。したがって照明計画にあたっては、従来の安全、防犯のための照明に加えて、「快適な環境づくり」をねらいとした、それぞれの施設や場所にふさわしい夜の景観と環境を演出することが必要です。(図1)

図1:景観照明の計画

景観照明の計画の関係を表した図

都市環境照明に関する一般的な共通項目として、照度や光源、照明手法などについて、以下にその要点を記します。

1.都市を構成するゾーン

人が集い、住む都市には、それぞれを構成するさまざまなゾーンごとに多彩な表情が生まれます。都市の性格を決定するこれらのゾーンに対して、それぞれの特性、目的、立地、歴史や文化といった要素を考慮して照明計画をたてる必要があります。都市を構成するゾーンを大別すると、以下のようになります。

(1)パーク・ウォーターゾーン

日々の忙しい生活から離れ、心からリフレッシュするためのゾーンです。特に成熟を極める都市においては、人間性あふれる要素を盛り込むことが大切です。照明計画にあたっても自由で開放的なムードづくりを心がける必要があります。

(2)ターミナルゾーン

都市の象徴として、都市全体の印象を決定する中心ゾーンです。交通網、商業、行政の重要な起点であり、人と物の流れの中心でもありますので、都市の個性、地域の文化を考慮して、個性と風格のある照明計画が求められます。

(3)ショッピングゾーン

商業ゾーンは人と物があふれ、さまざまな情報、文化、サービス、楽しみが混然となった華やかな場です。ゾーン全体としては、個性にあふれ、活気に満ちた空間演出が求められます。照明計画にあたっては、その街に集う楽しさを盛り上げ、安全で快適な環境をつくることが求められます。

(4)ビジネスゾーン

都市活動の要所として、機能性、合理性に富んだゾーンです。特に最近では高度な情報が集中する場として、これまでの都市機能をより洗練したインテリジェント化が進められています。照明計画においては、そこで働く市民の快適な環境を確保するとともに、うるおいとやすらぎの演出が求められます。

(5)ライフゾーン

都市生活の中でのやすらぎと落ち着きが求められるゾーンです。特に都市型住宅街においては、自然環境を生かした街づくりが快適性を高めます。安全で豊かなくつろぎ感を追求しながら、空間の奥行きや落ち着きを演出する照明が求められます。

(6)リゾートゾーン

日常の街づくりとは異なる、開放感あふれるゾーンです。優しい心遣いの行き届いた、パブリックスペースとしての個性を感じさせる照明が求められます。

(7)ヒストリー・カルチャーゾーン

都市の歴史性や文化を物語る空間です。あかりにより、昼・夜の異なる魅力作りを行い、人々の生活に潤いを与えます。

(8)アクセスゾーン

全てのゾーンを結び、人や物の行き交う活気あふれるゾーンです。複数のゾーンとのつながりを意識し、防犯、安全面だけではなく、街の個性を表現するような照明が求められます。

2.都市環境照明の設計手順

  • 快適な都市環境を創り出すために、全般照明、局部照明の基本的なコンセプトを決定します。
照明コンセプトの設定
  • 都市環境照明に必要な明るさ(照度)としては、表1のJIS照明基準を参考にし、各々の施設場所に対する特有の条件や推奨照度などを考慮して決定します。
明るさの選定
  • 目的やその場所の性格に応じて、光色、演色性、効率、寿命などを考慮した上で光源を選定します。都市環境照明に使用される一般的な光源の特性については表2に示します。
ランプの選定
  • それぞれ固有の都市環境にあった適切な照明方式を選びます。照明方式には、一般的に以下の4種類が考えられます。(表3

    1. (1)ハイポール照明方式
    2. (2)一般ポール照明方式
    3. (3)低ポール照明方式
    4. (4)低位置、地中埋設照明方式
灯具高さとレイアウトの選定
  • 一般的に街路灯として使用される器具の配光形式としては、「6.照明器具の主な配光形式」のA~Eの5タイプがあります。場所・照明の目的により適切な配光の器具を選定します。また、デザインについてもコンセプトや環境に適したものを選定します。
配光と灯具デザインの選定
  • 以上の設計手順で設計を行い、その照度値が所要の値を満足しているかチェックします。所要の値を満足していない場合、設計内容を再チェックします。
照度チェック

3.照明要件

都市環境照明の中でも、通路・広場及び公園に必要な照明要件としては、表1のJIS照明基準を参考にして決定します。また、建造物などの景観照明に必要とされる明るさの目安を表2に示します。(CIE Publication No.94 : 1993)

表1:通路・広場及び公園の照明設計基準(JIS Z9110-2010)

領域・作業、又は活動の種類 維持照度(lx) GR制限値 平均演色評価数
歩行者交通 屋外 多い 20 50 20
中程度 10 50 20
少ない 5 55 20
地下 多い 500 40
中程度 300 40
少ない 100 40
非常に少ない 50 40
交通関係広場の交通 多い 50 50 20
中程度 30 50 20
少ない 15 55 20
危険レベル 高い 50 45 20
中程度 20 50 20
低い 10 50
非常に低い 5 55

表2:景観照明の照度

照明する表面の材料 推奨照度(lx)
周辺の明るさ
明るい石、白い大理石 20 30 60
普通の石、セメント、明るい大理石 40 60 120
暗い石、灰色の花崗石、暗い大理石 100 150 300
明るい黄色のレンガ 35 50 100
明るい褐色のレンガ 40 60 120
明るい褐色のレンガ、桃色の花崗石 55 80 160
赤色のレンガ 100 150 300
暗いレンガ 120 180 360
建築用コンクリート 60 100 200
自然アルミニウム、焼付け塗装仕上げ 200 300 600
濃い色の仕上げ(10%) 120 180 360
中程度の仕上げ(30%〜40%) 40 60 120
淡い色の仕上げ(60%〜70%) 20 30 60
  • 注)対象物の距離が遠い場合には、すべての値を30%アップする。設計照度は、保守率を考慮すること。
    CIE Publication No.94 Guide for Floodlighting. 1993
  • 注)周囲の明るさの例  明:ビル街、広告サインの密集地域、中:広告サインの少しあるビジネス街、暗:広告サインの少ない場所

4.照明手法

さまざまな表情をもつ都市環境は、それぞれ固有の目的、機能や雰囲気を持っています。これらの機能を十分発揮するためには、その地域の環境にあった適切な照明方式を選ぶことが大切です。また、照明器具が都市の昼間の景観を損なわないように配慮することも大切です。

(1)建造物の照明手法

建造物などの照明手法としては、光の利用の方法から以下のようなものがあります。

①直接投光
投光器などにより建造物を直接投光する方法で、歴史的建築物、タワー、モニュメントなどの全体像、陰影が強調されます。

②発光
イルミネーションなどを用いて建造物などの外形、外郭を強調する方法です。

③透過光
建物内部から光を透過させることで建造物を演出する方法です。

図2:照明手法の分類

全体像・陰影の強調は①直接投光、外形構造の強調は②発光、高さ・威容感の表現は③透過光

(2)投光照明の各種手法

建造物などを投光照明する手法としては以下の方法が考えられます。

  1. 隣接する建物から投光する方法
  2. 地面に設置して投光する方法
  3. 建物に直接設置して投光する方法
  4. 歩道端などのポールから照明する方法

(3)街路・広場の照明手法

街路、広場、公園にはさまざまな種類があり、それぞれ固有の目的、機能、雰囲気があります。これらの機能を十分に発揮するためには、適切な照明手法を選択する必要があります。
照明方式には、一般的に次の4種類が考えられます。

  1. (a)ハイポール照明方式
  2. (b)一般ポール照明方式
  3. (c)低ポール照明方式
  4. (d)低位置・地中埋込照明方式

一般に公共街路をもっとも経済的で、かつ効果的に照明するには、高さ15~25mのハイポール照明方式が最適です。この方式では、点検、ランプ交換、器具清掃などの保守管理は、器具を個別に昇降させる単独昇降式や、器具全体を昇降させる一括昇降式を使用すれば、地上で比較的容易に行うことができます(「空港照明」-6 一括昇降式ハイポールによる照明)。
一般ポール照明方式では、各種の器具・ポールを比較的自由なデザインで設計、製作が可能であり、通常は高さ4~12mの鋼管ポールが使用されます。
また、低ポール照明方式や低位置・地中埋込照明方式は、広場や公園内に光のアクセントをつけたり、地上に彩りを与える局部照明に用いられ、光で効果的に演出する役割を果たします。
これらの各照明方式の特長を表3に示します。

表3:各照明方式とその主な特長

照明方法 主な特長
1 ハイポール
照明方式
(器具高さ
15m〜25m)
  1. (1)広場の中心的、象徴的景観を形成し、都市の美しい景観づくりに貢献する
  2. (2)照明効率がよく、経済的である
  3. (3)昇降方式を用いれば、地上で保守が比較的容易にできる
  4. (4)照明ポールの乱立を少なくし、広場全体の利用効率を高める
2 一般ポール
照明方式
(器具高さ
4m〜12m)
  1. (1)高さ3〜4倍の間隔に配置すれば、連続した空間での光の美しさが得られる
  2. (2)標準的な照明器具が使いやすい
  3. (3)個性的な器具やポールのデザインが比較的容易である
  4. (4)光の制御が比較的に容易にできる
3 低ポール
照明方式
(器具高さ
1m〜4m)
  1. (1)人間に近く位置し、親しみを感じさせたり、暖かさを与えやすい
  2. (2)保守管理が比較的容易である
  3. (3)”光と影”の演出がしやすく、また広場内のアクセントとなる
  4. (4)デザイン的に種々の形状のものが作りやすい
4 低位置・地中埋込照明方式
(器具高さ
1m以下)
  1. (1)光のアクセントをつける
  2. (2)地上に彩を与え、やすらぎの感じを与える
  3. (3)保守管理が最も容易である
  4. (4)誘導もしくは注意をうながすのに効果的な位置にある

図3:ハイポール照明方式の施設例

図4:一般ポール照明方式の施設例

図5:低ポール照明方式の施設例

図6:低位置照明の施設例

5.光源

広場・公園・街路照明に使用される一般的な光源について表4に示します。

表4:屋外照明に用いられる代表的な光源とその特長

光源種類 大きさ 効率 寿命 光色 演色性 調光 瞬時点灯
ハロゲン電球 50〜500W 良い 不可
蛍光ランプ(コンパクト形) 9〜57W 暖〜涼 良い 段調光可
蛍光ランプ(無電極形) 50〜240W 暖〜涼 良い 不可
メタルハライドランプ 100〜1kW 中、高 中間、涼 良い 不可 不可
高演色メタルハライドランプ 35〜2kW 中、高 暖〜涼 良い 不可、段調光可 不可、可
高圧ナトリウムランプ 70〜940W 普通 段調光可 不可
高演色高圧ナトリウムランプ 140〜400W 良い 不可 不可
蛍光水銀ランプ 40〜1kW 低、中 中間 普通 不可 不可
LED 1〜590W 中、高 暖〜涼 良い

6.照明器具の主な配光形式

(1)配光タイプA:全方向拡散型

発光部分が直接見えるため、灯具自身で空間を演出するような目的に適しています。光は全方向に拡散するので、道路面の明るさよりも空間の華やかさ、賑やかさを確保したい商店街路、駅前広場などに用います。

全方向拡散型の配光図と照明器具の画像

(2)配光タイプB:下方向主体型

タイプAに比べて上方向への光を制限していますが、横方向からは発光部分がかなり見えるため、灯具自身の演出効果とともに、地上面の照明効果も得られます。公園、広場、遊歩道などに適しています。

配光タイプB:下方向主体型の配光図と照明器具の画像

(3)配光タイプC:下方向主体型

真横からは発光部分が僅かに見えるだけで、光の大部分が下方向に出ます。まぶしさの原因となる横方向への強い光がなく、路面を明るく効果的に照らします。一般的な道路、住宅街路、公園のプロムナードなどに。

配光タイプC:下方向主体型の配光図と照明器具の画像

(4)配光タイプD:下方向主体型

真横からも発光部分が見えますが、光の大部分は下方向へ出ます。路面への照明効果はもちろん、キラメキ感なども必要とする公園、広場、遊歩道などに適しています。

配光タイプD:下方向主体型の配光図と照明器具の画像

(5)配光タイプE:下方向主体型

横方向からは発光部分が全く見えず、光の大部分は真下方向に出るため、灯具は目立たず、路面を明るく照らします。建物側への光を抑えたい商業ビルや住宅街路、オフィスビルの建物まわりなどに用います。

配光タイプE:下方向主体型の配光図と照明器具の画像

広場の照明

都市環境の中の広場は、多種多様の目的、機能や性格を持っており、その規模も大小さまざまです。広場の照明においては、これらのさまざまな広場が持つ雰囲気にあった照明を施すことが重要になります。また、広場は人々が行き交い、集う場所であるため、安全性と快適性の両側面を兼ね備えた照明とする必要があります。

1.照明のポイント

広場を行き交う多くの人々の流れをスムーズに導くために、主動線には、明るく、ムラの少ない機能的な照明計画が求められます。また、都市空間における市民の憩いの場、ゆとりの空間としての、開放感、楽しさ、親しみやすさなどの演出を心がけることも重要です。植栽などが配置されている広場では、広場の持つイメージを重視した演出を行い、植栽が少ない広場では、照明器具のデザインや配置の効果で広場の雰囲気を演出するとよいでしょう。
全体の統一感のある照明を行い、広場の空間と調和した照明を行うことが重要になります。

2.明るさ(照度)

広場は、それぞれ規模や形状も異なり、その周辺環境により目的や機能も異なりますが、多くの人々が行き交い、集まります。したがって、照明は一般の歩行者専用路よりも明るくし、明るさのムラも少ないことが望ましく、照度は全般に10~20 lxが適当です。また、店舗、その他の商業施設に接する広場は、それらの施設の明るさに対応して、20 lx以上の照度が必要となります。広場の照度は、一般的な照度としてJIS Z9110の照明基準を参考にし、表5に示す各種広場の推奨照度を維持するように設定することが望まれます。

表5:各照明方式とその主な特長

広場の名称 場所 推奨照度範囲(lx) 備考
催物会場広場
(博物館展示場)
広場全体
会場出入口付近
休憩所
3〜30
30〜75
30〜75
深夜には3 lxの照度を確保すること
玄関広場
(ビル
レストラン
ホテル)
広場全体
庭園
駐車場
10〜30
3〜10
5〜30
ターミナル広場
(駅前)
広場
(交通量大)
(一般)
10〜75
3〜30
公園広場 広場全体
駐車場
5〜30
5〜30
コミュニティ広場 広場全般
広場中央
5〜30
30〜75
コマーシャル広場(百貨店
スーパー)
広場全般
建物出入口付近
30〜100
100〜300
深夜には3 lxの照度を確保すること

3.光源

照明計画に際しては、それぞれの照明効果が十分に発揮できるように、広場の目的、性格、環境に適した光源を選定することが大切です。効率が高いことも重要ですが、演色性、色温度(光色)、(器具の)輝度などについても十分考慮する必要があります。暖かみのある光源でアクセントをつけるなどの、光源色による雰囲気の演出を行うことは、都市空間の中のやすらぎ感の演出に効果的です。
光色、演色性の面では、LED、高演色メタルハライドランプ、高演色高圧ナトリウムランプが望ましく、効率及び寿命の面からは、LED、無電極蛍光ランプ、高演色メタルハライドランプが望ましいランプです。

図7:コミュニティ広場の照明施設例

4.照明器具の選定

照明器具を選定するにあたっては、広場周辺の環境との調和・バランスや照明の目的を十分考慮することが大切であり、広場の必要な箇所に適正な明るさが得られること、まぶしさの少ないことなどのほか、次の諸点についても留意します。

  1. (a)広場の持つ雰囲気や形状などに調和した器具のデザインとし、夜間の演出をするだけでなく、昼間の景観を損なうことのないように注意します。
  2. (b)低位置照明や建築化照明を用いて、空間の輪郭や骨格を浮かび上げ、空間の特徴を演出します。
  3. (c)ターミナル広場などでは、高位置から効率良く明るさを確保するハイポール照明と細やかに演出性を補う低位置照明を行うとよいでしょう。
  4. (d)歩行者に親しみや暖かさを感じさせたり、ゆるやかに誘導するために樹木・植栽計画と調和させた低位置・地中埋設照明を行うこともよいでしょう。

5.照明器具の配置

照明器具は、歩行者の通行などの妨げになる場所を避けて配置します。広場を象徴するような照明器具は広場中央部に配置し、中心性を強調するとよいでしょう。通路などでは、誘導性を考慮して、照明器具を連続的に配置するよう心がけます。また、花壇、植え込みなどには、低位置照明方式による局部照明を施します。
一般に、ポール照明器具の設置間隔は取り付け高さの3~4倍程度とします。高さ1m以下の低位置照明器具は、4~6m程度の間隔で設置するとよいでしょう。設置間隔を狭くすることで、にぎわい感を高めたり、間隔を広くすることで落ち着き感を高めたりすることもできます。

公園の照明

公園は、市民にやすらぎ、くつろぎ、楽しさなどの雰囲気を提供する場所であり、地域住民相互の交流を強め、連帯感を高める役割を果たします。公園はその目的や規模により、総合公園、地区公園、近隣公園、街区公園等に分類されますが、いずれも地域の住民の憩いの場として、また都市環境の美化、防災・避難などに貢献する場として、都市生活における重要な施設です。
公園の照明の目的は、夜間における公園の安全性の確保、快適性の提供などがありますが、公園の持つ目的と調和した照明計画が求められます。

1.照明のポイント

公園の環境と照明の調和した演出は、環境の人工度と公園の中でのその場所の機能に応じた照明の使いわけによって行います。樹木のシルエットの演出や、照明の明暗のリズムの明確化、光源の演色性や光色の変化などを効果的に用い、人を導く方向性のある照明を行うとよいでしょう。全般照明においては、不安のない明るさを確保し、美しい景観の演出を行います。また、池などの周辺においては、水辺に調和する照明の演出を行うとともに、危険防止に役立つような照明を行います。ベンチの周辺や花壇などでは、落ち着きのある演出を行います。植栽計画に合わせ、樹木の成長を考慮して、樹木が照明の妨げにならないように配慮した照明計画をたてることも重要です。

2.明るさ(照度)

JIS照明基準では、照度は5~50 lxを推奨しています。公園全体の中では、主に園路、公衆便所、共同施設、主要観賞対象物などに重点をおいて設計します。園路、広場、その他の人が歩行する場所は、見通しがよく、演出を重視する場合には多少の明るさのムラがあってもよいが、生活路になっているような場所は防犯を考慮して明るさを確保しつつムラをつくらないようにする必要があります。また、階段、その他の足もとに注意する必要のある場所については、なるべく照度のムラを少なくします。
花壇、樹木、その他の観賞の対象物は明るくし、周囲から浮かび上がるような照明を行い、周囲との明暗対比を大きくすることにより、より雰囲気のある照明を行うことができるでしょう。
公園照明における各々の施設場所の照度は、JIS照明基準を参考にした上で、表6の値とすることが推奨されます。

図9:公園の照明施設例

表6:公園照明の維持照度

場所 維持照度範囲(lx)
案内板・説明板 75〜150
特定の樹木・造形物 75〜150
庭園・花壇 全般3〜10
部分30〜100
道路 7〜15
遊歩道 3〜10
広場 5〜30
階段 20〜50
屋外の休憩場 3〜10
駐車場 5〜30
通路・住居への道 3〜20
公衆便所の入口付近及び内部 50〜200

3.光源

光源の選定においては、効率、寿命、演色性、色温度(光源色)を考慮して、適切な光源を選定する必要があります。LED、無電極蛍光ランプ、高演色メタルハライドランプなどが適しています。また、花壇や植え込みなどには演色性の面から、LED、蛍光灯、高演色メタルハライドランプなどが適しています。ベンチなどの人が憩う場所には、暖かさを感じさせる光色の光源を使用することも効果的でしょう。

4.照明器具の選定

公園内においては、さまざまな照明対象が考えられるため、それぞれに適した照明器具を選定する必要があります。
照明器具の選定の際は、以下の諸点に留意しなくてはなりません。

  1. (a)園路に極端な明るさのムラをつくらないこと。
  2. (b)なるべく、まぶしさが少ないこと。
  3. (c)上方光束を抑えて、ムダな光を少なくすること。
  4. (d)破損しにくく、丈夫な構造であること。
  5. (e)昼間・夜間の景観、環境に調和するデザインであること。

全般照明では、効率よく広範囲に照度を確保する、下方向主体型の配光を持つポール式照明器具を使用します。高さは照明する範囲に応じて、4m程度から10m程度のものが適当でしょう。園路や広場の周辺では、周囲の状況に応じて、拡散形から下向き形までの配光の中から適切なものを選定します。樹木の多い所では樹木も照らすことのできる拡散形を使用します。また、芝生付近、花壇、水辺では、足もとを明るくするような低位置照明方式が適当でしょう。特に花壇では、花を美しく見せることが主目的ですので、小型で目立たない器具を使用します。公衆便所周辺では防犯のために特に入口付近や内部は明るくすることが大切です。

街路の照明

都市における街路の役割は、目的地へ安全、迅速かつ快適に到達することができるといった交通機能としてのもの、街路上での立ち話、休憩、散策ができることや、沿道の街並みの眺めといった空間的な機能としての2種類に大別することができます。特に、空間としての街路はその地域の象徴ともなり得るため、照明計画をたてる際には、空間イメージと調和を図らなくてはなりません。
街路は、その目的によって大きく2つに分類されます。1つは駅から官公庁施設、福祉施設までの経路を主とした駅周辺街路、もう1つは商業的性質を強くした商店街街路です。また、街路は交通形態によって、歩行者通行帯と自動車通行帯とが分離された歩車分離道路、歩行者と車が交通空間を共用する歩車共存道路、車道から完全に独立した歩行者専用道路に分類され、空間形態によっては、オープンモール、セミクローズドモール、エンクローズドモールに分類されます。

1.駅周辺街路の照明

駅周辺街路は、高齢者、身体障害者等を含むすべての人が安全かつ安心して利用できるよう考慮する必要があります。道路の移動等円滑化整備ガイドラインが2008年に改定されるなど、道路の整備が進められています。移動の利便性及び安全性の向上を図るために、適切な照明環境を整備することが大切です。

(1)照明のポイント

駅周辺街路における照明の目的は、歩行者が安全かつ快適に移動できることです。そのためには歩行者が、歩道上の段差や障害物を視認しやすく、対向者の存在や意図が認識でき、また、目的地までわかりやすいことなどが重要になります。
移動の円滑化のために必要であると認められる箇所には照明施設を連続して設ける必要があります。わかりやすい空間構成を図るために特に重要な動線には、照度を高めに設定したり、光のラインを構成することなどが望ましいです。また、高齢者は若年者に比べ色差を識別する能力が低下するとともにまぶしさを感じやすくなるので、色の見え方のよい光源を使用するとともに、まぶしさを与えないように照明器具の選定や配置をするよう留意します。
休憩場所などには光だまりを設けて演出するとともに、必要な場所には注意喚起を行うことも大切です。

(2)明るさ(照度)

駅周辺街路の照明における推奨照度は、JIS Z9111の照度基準(表7)を参考にして、その街路の条件などを考慮して決定します。駅周辺環境は、明るい商業地域が該当することや、高齢者や身体障害者などの身体特性を考慮すると、安全・安心に移動の円滑な通行ができる明るさとして、交通量の少ない道路であっても平均水平面照度10 lx以上確保することが望ましいです。1) さらに大規模駅や中心業務地区等では、それ以上の照度レベルを適用することが好ましいでしょう。このとき路面にムラがあると障害物が視認しづらくなるため均斉度は0.2以上確保することが望ましいです。
また、横断歩道橋や地下横断歩道は、立体横断施設技術基準(表8)を参考に決定します。特に地下横断歩道は、防犯上必要に応じてさらに高い照度に設定することが望まれます。

表7:歩行者に対する道路照明の基準(JIS Z9111-1988)

夜間の歩行者交通量 地域 照度(lx)
水平面平均照度 鉛直面最小照度(H=1.5m)
交通量の多い道路 住宅地域 5 1
商業地域 20 4
交通量の少ない道路 住宅地域 3 0.5
商業地域 10 2
  • 注)水平面照度は、歩道の路面上の平均照度。
  • 注)鉛直面照度は、歩道の中心線上で路面上より、1.5mの高さの道路に対して直角な鉛直面の最小照度

表8:立体横断施設技術基準

平均水面照度(lx)
横断歩道橋 20以上
地下横断歩道
  • 出入口
    (入口から出口が見通せないものに限る)
  • 階段及び通路

100以上

50以上

図10:駅周辺の街路の照明設置例

(3)光源の選定

駅周辺街路の照明に用いられる光源は、LED、メタルハライドランプ、高演色メタルハライドランプ、無電極蛍光ランプ、蛍光灯、高圧ナトリウムランプなどが一般的です。これらのうち、効率や演色性の面から、LED、無電極蛍光ランプ、高演色メタルハライドランプを選定することが望ましいです。

(4)照明器具の選定

必要な歩道面の均斉度、照度を確保するために、配光制御されたポール照明器具を使用することが望ましいといえます。また、必要に応じて鉛直面照度を確保しつつ、にぎわい性を持たすことができる発光面の大きな照明器具を設置することもあります。歩行者の誘導性を高めるために、導線に沿って低位置にフットライトや地中埋込器具を使用したり、注意喚起のために高輝度のLED器具などを建築材に埋め込んで使用するのも有効でしょう。

(5)照明器具の配置

照明器具の取り付け高さは、一般的に3m~5m程度がよく用いられます。ポール照明器具の取り付け間隔は、必要照度を得ることができ、また必要な均斉度を確保できる範囲で決定されますが、視覚的な連続感を表現できる範囲で、かつ等間隔とすることも大切です。
また、低位置照明器具を連続して配置し、落ち着いた演出を行うことができます。この場合でも安全性には考慮し、極端に暗い場所をつくらないようにする必要があります。

2.商店街街路の照明

商店街街路は、主としてある道路区間の中で、商店街の活性化を図り、魅力的な商店街を創造する目的で形成されます。これらにおいては、人々が単に必要なものを買うだけではなく、ショッピング自体を楽しむことができるような環境づくりが求められます。夜間においても、人々が安全で快適にショッピングを楽しめるよう、魅力的な照明を行うことは重要です。

(1)照明のポイント

商店街街路の照明は、夜間の歩行の安全性や快適性を確保するとともに、華やかさや楽しさ、にぎわいを演出します。そして、買い物客を商店街へ引きつけるとともに、商店へと誘導するような照明を心がけます。
そのためには照明が、装飾性、光そのものの演出効果などを備えていることが重要です。また、商業地域の個性を表現するとともに、雰囲気に調和した照明を行うことが求められます。昼夜の照明器具の表情は商店街全体のイメージの形成に大きな影響を及ぼしますので、路面パターン、色彩、ベンチ、プランター、アーケードなどの要素との一体感が得られるようにデザインすることが大切です。
照明計画において注意すべき点は、店舗内・外やウインドーの照明と街路照明との明るさのバランスです。また、看板灯やネオンなどのあかりが氾濫しがちなスペースでもあるため、街路灯による連続感や統一感を創り出すことも大切です。

図11:オープンモールの照明施設例

(2)明るさ(照度)

商店街街路における推奨照度は、JISの照度基準を参考にして、その街路特有の条件などを考慮して決定します。歩行者に対する推奨照度は、各々の道路区分に応じて、表9の値を基準として設定します。
エンクローズドモールにおいては、JIS照度基準を参考にすると、繁華な場合750~200 lx、一般の場合300~100 lxとなっています。したがって、一般的な明るさのレベルの設定は、各店舗内の平均照度とのバランスを考慮して、通常店内の1/2~1/3程度の明るさにするのがよいようです。
また、構造上昼間時の自然光の利用ができる場合は、昼光センサーによる人工照明制御システムの導入によって、晴天、曇天、夜間時などの明るさの状態に対応して照明環境を変化させることができます。

表9:歩行者に対する推奨照度(lx)

商業地域の街路 商業中心街路 車道に併置の歩道 20
商業周辺街路 車道に併置の歩道
人車混合道路
10
15
独立歩道 7

(3)光源の設定

商店街の照明に用いられる光源は、LED、メタルハライドランプ、高演色メタルハライドランプ、無電極蛍光ランプ、蛍光灯、高演色高圧ナトリウムランプなどが一般的です。特に演色性を重視する場合は、LED、高演色メタルハライドランプ、無電極蛍光ランプ、蛍光灯、高演色高圧ナトリウムランプが優れています。効率、寿命を重視する場合は、LED、無電極蛍光ランプを使用します。

(4)照明器具の選定

商店街街路では、器具のデザインと性能の両面を兼ね備えた照明器具を使用することが重要です。
デザイン面では、周囲の雰囲気、モールのイメージに調和し、落ち着いた色合いのものが好ましく、装飾性、演出性のある個性的なデザインが求められます。また、器具単体としての効果よりも、連続感、リズム感などの効果を重視したデザインとすることにより、通り全体の構造を表現することができます。
照明方式は、オープンモールにおいてはポール照明を主体とし、ベンチ、植栽などとの調和を考えたデザインとします。セミクローズドモールにおいては、その形態により、ポール照明、ブラケット照明、蛍光灯などのライン照明、ダウンライトなどのスポット照明などの中から適切なものを選択します。エンクローズドモールでは、ライン照明、ダウンライト照明が主に用いられますが、規模の大きな所では、ポール照明器具も用いられます。いずれの場合も、華やかさが感じられるような照明を行うことが重要です。
器具の性能面では、効率がよいこと、配光が適切であること、保守、点検、清掃が容易であることが重要であり、常に清潔感の感じられる器具を使用することが求められます。歩行者専用道路では、華やかさを演出する全方向拡散形の配光が、歩車道分離道路、歩車共存道路においては、車両にまぶしさを与えない下向主体形の配光が好ましいといえます。

(5)器具の配置

照明器具の取り付け高さは、照度の分布やまぶしさの程度を左右しますので、周囲の建築物との釣り合い、街路樹との関係なども考えて決定する必要があります。一般には、片側に配置する場合には道幅と同じかそれよりも高く、両側に配置する場合には道幅と同じか道幅の半分程度の高さとします。
なお、ポール、アーケードの設置、照明器具の取り付け、配線にあたっては、道路法、消防法、各自治体の道路占用規則、電気設備設置基準、内線規程などに準拠することが必要です。一般には、次のようにします。

(a)地表上の高さ
車両の通行する道路では5m以上(路端で4.5m以上)
車両の通行しない道路では3.5m以上(路端で3m以上)

(b)器具の出幅0.8m以下(アームを使用する場合は1.6m以下)
また、照明器具の取り付け間隔は、道路幅員、器具取り付け高さ、必要照度、器具配光、効率、ランプのW数などによって決定されます。

周辺への光の影響

1.住宅内への光の影響

道路、街路、広場などの屋外の照明光が住宅の部屋、例えば寝室などに差し込むと、居住者の安眠、プライバシーなどに悪い影響を及ぼす恐れがあります。この場合、居室の窓面照度(Ev)を極力抑えることが望ましく、(一社)照明学会・照明普及会の団地屋外照明調査委員会の報告では、南側窓面1.5 lx以下・北側窓面は4 lx以下としていますが、現在の集合住宅の間取りを考えると、南北に関わらず、窓面照度はおよそ2 lx程度に制限することが望ましいといえます。CIEの障害光の規制ガイド2)によれば、環境地域に応じた規制値が示されています。(表10

表10:住宅の鉛直面照度の上限値(lx)

環境区域
E1:自然 E2:田舎 E3:郊外 E4:都市
規制時間帯以外 2 5 10 25
規制時間帯
(深夜)

0

1 2 5

※公共(道路)の照明の場合は、1 lxまで許容される

2.樹木植栽などへの光の影響

街路灯等の光が樹木の育成、落葉期などに影響を及ぼす可能性が考えられるので、それらの設置については、付近の樹木の種類、器具配光、取り付け場所、点灯季節・時間などを考慮して、適切な位置に設置することが望まれます。

3.農作物(水稲)への光の影響

一般に、水稲は短日植物であり、夜間照明によって出穂遅延や稔実障害が生じる場合が考えられます。その程度は品種や光源によって異なりますが、影響が最も強く現れるのが出穂前20~40日の期間であるといわれています。出穂遅延は5 lx以上の照度で顕著に認められるようになり、登熟歩合については10 lx~15 lxから低下が見られます。これらのことを考慮した場合、影響のある期間の照度は5 lx 程度以下に規制することが望ましいといえます。

4.昆虫への光の影響

周囲に水田、山林、河川、湖沼等があり、これらの場所から照明施設が見える場合は特に昆虫の飛来が多くなる可能性があり、注意する必要があります。この場合、

  1. (a)昆虫の誘引特性の小さい光源や照明器具を使用する。
  2. (b)照明器具は昆虫の生育地の方向へ光を出さないような配光のものを使用する。

などの対策が必要です。

5.観光客への影響

過度の明るさや、または不適切な色の装飾照明や看板が観光客に及ぼす全体的な影響は、夜景の美しさが増すのではなく、障害的なものとみなさなければなりません。CIEの障害光の規制ガイド2)による、建物の照明及び看板の輝度規制値を表11に示します。

表11:建築物壁面と看板の平均輝度の最大許容値(cd/m2

環境区域
E1:自然 E2:田舎 E3:郊外 E4:都市
建築正面の輝度 0 5 10 25
看板の輝度 50 400 800 1,000

6.天文観測への光の影響

照明施設の光が、天文観測に対して影響及ぼすと予測される場合には、光の影響問題を未然に防ぐような対策が必要です。
具体的には、

  1. (a)観測所周辺の照明施設による直接光の影響は、決められた方向への照明器具の漏れ光と輝度を制限することで軽減される。
  2. (b)大気中での散乱光(スカイグロー)は広範囲に及ぶ問題で、容易に制御することはできないが、設計照度をその用途に必要とされる最低限に抑えることで、さらに影響を緩和することができる。
  3. (c)低圧ナトリウム照明を用いることで、大気中での散乱光の問題を緩和することができる。IAU(国際天文学協会)のガイドラインでも、
    • 上方向(空)への光量を規制する。
    • 低圧ナトリウムランプを使用する。

などの対策検討が述べられています。

7.光害対策ガイドライン

平成10年3月、環境庁により「光害対策ガイドライン」~良好な照明環境のために~が策定され、平成18年12月に改定されました。
「光害」とは、不適切または過剰な照明によって引き起こされる障害のことを言います。都市化や交通網の発達で屋外照明が増え、過剰に使用されることが多くなった結果、日常生活やさまざまな活動、野生の動植物や農作物などに悪影響を与えると指摘されています。

表12:光害対策ガイドラインにおける主な用語とその定義

漏れ光 照明器具から照射される光で、目的とする照射対象範囲外に照射されるもの
障害光 漏れ光の内、光の量や方向によって、人の活動や生物などに悪影響を及ぼす光
照明率 光源から放射されたランプ光速の内、照明領域に到達する光が何%であるかを示す割合
上方光束比 ランプ光束に対する上方光速の比率
グレア 視野の中にたいへん高輝度なものがあったり、輝度の範囲が広すぎたり、または極端な輝度対比があるために、目に不快感や疲労、見えにくさを感じさせるまぶしさのこと。

ガイドラインの構成としては、「屋外照明設備のガイド」、「屋外照明等設備チェックリスト」、「広告物照明の扱い」がありますが、ここでは「屋外照明器具のガイド」について、以下の6つの評価項目に対する推奨基準を示します。

図12:照明器具から照射される光のイメージ

(1)総合効率

省エネルギー性の高い光源及び総合効率の高い照明機器の使用が推奨されます。

表13:街路照明機器の効率(推奨値)

ランプ入力電力 総合効率
200W未満 50 lm/W以上
200W以上 60 lm/W以上
  • 注)総合効率とは、ランプの全光束を安定期の入力電力で割った値(lx/W)
  • 注)高圧ナトリウム灯、メタルハライドランプなどを推奨。基本的には水銀灯は推奨しない

(2)照明率

照明率が低いと漏れ光が多くなり、人や動植物に悪影響を及ぼす障害光が多くなります。そこで、照明率が高くなるような機器の設置が推奨されています。
照明効率は、その設置目的に応じて総合的に評価します。

(3)上方光束比

光害対策ガイドラインでは、照明環境類型(Ⅰ~Ⅳ)とそれにふさわしい上方光束比が設定されており、照明器具を設置する地域全域(主として市町村単位)に共通の照明環境類型を広域目標として選択します。

表14:地域特性に応じた照明環境と照明器具の上方光束比

環境類型 場所のイメージ 上方光束比
短期的目標 行政による整備
照明環境Ⅰ 自然公園
里地・田園
0%
照明環境Ⅱ 里地・郊外 0〜5%
照明環境Ⅲ 地方都市
大都市周辺
0〜15% 0〜15%
照明環境Ⅳ 都市中心部 0〜20%

(4)グレア及び人間諸活動への影響

街路灯に対する制限値を表15に示します。道路灯などの場合は、JIS C 8131「道路照明器具」に従います。
人工光は、主として夜間の人間の諸活動に、人によって異なる多種多様な影響を生ずるため、関係する多数の人々の受ける影響と光害の抑制手段との間に適切なバランスを維持することに努める必要があります。

表15:照明学会「歩行者のための屋外公共照明基準」における「グレア制限」の項目(取り付け高さ10m未満のもの)

鉛直角85°以上の輝度 20,000cd/m2以下
照明器具の高さ 4.5m未満 4.5〜6.0m 6.5〜10m
鉛直角85°以上の光度 2,500cd以下 5,000cd以下 12,000cd以下

※鉛直角85°方向の光度から推定しても良い

(5)動植物への影響の抑制

照明器具の配光・取り付け方の改良や環境側に設置する遮光体などによって、自然環境を照射する人工光をできるだけ抑制することにより、動植物の生息する自然環境を保護する必要があります。また、人工光を利用する農業・養鶏業・漁業などの合理的な光害対策も必要です。

(6)照明の時間設計

良好な照明環境を創出するためには、所要照度を時刻に応じて柔軟に調整する必要があります。また温暖化対策の観点から、時間調光によりトータルでの省エネルギーが図れるように検討する必要があります。

(参考文献)

  1. 1)財団法人国土技術研究センター:道路の移動等円滑化整備ガイドライン(2008)
  2. 2)CIE Pub150:GUIDE ON THE LIMITATION OF THE EFFECTS OF OBTRUSIVE LIGHT FROM OUTDOOR LIGHTING INSTALLATIONS (2003)

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