器具選択の5つのポイント
LEDは他の光源と異なる選択ポイントがあります。
同じタイプのLED照明でも、光の色(色温度)や照らした時の色の見え方(演色性)、配光が異なるので、
次の5つのポイントを理解し、適切な器具選びをしましょう。
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定格光束(lm)
LED器具は、「定格光束」という形で明るさを表示しています。※
「定格光束」とは、LED照明器具から放出される初光束のことで、従来光源器具の「器具光束」に相当します。
従来光源では、「ランプ光束」の値が良く用いられましたが、LED照明器具はLEDモジュールを交換できないタイプが主流であることから、「定格光束」を用います。
両者は以下のような関係にあります。
※JLAガイド134:2010「LED照明器具性能に関する表示についてのガイドライン」に準拠
従来光源器具・・・【器具光束】=【ランプ光束】×【器具効率】
LED器具・・・【定格光束】
LED器具の多くは、同等の明るさを確保できる既存光源を用いて、「○○ランプ△△形相当」と表記し、選択しやすいようにしています。
器具の明るさの目安(ダウンライト・スポットライト)
※配光の違いにより、定格光束と相当器具の関係は変化するため、この目安と一致しない場合もあります。
光色の違いによるパワーの違い
仕上げによる光源の写り込み
LEDは同タイプの器具でも、色温度の低いものは光量が少なくなる傾向があります。 明るさの目安は、同じタイプの中で最も効率が良い色温度の場合で表記されています。そのため、電球色など低い温度では、明るさが若干落ちるので注意が必要です。
直菅型LEDランプの例(LDL40タイプ)
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昼白色(5000K)
ランプ光束:2,400 lm
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白色(4000K)
ランプ光束:2,100 lm
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温白色(3500K)
ランプ光束:2,000 lm
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電球色(3000K)
ランプ光束:1,900 lm
ダウンライトの例(ワンコア200形ダウンライトの場合)
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昼白色(5000K)
定格光束:2,005 lm
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白色(4000K)
定格光束:1,665 lm
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温白色(3500K)
定格光束:1,600 lm
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電球色(2700K)
定格光束:1,555 lm
光色・色温度(K)
光には、青みがかったものや黄みがかった光があり、それらは光色や色温度を用いて表現されます。光色・色温度の違いは空間の雰囲気に大きく影響します。
LEDは光源部分が一体になっているものが多いため、器具を選ぶときに、光色まで決めておく必要があります。
一般的には、色温度の高い青白い光は、明るくさわやかで活動的な空間に適し、
色温度の低い黄色がかった光は落ち着いたくつろいだ空間に適しています。
「光色・色温度」の詳しい解説はこちら
色温度の目安
光色の違いによるパワーの違い
演色性(Ra)
LEDでは、さまざまな演色性の器具を選ぶことができるので、使用分野や用途に応じてどのような演色性が適切かを検討する必要があります。
JIS Z9110:2010 照明基準総則では、作業毎に必要な平均演色評価数(Ra)が規定されています。
Ra値が高いほど、色の見え方が自然光に近いものになります。
JIS Z9110-2010 照明基準総則
※日本工業標準調査会HP JIS検索へリンク
規格番号に「Z9110」と入力して検索
演色性の目安
グレア
光の指向性が強いLEDは、グレア(まぶしさ)を抑えることが必要です。
「グレア」の詳しい解説はこちら
まぶしさの度合いは遮光角で変わる!
遮光角とは、照明器具でランプが目に入らない限界線と器具の水平線との角度のこと。
遮光角が大きいほど器具に近づいてもランプが見えにくく、まぶしさを抑えられます。
一方で、光が遮られるため、効率が下がる傾向にあります。
それらを考慮し、空間の大きさや用途に応じて、適切な遮光角を設定します。
A 照射範囲から
器具を見上げたとき
B 遮光範囲から
器具を見上げたとき
反射板の違い
ダウンライトの場合、反射板の種類によって空間の雰囲気が変わります。
グレアレス反射板
黒色反射板
鏡面反射板
レリーフコーン
白色反射板
配光
同じパワーの器具でも配光によって、得られる光は大きく異なります。拡散配光は全体的に明るくなり均一な光を得られるのに対し、狭角配光はメリハリのある光となり、中心の明るさは高くなります。
狭角配光 | 広角配光 | 拡散配光 |
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照度データ
横軸の器具からの水平距離、縦軸に器具からの高さ方向の距離をとり、器具のある鉛直断面内の直射水平面照度分布を表しています。
※保守率を1.0としています。
●直射水平面照度分布図
右)器具を真下に向けた場合の真下の直射水平面照度と、ビーム角で決まるビームの外周の直径とその位置での直射水平面照度を表しています。
横軸に器具からの水平距離、縦軸に器具からの高さ方向の距離をとっています。
左)器具を真下から35°傾けた場合のビームの中心の直射鉛直面照度を表しています。横軸に器具からの水平距離、縦軸に器具からの高さ方向の距離をとっています。
※保守率を1.0としています。
※ビーム角:集光の程度を表すもので中心光度(あるいは最高光度)の1/2の光度になるビームの開き角度のこと。
●スポットライト照度データ
配光シュミレーションをする