パナソニック「パッシブハウス型 農業システム」

夏場も野菜を栽培し、通年で安定して契約出荷したい。野菜栽培ソリューション 株式会社冨田農場

お客様の課題

異常気象の常態化により、夏の葉物野菜の栽培が手間がかかる上に収穫も不安定

日本の農業は、地球温暖化による異常気象の常態化による生産の不安定化や農業従事者の高齢化と後継者不足、農作放棄地の拡大など、さまざまな課題を抱えています。
株式会社冨田農園は、代々茨城県鉾田市で農業に携わってきた農業生産法人。現在、300棟のビニールハウスと、約20haの露地で葉物野菜を栽培。生産されたほとんどの野菜は、販売金額を決めて流通業者に直接販売されていますが、食品スーパーなどの需要家側は、年間を通しての安定供給を求めているため、周年供給ができなければ生産契約を締結するのは困難な状況です。
冨田農園では、以前はほうれん草を栽培していましたが、遮光カーテンなど夏場の日照管理や換気といった多くの手間が必要で生産管理が難しいため、夏場は栽培できず、安定した周年出荷ができないことにより断念。
今回、周年栽培と省人化が両立できる、「パッシブハウス型農業システム」を導入し、一時は撤退していた、ほうれん草栽培に、再度チャレンジすることになりました。

冨田農園に導入されたパッシブハウス型農業システム

冨田農園に導入されたパッシブハウス型農業システム

取り組み

作土や播種、収穫は農家のノウハウを活かし栽培に特化して自動化することで省人化を実現

パナソニックは、これまで培った住宅やオフィスの環境制御技術を農作物が快適に育成できるシステムに適用。自然の光・水・風を最大限に利用し、栽培に最適な生育環境をバランス良く整える「パッシブハウス型農業システム」を開発しました。
このシステムは、天井カーテンや左右独立カーテンを自動開閉して太陽光を制御し、側窓の開閉と気流調整ファンで送風、ミストや散水により水環境を整えます。ハウス内外に設置した、温・湿度センサや照度センサからの情報をもとに、これらの機器を統合制御することで、葉物野菜の生育に必要な温湿度や光環境を自動で調整します。
種蒔きの後は人手をほとんど必要とせず安定した栽培が可能になります。
また、汎用農業資材を用いることで、初期投資を抑え、農業生産法人にも投資回収が容易なモデルを構築しています。
冨田農園では8月に、パッシブハウス型農業システムを試験的に10棟導入。取材時は種蒔き後1カ月しか経過していませんでしたが、日々の管理も統合制御盤の画面を確認するだけということで、生育も順調。ハウス栽培でかかる手間が大幅に軽減でき、他の作物栽培に人手をまわすことができたと評価されています。

【環境制御システム】

【環境制御システム】

株式会社冨田農園
代表取締役社長 冨田教之氏

株式会社冨田農園 代表取締役社長 冨田教之氏

近年では天候不順が激しく、夏は35度以上になり、冬はマイナス5度以下になるので、栽培管理は大変です。昔はほうれん草を作っていましたが、年間の安定出荷が求められるのに真夏に出荷できず苦戦していました。 導入して驚いているのは、人の作業がボタンに変わったこと。手間がかかった真夏の遮光カーテンも自動で掛けてくれるのでありがたい。 現在、夏場のほうれん草もストレスなく生育しています。パナソニックのマニュアルに、冨田農園のオリジナルな経験を活かすことで、より良いものが作れると期待しています。

株式会社冨田農園 業務管理部長 木村敏雄氏

株式会社冨田農園
業務管理部長 木村敏雄氏

流通への販売契約を取るためには、周年で安定供給できないといけません。そこで、パナソニックの農業システムに関心を持ちました。夏場や冬場のハウス環境を維持するには大変な人手がかかります。これを自動化することで省力化が図れると思い、人件費をシミュレーションしてみて投資効果があると判断しました。 機械化することで科学的に農業に取り組むという面から、ぜひチャレンジしてみたいと思いました。農業システムなら周年栽培が可能ということで、充分投資回収ができると期待しています。

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