【MODIFY】 デザイントーク

【MODIFY】 デザイントーク

【MODIFY】 デザイントーク 開催!

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■日 時    :   2009年6月17日(水) 18:00〜20:00
■場 所    :   UDX CONFERENCE
■出席者   :   プロダクトデザイナー/深澤直人氏
           ジャーナリスト/本間美紀氏(司会)
          パナソニック株式会社/
          インテリアライティングセンター 課長 くりやまさちこ
          デザイン開発センター 照明デザイングループ
          技師 吉川豪

■ 出席者プロフィール

深澤直人(NAOTO FUKASAWA プロダクトデザイナー)
深澤直人
(NAOTO FUKASAWA プロダクトデザイナー)

1956年山梨県生まれ。
2003年に独立しNaoto Fukasawa Design設立。
ヨーロッパ、北欧のメジャーブランドの仕事のほか、国内の大手メーカーのデザインを多数手がける。
「MUJI」壁掛け式CDプレーヤー、「±0」加湿器、「au/KDDI」INFOBAR, neonはN.Y.MOMA永久収蔵品となる。
2006年Jasper Morrisonとともに「Super Normal」を設立。受賞歴は60賞を超え、2007年ロイヤルデザイナー・フォー・インダストリー(英国王室芸術協会)の称号を授与される。
著書に「デザインの輪郭」(TOTO出版)、共著書「デザインの生態学」(東京書籍)、作品集「NAOTO FUKASAWA」(Phaidon)がある。

くりやまさちこ(パナソニック株式会社インテリアライティングセンター課長)
くりやまさちこ
(パナソニック株式会社インテリアライティングセンター課長)

京都工芸繊維大学 工芸学部 意匠工芸科卒業。
1987年松下電工(株)「現パナソニック(株)」に入社。
住宅照明の商品企画に従事。
1997年より中部インテリアライティングセンターで、照明ソフト研究や社内教育を行う一方、一般ユーザーから住宅会社の設計・コーディネーター、学生まで、幅広い層を対象としたセミナー、講演会の講師活動に携わる。
一般ユーザー向け「LIGHTINGMODE」カタログを監修。

吉川豪(パナソニック株式会社デザイン開発センター照明デザイングループ技師)
吉川豪
(パナソニック株式会社デザイン開発センター照明デザイングループ技師)

多摩美術大学 造形学部 立体デザイン科 プロダクトデザイン卒業。
1996年松下電工(株)「現パナソニック(株)」に入社。
住宅照明のデザイン開発に従事。
「MODIFY」開発では深澤氏とパナソニックとのコーディネイトを担当。

本間美紀(MIKI HOMMAジャーナリスト)
本間美紀
(MIKI HOMMAジャーナリスト)

早稲田大学 第一文学部卒業。
1993年専門出版社・(株)工作社入社。
インテリアの専門誌「室内」編集部に入社、約9年編集部員を務める。
2002年 エディター&ライター、ジャーナリストとして独立。ライフスタイル、インテリア、キッチン、デザインに関する編集、執筆、ウェブライティング、コミュニケーション活動が主軸。
活動の場は出版業界、ウェブ業界、インテリア、キッチンの関連企業など。

トークセッション

パナソニックから2009年4月21日より発売いたしました、慣れしたしんだ形を継承しながら今の環境に合わせた照明シリーズ【MODIFY】について、デザイン・監修をされたプロダクトデザイナー深澤直人氏と弊社のあかりアドバイザーくりやまさちこ、照明デザイングループ吉川豪とのトークセッションを本間美紀さんの司会のもと開催。
「開発の狙い」、「思想」、「空間提案」など、開発者・デザイナー自らが【MODIFY】に込めた様々な思いを語ってもらいました。

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デザイントーク風景01
デザイントーク風景02
デザイントーク風景03
デザイントーク風景04
本 間 一般的にプロダクトデザインをするときは、形から入っていくことが多いですよね。今回は、そういうのはやめようという深澤さんの提案から始まったと聞いています。その出発点をお伺いしたいと思います。
深 澤 自分が照明器具を使いたいと思い、どこに買いに行ってどういうものを選ぶだろうかと考えたときに、どうすればよいのか分からなかったんですね。一般の人も照明を選ぶときにどうやって選んでよいのか分からないんじゃないかなと・・・
本 間 「照明」と考えたときにパッと思いつく定番的なカタチってありそうでなかったという気がしますね。
深 澤 ユングが作った言葉で「アーキタイプ」というのがあるんですが、人間には遺伝する集合的無意識というものがあって、語り合っていないのに同時に頭の中に描いているカタチというものがあると言われています。デザインを生活の中で考えていくときに、まず「アーキタイプ」を探すというのが僕の中で前提となっているんです。「照明のアーキタイプは」と考えたときに、いろんな「アーキタイプ」を持っていないんじゃないかって思ったんです。それを検証するために今ある製品の一番売れているものがどれかを調べてもらったら、1種類か2種類に集中しているんです。それを更に絞っていくと1個か2個しかないんじゃないかと・・・
本 間 その結果として生まれてきたのが真球、バケット、半円の3つになったんですね。今までもこのような形のものはあったと思うんですけど、技術的に完璧なものはなかったと。例えば、見上げると光源がまぶしいとか、よけいな飾りが付いていたりとか・・・それを解決していく役割を吉川さんが担ったんですよね。
吉 川 そうですね。今までにもあったデザインだと思うんですが、例えば真球ですが、一般のものは上に金属の蓋があって光を通さないのですが、「MODIFY」は本体と同じアクリルで作っているので蓋まで光らせています。固定用のナットなども取り外し、真球に近づけています。よくよく見ると、いろんなところで「MODIFY」シリーズは考えられています。
深 澤 僕らの仕事は良いところだけをやるんじゃなくて、悪いなというところを取り除かなくちゃならない。でもこれは必然的に何十年も続いてきた技術だから、それを修正することは大変なことなんです。
本 間 パナソニックといえば、照明器具をたくさん扱っていますけど、数多くの既製品のパーツの中には「MODIFY」に合うものはなかったということですか?
吉 川 先ほど、深澤さんは照明の灯具を花に喩えられていましたが、付け根のところ(フランジ)は花瓶と呼んでいて、花瓶がしっかりきれいでなければ花は美しくないよと。大英断してパーツの見直しもしました。
深 澤 パナソニックって器具自体をスタンダード化しているんですよね。それを変えるっていうことはプロジェクトとしては相当負荷がかかるんですよ。そこをジャンプしてやっているところに成果が出ているということだと思います。
本 間 シンプルで美しいものができてきたわけですが、実際の生活空間の中できちんとコーディネイトされなければ花は単品で終わってしまうわけなんですが、どうやって使っていくのか、その辺のお話に移していきたいと思います。
くりやま 住宅のライティングを考えるときに、今まではインテリアのトータルなコーディネイトという言葉にとらわれすぎていたのではないかと、この「MODIFY」を見たときに感じたんです。「MODIFY」は、カタチはすごくポピュラーでシンプルですが、強いインパクトがあって、クラシック、ナチュラル、といった様々な空間にコーディネイトできると思いました。定番というものがある方が、空間のライティングはつくりやすいんじゃないかと感じましたね。
本 間 「MODIFY」はインテリアを選ばない定番のデザインであるということですね。であれば使い方も1つでもよいし組み合わせてもよいと・・・。
くりやま 空間に「灯りを活ける」感覚で、いろんな入れ方ができますね。住宅は、大きなあかり一つだけで全体が明るい空間ではなく、目的別のあかりを組み合わせた空間にしていきたいと思っているんですけど、一般の方にはわかりにくいと思うんです。そんなときに、安心して使える灯りを、まず空間の花として活けて、そのあとに環境を整えるというのがすごく自然なことだと思うんです。そうすることで、結果的に自分の好きなポイントもあるし、インテリア的にも満足のいく一室複数灯、私たちは「シンフォニーライティング」と呼んでいるんですけれども、そういうライティングが実現できると考えています。
本 間 例えば、ルイスポールセンとかインゴマウラーとか、そういうカタチで入っていくのではなくて、もっとこうスタンダードなデザイン、ベーシックなものをやろうということだったんでしょうか?
深 澤 やっぱりそこのベーシックな部分を作っていくということは、パナソニックというブランドと一緒にやらないとできないことです。小さなスタジオで小さく作っていくのはそんなに広がっていかないんですね。これは公共事業のようなものだと思っています。これまでは、こちらが良いことをしたら、それと違うことで勝たないといけないという競争の原理だったんですけど、でもそうではなくて今力の強い業態、企業が責任を持たなきゃいけない。そこが役割を担って、社会をよくしていこうという仕組みをやっていかないといけないと思う。そういう意味で、照明にはパナソニックで築き上げてきた伝統の中で、社会の中の役割としてやんなくちゃいけないというのが、このプロジェクトにはあったんじゃないかと思うんです。
本 間 昨年からパナソニックは、くらしの中のスタンダードデザインということで、いわゆる主張しない国民的な生活に溶け込むデザインを目指してやってらっしゃるんですけど、そういう意味で「MODIFY」はその流れにのったコンセプトだということですよね。
深 澤 日本の美学というのは、もともと日常で使っている道具の中に美を見い出そうとしてきたので、アートたる美というのは壁に飾った絵みたいなものではなくて、日常の中に入り込まないといけないというのがあったわけですよね。それを今すべてのものづくりに参加している人がすごく認識し始めたし、センシティブに分かる人が増えてきた。時代としては、デザインに対してすごく良い時代だと思います。厳しいけれど・・・。「MODIFY」はミラノサローネに出展したんですけど、そういうところがなんとなく向こうでも受けたような感じはありましたね。

商品展示見学会

商品展示会場に移動して、来場者に空間展示をご覧いただきました。

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