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商空間クリエイターに聞く 〜LED、私はこう使う! 第1回

失敗しない店づくりがいま求められている ゲスト:西脇 一郎 氏(西脇一郎デザイン事務所代表)

まだまだ伝わりきっていないLED本来の良さ

笈川
ここ最近の照明器具としてのLEDに対して、どのような印象をお持ちですか。率直なところをお聞かせください。
西脇

LEDが市場に出始めた数年前は、多くの空間デザイナーや建築家が積極的にLED照明器具を採用していました。現在はその瞬間的ブームが一段落し、少し落ち着いた感があります。クライアントもひと通り経験されて、「特にLEDにこだわらない」という方は少なくありません。

私たちの仕事の良し悪しは、すべてが結果で判断されます。LEDを導入したことでどれだけ省エネになったのかよりも、やはりどれだけ集客に繋がる空間デザインができたかが重要になってくる。例えば、ある商業施設内に同業態の店舗が3店並んでいたとします。
その中でいちばん早く全灯LEDに切り替えた店舗があったとして、しかしここだけ客足が遠のいてしまった、などということはあってはならないわけです。

奇をてらったデザインの店舗が、メディアを賑わしていた時代がありました。しかし今や前衛的で尖った店づくりよりも、"失敗しない店づくり"こそが要求されます。クライアントの立場になって、集客できる店をつくることこそが第一であり、目新しい製品や素材というのはその次のプロセスなのです。現状、多くの空間デザイナーがLEDについてとことん探求したい、けれどもそれだけの時間的余裕を持ち合わせていないというのが実情なのではないでしょうか。

これは世間一般でも同様のことが言えると思います。LEDの省エネ効果に対する認知度は高いですが、 それ以外の内容に関しては、他の光源と比べてどこが優れていてどこが劣っているのか? メーカーごとにどのような特長の違いがあるのか? 現在どの程度まで進化しているのか? などをしっかりと把握できている一般の方々はまだまだ少ないはずです。

メーカーサイドもさまざまな方法で情報発信はしていますが、他社の器具との比較広告などはほとんど目にしません。そのあたりも、LED本来の良さがまだ実態として伝わっていない理由の一つなのではないでしょうか。実際に使う人々に向けて、もっと具体的に、目に見える形でメーカー同士が競い合ってもいいのではないかと思います。

西脇 一郎 Ichiro Nishiwaki

インテリアデザイナー/
西脇一郎デザイン事務所代表。
桑沢デザイン研究所研究科卒業後、飯島直樹デザイン室勤務。1991年西脇一郎デザイン事務所設立。物販、ブティック、飲食、美容サロンなど幅広い空間デザインを数多く手掛ける。ナショップライティング賞優秀賞、BEST STORE OF THE YEAR優秀賞、ANDREW MARTIN International Interior Designer of the Year 2011、JCDデザイン賞など受賞多数。
http://www.nishi-d.co.jp

クライアントの意識の変化

笈川
クライアントの動向について、もう少しお話を聞かせてください。ここ数年の間にLEDの導入または、LEDへの変更要請について変化はありますか?
西脇

LEDに対して興味を持っているクライアントは多いですね。ただ、店舗リニューアルの際などに、当初「照明器具をすべてLEDに変更して欲しい」と要望を受けても、最終的に器具自体の価格が想定のコストを上回ってしまい断念するというケースもよくあります。最終的には、「コスト回収に5年はかかる、今回は止めておこう」ということになってしまいます。

また経験値の高いクライアントは、器具のイニシャルコスト以上に電気工事費が既存器具に比べて大幅に上回ることを気にします。既存照明に比べてLEDはまだまだ配灯数が必要です。昔は、「明るくしてもらえればいい」と任せてくれたクライアントが、LEDになると「こんなに工事費かかるの!?」というシーンも少なくありません。工事も終わり、引き渡し後にクライアントから「ここの照明は余分だったんじゃないか」と問われることさえあります。空間デザインにこだわったクライアントであれば納得してもらえますが、そうした事情が許されるクライアントばかりではありません。むしろそうした、良い空間のためならコストを惜しまないというクライアントに出会うケースは今では稀になっています。

百貨店や大手スーパー、また企業がチェーン展開しているような飲食店や物販店であれば、対外的なイメージ戦略の一つとしてLED導入は投下コスト以上の効果も得られるでしょうが、個人店舗のクライアントはコストに対してかなりシビアですから、それは難しい。時代の流れですね。

笈川
クライアントに対し、事前に細かいコスト試算を提示することはあるのでしょうか。
西脇

LED導入時のイニシャルコストは既存の照明器具に比べてまだまだ高いことに変わりありませんが、年を追うごとに確実に下がってきているのは事実です。扱いやすい素材になってきたという印象はありますね。

すべてを好きなように任せてくれるクライアントは別ですが、基本的にLED照明器具導入に際してはイニシャル/ランニングコストの試算、提示は毎回行っています。クライアントから求められるわけではありませんが、導入する光源や器具に対して信頼を持ってもらうためにもこれは大切なプロセスです。

とりわけ、全体の灯数が少ない小規模店舗には、耐久年数の長いLEDを勧めるようにしています。
その際にも、イニシャルとランニングコストの説明は必ずしています。特に照明へのこだわりが強かったり、コストに厳しいクライアントに対しては、打ち合わせ時にメーカーの担当者に同席してもらうこともあります。その場でLEDのメリットとデメリットを認識し、分からないことを確認してもらい、十分に納得してもらったうえで採用するかを決めていきます。
そうした際、聞き慣れない海外メーカーのLED器具などは候補に入れません。耐久年数が売り物のLEDなのに設置後すぐに切れてしまったということ話を耳にしたりするとやはりクライアントに勧めることはできません。そういったことからもパナソニックなどのメジャーブランドは信頼性が高く、弊社としても強力なプレゼンスになります。

笈川

昨年の東日本大震災以降、
人々の省エネに対する意識は確実に強くなっていると思いますが、クライアントにも意識の変化は見られますか?

西脇

確かに震災前と後では省エネに対するクライアントの考えは変化したと感じますが、それが即LED導入などに直結しているかどうかは微妙なところだと思います。ただ、震災後は節電のために街が以前と比べて随分と暗くなりました。その暗さに慣れたことで、これまでこんなに無駄に明るい光に囲まれていたんだということに多くの人が気付いたとは言えます。

デザイナーとしては、そうした考えにもフィットした店づくりをしていかなければならない。例えば、省エネで全体の光量が減っているときに以前の光量を空間に用いてみる。そうすると周囲が暗い分だけ目立つ店づくりができる。その場合は、明るく消費電力の少ないLEDは有利な光源になり得ますね。

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