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御茶ノ水ソラシティ| LIGHTING STYLE Vol.8 | P.L.A.M. | 照明設計サポート製品を探す

LIGHTING STYLE Vol.8

02 御茶ノ水ソラシティ

天井面・壁面の明るさを考えた設計

輝度を考えた照明設計

駿河台の再開発によって生まれたオフィス、店舗、教育関連施設、文
化交流施設などからなる大型複合ビル。
敷地内に3,000m² のパブリックスペースを設けるほか、隣接地区お
よび地下鉄への歩行者ネットワークも構築している。
水平面照度だけで照明設計をせず、壁面・天井面の明るさ(輝度)も
含めて設計を行うことで快適な空間を実現。
それぞれのシーンに対して必要十分の光の計画とすることで、省エ
ネルギー化も可能になった。

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■物件概要
竣工:2013 年3 月
所在地:東京都千代田区
施主:駿河台開発特定目的会社
設計:大成建設株式会社一級建築士事務所
施工:大成建設株式会社東京支店
工事監理:株式会社久米設計
電気工事:株式会社関電工、株式会社きんでん

御茶ノ水ソラシティ

POINT1

来場者を導く光の帯

眺望のすぐれた北側に開いたエントランスホールは待合スペースにも利用され、館内の人々の憩いの場所でもある。3 バンクあるエレベータホールへと導く光の演出でもある庇は、空調設備の吹き出しの機能も担っている。また、花崗岩の壁を照らすことで光のゲートを演出し、高揚感を与えている。

左:1 階エントランスホール。
右上:ロビー正面奥の大壁面ウォールウォッシャー。
右下:吹き抜けの木ルーバーへのウォールウォッシャー。

左:1 階エントランスホール。来場者をエレベータに導く床の光の帯(最大1000 lx)と天井間接照明。
右上:ロビー正面奥の大壁面ウォールウォッシャー。右下:吹き抜けの木ルーバーへのウォールウォッシャー。
※写真提供:環境省「省エネ・照明デザインアワード2013 デザインブック」より

夜の植え込み照明
1 階エントランスホールの照度分布。

1 階エントランスホールの照度分布。

POINT2

賑わいと空間の広がりを演出する地下広場

開放的な吹き抜けを有する地下広場にはそれぞれ個性を持った各店舗をつなげる演出として折り下げ天井を配した。階段状のスリットにはLED 直管照明器具を連続して仕込み、光の帯が広場を包むように賑わいと華やかさを演出する。

地下広場

地下広場。屋外階段に照明を仕込み、踏板を光らせている。

左上:地下商業テナント軒先の天井間接照明。
屋外照度分布図
敷地内に残された明治時代の石垣を利用

左上:地下商業テナント軒先の天井間接照明。右上:地下広場の照度分布。右下:敷地内に残された明治時代の石垣を利用して、淡路坂の歴史的景観を保全・
再生した。壁際の床にライン照明を仕込み、直進性の高いLED の特性を生かすことで、石垣上部まで光が届き、割肌のテクスチャーを浮かび上がらせている。

POINT3

サークル照明と並木のライトアップ照明に導かれるアプローチ

床埋め込みのLED サークル照明がエントランスをシンボリックに演出する。ライトアップされた樹木は照明としての役割も担い、緑の柔らかい光の連続により来場者をやさしく誘導する。

樹木のライトアップ
青色のインジケーター照明
樹木を照らす床埋め込みのツリーサークル照明。

左上:広場全体は樹木のライトアップや床埋め込み照明などの間接光を中心とした照明計画とした。左下:落ち着きある雰囲気の展望テラス。床には青色の
インジケーター照明を埋め込んだ。右:樹木を照らす床埋め込みのツリーサークル照明。長寿命の外部用LED 照明によって実現した。

光を操る方法
モックアップにより照明の輝度を調整

モックアップにより照明の輝度を調整し、最も光が広がる位置を割り出している。

ツリーサークル照明の断面図。

ツリーサークル照明の断面図。

Before
After

ロビーの明るさ感を検証すると、間接照明とウォールウォッシャーダウンライトの効果によりFeu 値が37% 上昇した。

Designer's Comment

建築空間と照明を一体に

パナソニックとは計画段階から「建築空間と一体な照明の魅せ方」を議論。演出の難しい外構を含め、詳細に検討してもらったことで、当初の計画通りの照明が実現できました。

伊勢 季彦氏

伊勢 季彦氏

大成建設株式会社
建築設計第一部
設計室長

赤羽 元英

赤羽 元英

ソリューションライティング
デザイングループ(東京)