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源吉兆庵 本社ビル| LIGHTING STYLE Vol.8 | P.L.A.M. | 照明設計サポート製品を探す

LIGHTING STYLE Vol.8

03 源吉兆庵 本社ビル

昼光利用を可能にする、美しい光壁

都市の行灯

源吉兆庵は国内外に向けて和菓子の販売を行う岡山県発祥、
創業60 年の老舗和菓子店である。本社ビルは
岡山駅の南側に位置し、1 階に店舗、2 〜 3 階に美術館を
併設した地上9 階建て、延床面積約4,200m²の
複合文化施設である。地上階の店舗部分をセットバックさせ、
2 〜 8 階のライトアップに注目させることで点灯時に
建物全体がふわりと浮いた印象になることを狙っている。
2 〜 8 階中央部の和紙は堀木エリ子氏がデザインした。
日の入り後はビル全体が柔らかく光り、「都市の行灯」
として美しい夜景と、歩行を助けるあかりを
岡山市民に提供している。

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■物件概要
竣工:2013 年8 月
所在地:岡山県岡山市
施主:株式会社源吉兆庵
設計:株式会社青島設計
施工:戸田建設株式会社
電気工事:株式会社きんでん

源吉兆庵 本社ビル

POINT1

和紙を均一に照らし、採光を確保

4 〜 8 階を貫通する中央の光壁には縦20m × 横10m におよぶ和紙入り合わせガラスが設置されている。日中は消灯されているこの光壁に夕方光りが入ると、和紙の大胆かつ緻密な柄が描き出される。また室内側は和紙を透過した柔らかい光が入る構成となっている。「美しい光壁」と「昼光利用」を両立するため、下記のような方法が採られた。

光を操る方法
ライトアップされた光壁。

左:ライトアップされた光壁。
右:輝度が80 〜 120cd になるようにシミュレーションを行った。

2 × 2m の和紙入り合わせガラス。

左:2 × 2m の和紙入り合わせガラス。右:ライトアップの実験。

ダクト内に設置された照明器具。

左:ダクト内に設置された照明器具。架台の影が室内に影響を及ぼさないように、 架台をガラス面から8cm 程度離している。
右:独自設計の取付架台と照明器具。垂直方向に2m ピッチで配置。

取付金具詳細図 縮尺1/5

取付金具詳細図 縮尺1/5
シームレス建築化照明器具(FYY26910 他、2700K)を左右に1 台ずつ
取り付けている。

室内側から光壁を見る。

室内側から光壁を見る。取付台の影響はほとんどない。ライトアップ時は室内のブラインドを下ろす設定となっており、光を受ける照射面を簡易に出現させている。これにより、積極的な昼光利用と、夜間のライトアップの両方を実現している。

Designer's Comment

ムラのない均一な光を実現

パナソニックさんとは以前から協働しており、技術的な信頼感がありました。モックアップでの実験を繰り返すことで、省エネを図りつつ、ムラのない均一な光が実現できました。

實金 寛氏

實金 寛氏

株式会社青島設計
第二設計室 室長

酒井 杏子

酒井 杏子

名古屋照明EC