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東日本大震災からの復興| LIGHTING STYLE Vol.8 | P.L.A.M. | 照明設計サポート製品を探す

LIGHTING STYLE Vol.8

東日本大震災からの復興

地図:東北

宮城県慶長使節船ミュージアム(サン・ファン館)

復興のシンボル

宮城県慶長使節船ミュージアム(サン・ファン館)は、日本における20世紀最後で最大のガレオン船「サン・ファン・バウティスタ復元船」を係留・展示する博物館。今から約400年前、石巻市月浦から出帆した慶長使節の偉業や大航海の様子を紹介している(乗船見学可)。東日本大震災の津波により既設ドック棟が壊滅的被害を受け、長らく休館していたが、国内外からの支援を受け、慶長使節出帆400周年の節目である2013年秋に再開館を果たした。宮城県、石巻市の復興のシンボルとして明るく、また省エネ・メンテナンスも考慮してLEDを多数採用した。

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■物件概要
竣工(再開館):2013 年11 月
所在地:宮城県石巻市(地図?@)
施主:宮城県
原設計:石井和紘建築研究所
改修設計:株式会社SUN 総合
施工:株式会社櫻井建設
電気工事:株式会社高橋電気工業所

図1:宮城県慶長使節船ミュージアム(サン・ファン館)

※慶長使節船「サン・ファン・バウティスタ」
宮城県慶長使節船ミュージアムに展示公開中。

展望棟からライトアップされた船と石巻の海を望む。

展望棟からライトアップされた船と石巻の海を望む。

津波被害を受けた後(上)と、リニューアル後の
ドック棟(下)。津波により通路のガラス壁と展示物が
被害を受けたため、ガラスを撤去し軒下空間に変更。
照明器具もそれに合わせて変更すると共にLEDに
リニューアル。

奇跡の一本松

追悼と希望

景勝地・高田松原で7万本の松原から東日本大震災の大津波に耐えて唯一残った「奇跡の一本松」。復興の希望の象徴として、多くの注目を受けていた一本松だが、倒壊の危険性があったため、2012年に保存作業を経て、モニュメントとして復原された。それに伴いライトアップが実施された。その歴史的背景と震災による甚大な被害の重みを照明演出で表現することを目指し、「追悼と希望」の光を、LEDにより実現した。

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■物件概要
竣工:2013 年7 月
所在地:岩手県陸前高田市(地図?A)
施主:陸前高田市
設計/ 施工:株式会社乃村工藝社
照明計画/ 電気工事:岩手県電気工事業工業組合 青年部

左:「追悼」のあかり。LED広角投光器(電球色)×3台で幹下部を照らす。右:「希望」の光。LED超狭角投光器(昼白色)×6台で枝先を照らす。

左:「追悼」のあかり。LED広角投光器(電球色)×3台で幹下部を照らす。
右:「希望」の光。LED超狭角投光器(昼白色)×6台で枝先を照らす。

図1:奇跡の一本松

石巻市水産物地方卸売市場石巻売場

漁港施設再建のモデル施設

東日本大震災では、多くの漁港施設が被害に遭ったが、その中でも中心的漁港であった石巻港の影響は大きく、早期復旧復興が強く望まれていた。新市場はS造4階建て、3棟総延べ47,499m²の規模で、県内初となる高度衛生管理型荷さばき所を魚種別に整備した。上屋長さは「東洋一の魚市場」と呼ばれた旧施設の1.4倍に当たる約880mになる。今後も被災各地で再建が進む魚市場施設のモデルとなるべく、省エネ性と共に色の見え方や衛生面にも配慮し、Ra85、5000Kで調光可能な重耐塩・防湿型の仕様とした。

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■物件概要
竣工:2015 年6 月(予定)
所在地:宮城県石巻市(地図?B)
施主:石巻市
設計:一般財団法人漁港漁場漁村総合研究所(基本計画)
    株式会社横河建築設計事務所(実施設計)
施工:鹿島建設株式会社
電気工事:株式会社ユアテック

図1:石巻市水産物地方卸売市場石巻売場

上:海側、荷上げ庇部。下:荷さばき所。照明はRa85、5000Kの防湿型で重耐塩仕様、調光可能型の特注器具。