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P.L.A.M. PLAM プラム | 照明設計サポート設計知識とツール 照明設計資料

照明設計資料

視環境の評価

1.輝度に基づく視環境評価の重要性

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 照度の章でも述べたように、照度は照明設計において大変重要な評価指標であり、照明設計の多くが、JIS照明基準総則(JIS Z9110:2010)に記載の推奨照度をベースとして行われています。照度は照度計にて計測できますが、我々が計測できる測光量は照度だけでなく、輝度もあります。図1に照度と輝度の関係を示します。

図1に示すように、照度は評価対象に入射してくる光を捉えたものです。しかし、評価者の眼とその評価対象との位置関係を考えれば、評価者が実際にその対象に対して感じる「明るさ」などの評価は、評価対象に入射する光ではなく、その入射された光が対象で反射されて視線方向に向かってくる光の量により与えられます。もし、その対象が光源などの自ら光を放つものであった場合には、対象から直接視線方向に向かってくる光の量が、その対象を見ている人の「まぶしさ」などの評価に影響を与えます。
 そして、それら評価者の視線方向に向かう光の量を捉えているのが輝度です。したがって、人の感覚に対応した照明設計をするためには、本来なら、照度よりも輝度に基づき行うべきだと言えます。実際に、限られた光束で必要な視認性を確保するために厳しいスペックが要求される道路照明やトンネル照明の分野では、以前より輝度設計を採用しています(道路照明やトンネル照明の章をご参照下さい)。
 本章では、以上述べてきた輝度に基づき開発された視環境評価方法を紹介していきます。

2.空間の明るさ感評価

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 我々は空間を観察した時に、「この空間は明るい」、「この空間は暗い」と自然に空間全体に対して感じる明るさを評価します。この空間を観察した時に感じる明るさの心理量は、一般的に「空間の明るさ感」と呼ばれています1)
 照明設計者にとって、「暗い」と言われるクレームは最も避けなければいけないことです。また、「明るさを落として落ち着いた空間にする」や「明るくして開放的な印象の空間にする」など、空間の雰囲気は「空間の明るさ感」と密接な関係にあります。そのため、「空間の明るさ感」を配慮することは、照明設計をする上で、とても重要なことであると言えます。
 しかし、従来からの照明設計の指標である床面照度や机上面照度などの水平面照度では、この「空間の明るさ感」を適切に表現できないことが知られています2)。例えば、図2に示す大きさと内装が全く同じで照明方法の異なる左右の空間を比較してみて下さい。空間としてみた場合、明るい空間と感じるのは、床面を重点的に照明した左空間よりも、壁面を重点的に照明している右の空間です。ところが、床面だけを見てみると、左のほうが明るく、当然のことながら、床面照度は左の空間のほうが高いのです。すなわち、従来からの照明設計の指標である水平面照度で判断をすれば、「左の空間のほうが右空間よりも明るい」と言う誤った評価をしてしまうのです。

 この時に、Feuを用いれば、左空間のFeu値9.5に対して、右空間のFeu値は12.5と、見た目どおりに、左空間より右空間のほうが明るい空間であると、適切に数字で評価することができます。このように、Feuは、「空間の明るさ感」を高い精度で予測し、数値で定量的に表現することのできる指標です3)。なお、Feuはフランス語であり、「火」や「炎」の意味です。

1 空間の明るさ感評価指標Feu

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 Feuは、実際の空間を用いての評価実験データ4)5)に基づき式化されたもので次の式(1)を用いて、視野の輝度分布から算出することができます。ここで式(1)のLgは誘導視野6)(視角にして左右100度×上下85度)内の輝度の幾何平均値です。
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 このように、Feuは、人が空間を観察する時の視野に注目して、視野の輝度分布から算出される指標です。例えば、図2の空間を観察している時の人間は、図3左に示すように視点を下に向けて床面だけを見ている視野ではなく、図3右のように、床面だけでなく天井や壁面にも視点を向けた視野で明るさを感じています。Feuは、図3下に示すような、その空間全体から目に入ってくる光の明るさ感を総合的にとらえた指標なのです。

2 Feuと照明設計

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 Feuを用いれば、設計者の「感覚」に頼ることなく、より客観性のある定量的な照明計画が可能になります。間接照明や建築化照明を駆使して設計された空間は、床面照度をあまり高くせずとも、空間の明るさ感を充分確保することが可能です。例えば、図4の2つの空間A・Bを比較しますと、明るく見えるのは、床面を重点的に照明している空間Bよりも、間接的に天井を照明している空間Aであるのは明らかです。しかし、このときの床面平均照度は、空間Aが160 lx、空間Bは190 lxですから、見た目の印象とは全く逆の値を示していることになります。図4は、従来からの照明設計指標である水平面照度では、空間の明るさ感を的確に表現できないことを明確に示しています。この時、空間Aは、Feu 10、空間BはFeu 6となります。すなわち、Feuを用いれば、見た目の感覚通り、空間Aのほうが空間Bよりも明るい空間であると明確に数値で示すことができるようになります。

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  また、Feuを取り入れた照明計画は省エネにも貢献をします。例えば、廊下の照明計画においては、歩行性の確保を目的とした廊下の床面照度は100 lx 程度で充分ですので、必要以上の照度の確保はエネルギーの無駄につながります。そこで、必要な空間の明るさ感を確保するために、Feu値を目安にした設計を行えば、床面照度を低く設定して省エネを実現することができます。Feuを活用して省エネを実現した事例を図5に示します。図5に示される空間A・Bは、共に廊下空間として充分な明るさ感が確保されているFeu 9.5の照明計画です。しかし、照明器具と配灯を工夫することで、Aの照明計画はBに比べて、約16%の消費電力量削減に成功しています。

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 さらにFeuは、従来からの設計指標である照度と組み合わせることで、狙いの雰囲気を実現する設計指標としても活用することもできます。図6は、評価実験と既存物件の測定により求められた、Feuと床面平均照度との組み合せと、エントランス空間の雰囲気との関係を示したものです。狙いとする空間の雰囲気に対応した適切なFeu値と照度との組合せの値を目指して照明設計を行えば、狙いの雰囲気を高い精度で実現できます。

3 Feuのシミュレーションと実測

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 Feuは照明設計指標として活用できるよう、予測シミュレーションと実測が可能です。
 Feu値の予測シミュレーションには4つの要素が必要となります。
 @空間サイズ(間口、奥行、高さ)
 A器具特性(配光特性、保守率)
 B天井・壁・床の反射率
 C器具設置条件(位置、取付角)
図4図5に例を示すように、シミュレーション結果は、Feu値とともにビジュアル化できるので、仕上がりイメージが理解しやすく説明も容易です。また、完工物件や既存施設、施工段階の現場で、CCDカメラを用いた輝度分布測定専用機を用いてFeu値の実測も可能です(図7)。

4 屋外照明におけるFeuとFeu×V設計法

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 以上述べてきたFeuは、屋内照明を対象に開発されたものですから、森らは、式(1)に示すFeuの算出式を屋外照明にも適用できるかの検証を評価実験により行いました7)。その結果、式(1)に示される視野内の幾何平均輝度値のLg(屋内照明においては誘導視野内の輝度の幾何平均値を用いる)を、屋外照明においてはより限定された有効視野(視角にして左右30度×上下20度)を採用したほうが、より高精度に空間の明るさ感を予測できることを明らかにしました。
 一方、Feuは空間の「明るい−暗い」を評価する指標ですので、狙いの雰囲気を実現する照明設計を行うためには、図6のところでも述べたように、Feuと照度の組合せなど、他指標との併用が必要になります。しかも、建築外構に代表される情緒的な雰囲気が求められる屋外空間では、Feuと照度がほぼ同じであっても雰囲気が全く異なる場合があります。図8にその比較例を示しますが、同じレベルのFeuと照度の組合せであるのにも関わらず、左図は落ち着いた印象の空間であるのに対して、右図は賑わいの印象を与える空間と、空間から受ける雰囲気の印象は異なっていることが分かります。

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 森らは、この現象が生じる要因が光のメリハリによることを明らかにし8)、視野内の輝度分布から光のメリハリを予測することのできる下記式(2)を定式化し、この式から算出される光のメリハリ度指標をVと名付けました(読み方は「ヴィー」となります)。
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 ここで式(2)のLgは有効視野(視角にして左右30度×上下20度)内の輝度の幾何平均値、Liは、視野内のLg以上となる各点の輝度であり、nは計算点数となります。また、LiはLi≧Lgのみ計算します。
 この光のメリハリ度指標VとFeuとを組み合わせることで、屋外照明において代表的な「落ち着きのある空間」と「賑わいのある空間」の2つの雰囲気を定量的に取り扱うことを可能にしました。FeuとVの組合せと、雰囲気評価との関係を示したマトリクスが図9です。図に示す範囲を目標値として照明設計を行うことで、「落ち着きのある空間」、あるいは「賑わいのある空間」の実現が可能となります。

図9では、FeuとVの組合せによる照明設計の事例として、LED照明器具による照明プランのFeu値とV値も併せて示しました。図上のプランでは、アルミルーバを用いた器具を採用し、発光部を見せずに、しっとりとした「落ち着きのある空間」を実現しています。一方で図の中央と下のプランでは、乳白グローブを用いた器具を採用し、発光部に適切な輝きも持たせ、光を拡散させることでまぶしさのない「賑わいのある空間」を実現しています。上のプランのFeu値は0.34でV値は2.5、中央のプランのFeu値は0.62でV値は16.5、下のプランでFeu値0.46、V値19.7であり、これらプランは、それぞれの狙いの雰囲気に対応したFeuとVの範囲内の値を実現していることが分かります。

3.不快グレア評価

 視野内に点灯中のランプや昼間の明るい窓がある場合、不快なまぶしさを感じたり、見ようとする対象物が見え難くなったりすることがあります。これらの現象をグレアと言います。
 普通、グレアは、輝度の高いランプなどを直視した場合に生じますが、直視しない場合でもこれらのランプが視野内にある場合、あるいは、ガラスなど光沢のある面にこれらのランプが映り込み、その像が人の目に入る場合にも生じます。
 また、グレアは、人に及ぼす影響により、人が不快感をうける不快グレアと、見ようとする対象物を見え難くする減能グレアとに分類されます。しかし、一般には、両者が複雑に影響しあっていて単純に分離することはできません。
 一般的な室内の照度は、見ようとするものが見えるか見えないかという限界的なレベルになっている場合はきわめて少なく、見え方に十分な余裕があるので、少々輝度の高い光源が眼に入っても減能グレアによって重大な問題が発生することはほとんどありません。このため、室内の照明では、不快グレアが重要視されています。
 照明器具によって生じる不快グレアを定量的に評価する方法については、これまで数多くの実験研究が行なわれてきました。これらの評価方法は、グレアインデックス方式と輝度規制方式とに大別できます。

1 屋内統一グレア評価値UGR

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 グレアインデックス方式は、不快グレアの程度に影響をおよぼす光源の輝度、光源の大きさ、光源の位置、天井面・壁面など光源の発光面の背景となる周辺の明るさを変数とした計算式によって不快グレアの程度を精度よく評価する方式です。この方式に関して、これまでいくつかの国で独自の計算式が提案され、使用されてきました。このため、CIEでは、1987年にこれらのグレアインデックス方式を統一した方式を設定することを目的とした技術委員会が発足し、CIE不快グレアの統一した方式としてUGR(Unified Glare Rating)9)に関する技術的検討が行なわれ、UGRがCIEの基準として設定されました。
 UGRは、背景輝度Lb[cd/m2]、照明器具の発光面の輝度L[cd/m2]、照明器具の発光部の大きさω[sr]、Guthのポジションインデックスpから下記式(3)により算出されます。
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 ここで、背景輝度Lbは通常、観察者の眼の位置での間接照度Ei[lx]から式(4)により計算されます。
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 照明器具の発光面の輝度Lは、照明器具の観察者方向の光度I[cd]と投影面積Ap[m2]から式(5)により求められます。
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 照明器具の発光部の大きさωは、立体角で表現されるため、下記式(6)により、照明器具発光部の投影面積Ap[m2]と観察者から照明器具発光部中心までの距離r[m]から算出されます。
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Guthのポジションインデックスpは、観察者から見たときの照明器具の位置によって決まる指数です。この値を求める方法を図10の照明空間を例に説明します。図10に示しますように、観察者と照明器具との位置関係を、H、T、Rで表します。次に、これらH、T、Rから、T/R、H/Rを求めます。そして、これら求めたT/R、H/Rからpを読み取ります。

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 こうして求めたUGRにより、その施設における不快グレアの評価、あるいは、照明器具の選定を行ないます。その際、UGRの値と不快グレアの程度とは表2の関係があるため、この表を基準に評価します。

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 JIS屋内作業場の照明基準(JIS Z9125:2007)では、「照明施設のUGR値は、5.に示す値を超えないことが望ましい」と記述されています。ここで「5.」と書かれているのは、「照明要件一覧表」のことであり、その一部を抜粋して表3に示しました。すなわち、「5.に示す値を超えない」ということは、照明要件一覧表に記載のUGRLを超えないという意味になります。

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 日本照明委員会が作成した屋内作業場の照明基準設計ガイド(JCIE-002)では、不快グレアの主観評価値が変化するには、UGR値が3程度異なることを考慮して、UGRによる照明設計に対して図11に示す解釈を提案しています。例えば、照明要件一覧表にてUGRL が19と書かれている部位にお勧めできる照明器具のUGRは、19.0≦UGR<22.0となります。

2 屋外グレア評価値GR

 屋外照明施設に対する不快グレアに対しては、JIS照明基準総則で採用されているグレアインデックス方式のGRがあります。GRの詳細に関しては、スポーツ照明施設の章を参照して下さい。

3 グレア分類

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 輝度規制方式による不快グレアの制限は、照明設計の際に簡便に照明器具が選定できることから、実用的な方式だと言えます。その輝度規制方式として、現在、日本の照明分野で最も広く活用されているのがJIS施設用蛍光灯器具(JIS C8106:2010)に採用されているグレア分類です。
 グレアの生じやすい鉛直角65°〜85°の範囲の照明器具輝度の制限値に段階を設けて、省エネルギーとのバランスのとれた照明の実施を促すことがグレア分類の考え方になります。
  これまで照明器具のグレア分類には、G分類(G0、G1、G1a、G1b、G2及びG3)以外に、照明学会技術規格の屋内照明基準(JIES-008:1999)に採用されているV分類(V1、V2及びV3)がありました。G分類は、全般照明からの不快グレアに対する照明器具の輝度制限であるのに対し、V分類は、VDT画面の反射グレアを防止するものであります。現在、オフィスビルなどでは、VDT作業が当たり前の照明環境になっていますので、ごく専門的な職場を除き、VDT作業のための照明を一般の全般照明と区別する必要性が薄らいできております。そこで、JIS施設用蛍光灯器具からは、G分類の中にVを新設して統一的にグレアを扱っています。
  なお、JIS照明器具−第3部:性能要求事項通則(JIS C8105-3:2011)の附属書A「LED照明器具性能要求事項」において、LED照明器具に対するグレア分類も、JIS施設用蛍光灯器具によるとしています。
表4にJIS施設用蛍光灯器具で規定されたグレア分類とその内容を示します。

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 そして、各グレア分類に対する輝度制限値を表5に示します。

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 また、表6に各グレア分類に対応した施設用蛍光灯照明器具の例を示します。

4.視認性評価

 視認性には大きく分けて、「見える−見えない」(弁別閾)や「読める−読めない」(可読閾)などと表現される閾レベルでの視認性と、すでに見えて、読めているのですが、それよりさらに上のレベルの「見えやすい−見にくい」や「読みやすい−読みにくい」と表現される閾上レベルでの2種類の視認性が存在します。

1 閾レベルの視認性評価法Visibility Level

 視認性を定量的に扱った報告で最も代表的なものは、Blackwell10)やAdrian11)が提案したVL(Visibility Level)です。VLの概念は、式(7)または式(8)に示すように、視対象の輝度Ltとその背景の輝度Lbとの輝度差ΔL (=|Lt-Lb|)または輝度対比Cと、輝度差弁別閾ΔLminまたは輝度対比Cthとの比をとり、これによって視認性を評価しようとするものです。
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 VLは輝度対比弁別閾や輝度差弁別閾などの閾値データに基づく評価方法ですから、主として、路上落下物が視認できるかどうかというような閾レベルでの視認性12)に適用されてきました。
この閾値は、視対象の呈示時間の違い13)やサイズの違い14)、そして観察者の年齢の影響15)などの様々な条件によって変化することが報告されています。

2 文章に対する読みやすさ評価関数VIF

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 閾上レベルの視認性として代表的なものは、「読みやすい−読みにくい」と表現される文章に対する読みやすさです。
  佐藤・原は、輝度が一様な視野の視線上1m先に平易な日本文を視対象として呈示し、数多くの条件下で文章の読みやすさ評価実験を行いました16)
  岩井・岡嶋は、その佐藤・原の実験データを精度良く予測することのできる文章に対する読みやすさ評価関数VIF(Visibility Index Function)を開発しました17)
  VIFは、文字の輝度Lt[cd/㎡]とその背景輝度Lb[cd/㎡]、輝度差ΔL(=Lb-Lt)、そして、視角で与えられる文字サイズA[分]から下記式(9)により算出されます。
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 この式(9)を用いて、VIF値と佐藤・原の全データに対して計算を行ったVIF値と、佐藤・原が示した文章の読みやすさ評価の50パーセンタイル値(以下、50パーセンタイル値と記す)との関係を図12に示します。図12は、VIF計算値と50パーセンタイル値との間に強い相関関係があることを示しています(相関係数0.982)。なお、50パーセンタイル値と評価カテゴリーとの関係は、図13のようになります。

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 このVIFを用いて、書類を読む条件に近い文字サイズ9ポイントと12ポイントに対する計算から得られた、照度と50パーセンタイル値との関係が図14になります。照度の上昇につれ読みやすさの上昇が見られますが、500 lx以上でほぼ評価の上昇が止まることが分かります。

3 サインの目立ちに必要な輝度

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 まっすぐに見ているサインが目立つための、サインの見かけの大きさ(立体角)ごとの、周囲の輝度に対して必要な輝度の実験結果の一例を図15に示します18)。これは内照式と外照式に適用できます。

図15の使い方は、例えば、周囲の輝度が400cd/㎡(反射率30%の壁ならば、約4,000 lxで照明した場合のかなり明るい状態に相当)の場合でも、5,000cd/㎡程度のサインであれば、よく目立つことになります。
  なお、立体角ω[sr]は、前述のUGRの解説の時に示した式(6)により算出します。
  例として、コンパクト形蛍光灯を用いた内照式サインを通常の壁に設置したときの目立ちの程度を予測してみます。サインの面積Sは、S=40cm×48.5cmとします。これを10mの距離から見たとすると、立体角ωは式(10)により、約0.002srとなります。
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 サインの輝度LSは5,000cd/㎡で、壁の輝度Lbを50cd/㎡と想定しますと、図3より「非常に目立つ」となります。

参考文献〕
1) 特集 明るさ感の研究と活用事例,照明学会誌,86-2,pp.746-786(2002).
2) A.R.Bean:Impression of Brightness of Object and Interiors, Light. Res. Technol., 9-2, pp.103-106(1977).
3) 岩井 彌:空間の明るさ感評価指標「Feu」の開発と照明設計への適用、照明学会誌、93-12、pp.907-912(2009).
4) 山口秀樹、篠田博之:色モード境界輝度による空間の明るさ感評価、照明学会誌、91-5、pp.266-271(2007)
5) 井口雅行,岩井 彌,藤野雅史,山口秀樹,篠田博之:色モード境界輝度による空間の明るさ感評価の応用事例
 −住宅居室における間接照明を主体とした‐室複数灯配置の明るさ感評価−,照明学全国大会講演論文集,p.161(2005).
6) 畑田豊彦:VDTと視覚特性,人間工学,22-2,pp.45-52(1986).
7) 森,松井,岩井,茨,蓮尾:空間の明るさ感評価指標Feuを用いた屋外照明設計法,パナソニック電工技報,57-4,pp.34-40(2009).
8) 森,須藤,最所,佐藤,發田:建築外構における雰囲気評価指標の検討 第2報,照明学全国大会講演論文集,p.5-23(2012)
9) CIE Technical Report 117-1995: Discomfort Glare in Interior Lighting (1995).
10) CIE Publication No.19/2.1 and No.19/2.2:An analytic model for describing the influence of lighting parameters upon visual performance(1981).
11) W. Adrian:Visibility of Targets : Model for Calculation, Ligh. Res. Technol., 21-4, pp.181-188(1989).
12) K. Narisada, T. Saito, Y. Karasawa : Perception and Road Lighting Design, Proceeding of SANCI, pp.83-86(1996).
13) H.R.Blackwell and O.M.Blackwell : Population data for 140 normal 20-30 year olds for use assessing some effects
  of lighting upon visual performance, J.Illum.Engng.Soc., 9-3, pp.158-147(1980).
14) 中根芳一,伊藤克三:「明視照明のための標準等視力曲線に関する研究」,建学論,229,pp.101-109(1975).
15) O. M. Blackwell and H.R.Blackwell : Individual responses to lighting parameters for a population of 235 observers of varying ages,
  J.Illum.Engng.Soc., 9-4, pp.205-232(1980).
16) 佐藤隆二,原 直也:明視三要素で構成される3次元空間における種々の見やすさレベルを表す曲面,照学全大,pp.130-131(1999).
17) 岩井 彌,岡嶋克典:正対比文字で構成された文章に対する読みやすさ評価関数,照学誌,88-11,pp.875-881(2004).
18) 田渕義彦ほか:中心視の光源によるグレアの主観評価(その4),照明学会東京支部大会,p.25(1988).

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