大木と緑で構成されたエントランス。天井各所にLPSスキャナが配置されている

LPS ※1 による位置データ解析によりワークプレイスをアップデート

三菱地所株式会社は2018年1月、大手町パークビルディングに本社を移転した。全体を巨大な『PARK』に見立てられた空間では、新たな価値を創出し続ける多くの取り組みが行われた。「“オフィスを提供”してきた当社は、“ワークプレイス提供”の進化形としてWaaS※2 を目指している。これはワークプレイスをサービス(価値)として提供するもの。働き方の多様化という社会条件の変化をチャンスと捉え、内部階段や巨大共有スペースの設置をはじめ、ワークスプレイスの整備など、業務効率化のためのさまざまな試みを導入した。
その一つがLPS」と総務部 ファシリティマネジメント室 副主事 佐々木詩織氏。「仕事内容に合わせて働く場所やデスクを自ら選ぶワークスタイルでは、個人がどこに居るかが分かりにくいが、館内620カ所に設置したLPSスキャナにより特定が容易になった。さらに、滞在データの解析により施設の利用状況が可視化でき、効率良いレイアウトも実現できる。今回の本社移転におけるLPS設置はパナソニックと共創の実証実験だが、これによりオフィスワーカー個々の行動データが取得でき、ワークプレイスの効果測定が可能になった。ここを最先端事例として積極的に発信していきたい」と語る。

  • 1.屋内位置情報システム(Local Positioning System)
  • 2.Workplace as a Service

建築設計Report vol.30/2019年8月発行
※会社名、役職名などは掲載時のものです。

スケルトン天井に大木の枝をイメージした導光板照明を採用(3階)

基準階のシステム天井用照明器具を用いながら意匠にこだわった空間(5階)

食事をしながらのコミュニケーションに配慮されたカフェテリア『SPARKLE』

コミュニケーションスペースとして一日中利用される『SPARKLE』は社員食堂でもある

アウトドア+プライベートを意識したグランピングがテーマの『GLAMPLE』(6階)

小口径のグレアレスダウンライトが採用された会議室

靴を脱いでリラックスして柔軟な発想を促す人工芝風カーペットのスペース(6階)

一人で集中できる個人用ブースも多く設けられている

いつどこで働いたかがわかり、行動が同部署の人と比較できる個人向けダッシュボード

スマートフォンの信号で個人の場所を特定するLPSスキャナ(プロトタイプ)

LPSによる人起点の位置情報収集


三菱地所株式会社 本社

■本社移転工事
所在地/東京都千代田区大手町
事業主/三菱地所株式会社
内装企画/株式会社メック・デザイン・インターナショナル
工事/株式会社竹中工務店 他
移転/2018年1月

主な設備

● LPS ● 導光板照明 ● SmartArchi ソフトライト ● システム天井用照明器具 ● TOLSOスポットライト ● 小口径ダウンライト


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