NTTドコモグリーン基地局

平常時も非常時も対応できる、新しい時代の基地局への電力供給システムを実現してほしい。グリーン基地局ソリューションNTTドコモグリーン基地局

お客様の課題

災害時でも安定した通信環境を届けたい。

携帯電話基地局には、従来からバックアップ電源が備えられています。しかし、東日本大震災をきっかけに災害時でも長時間対応でき、また、真夏や自然災害時の電力不足にも対応できる全く新しい基地局が求められました。そこで、太陽光発電システムと蓄電池を活用した「次世代型グリーン基地局構想」の実現化に向けた開発がスタートしました。

パナソニックは、携帯電話だけでなく携帯電話基地局の設備も提供してきました。災害時対策としてのグリーン基地局へのニーズに、グループ内のエネルギーマネジメント技術を結集して応えました。

パナソニックは、携帯電話だけでなく携帯電話基地局の設備も提供してきました。災害時対策としてのグリーン基地局へのニーズに、グループ内のエネルギーマネジメント技術を結集して応えました。

取り組み

桶川実験店舗で創蓄連携システムを体験。

「災害時や電力不足に対応し、環境にもやさしい基地局をつくりたい。」それが、お客様からの最初のご要望でした。パナソニックセンター東京のエコアイディアハウスを視察され、先進のエネルギーマネジメントを体験。すでに住宅用の創蓄連携システムはありましたが、基地局では電力を長時間まかなうための充放電制御や瞬停も起こさない厳しい仕様が必要でした。これまで培った基地局ソリューションのノウハウとエネルギー技術を結集し、基地局専用の創蓄連携システムの提案につなげました。
※SEG-B:Smart Energy Gateway for Base stationの略。

グリーン基地局の心臓部、SEG-B※(左上)とリチウムイオン蓄電池(右中)。

グリーン基地局の心臓部、SEG-B※(左上)とリチウムイオン蓄電池(右中)。

効果

発電した電力を直流のまま活用することでエネルギー損失を約10%前後削減。

太陽光発電システムでつくった電力をムダなく蓄電し、停電時には長期間の単独運転を達成しなければなりません。そこで、発電した直流電力を直流のまま蓄電池にためるシステム向けにSEG-B※を開発。直流から交流への変換ロスをなくすことで、変換が必要なシステムに比べ、エネルギー損失を約10%前後削減できるようになりました。これらのシステムをコンパクトにパッケージ化することで、既設の基地局にも設置可能な小型・軽量、長寿命の創蓄連携システムを提供することができました。
※SEG-B:Smart Energy Gateway for Base stationの略。

発電・蓄電・使用状況、系統電力の使用割合などを遠隔地からモニタリング。

発電・蓄電・使用状況、系統電力の使用割合などを遠隔地からモニタリング。

SEG-B※:太陽光で発電した電力の充放電と系統電力の流れを時間帯や季節等の環境に合わせて最適制御する。

SEG-B※:太陽光で発電した電力の充放電と系統電力の流れを時間帯や季節等の環境に合わせて最適制御する。

実証実験で信頼性が立証され、いよいよグリーン基地局へ導入。

「災害は地震だけではありません。台風や豪雨においても、基地局のグリーン化は不可欠です。将来的には災害時でも3日間の電力確保が目標。グリーン基地局間の電力融通も構想しています。」とNTTドコモの方は語ります。横須賀リサーチパークでは、グリーン基地局の本格稼働を目指し、創蓄連携システムの蓄電性能や、屋外の過酷な環境下を想定した実証実験を実施。その結果、高い信頼性が認められました。2013年度までに10局程度が建設され、商用化に向けたフィールド試験を実施予定です。

横須賀リサーチパーク:NTTドコモ・R&Dセンタが拠点を構えるモバイル通信関連の国際的な研究拠点。

横須賀リサーチパーク:NTTドコモ・R&Dセンタが拠点を構えるモバイル通信関連の国際的な研究拠点。

ドコモR&Dセンタ(横須賀リサーチパーク内)での実証試験では、230Wの太陽光パネル4枚を設置し最大920W発電

ドコモR&Dセンタ(横須賀リサーチパーク内)での実証試験では、230Wの太陽光パネル4枚を設置し最大920W発電

グリーン基地局のフィールド試験では、直流電力の統合制御だけでなく、電力監視・見える化の実現も目指す。

グリーン基地局のフィールド試験では、直流電力の統合制御だけでなく、電力監視・見える化の実現も目指す。

将来のビジョン

安定した通信インフラを新興国の無電化地域にも展開。

携帯電話が爆発的に普及する中国、アフリカ、アジアなどの新興国では、電源確保が難しい地域における携帯電話網の構築が求められています。配線工事を行わずに建設することもできるグリーン基地局は、電気の通っていない無電化地域での通信インフラとしても期待されています。パナソニックは、世界の国や地域が抱える電力供給の課題に、グリーン基地局で応えていきます。

グリーン基地局は、無電化地域の通信インフラとしても利用できる。

グリーン基地局は、無電化地域の通信インフラとしても利用できる。

さらなる拡がり

様々なインフラ設備の停電対策にグリーンパワーシステムを展開。

災害時の停電対策は、基地局だけでなく、防災無線設備や屋外監視カメラなど、人々の安心・安全を支える重要なインフラ設備にも求められています。パナソニックでは、グリーン基地局で培ったノウハウをもとに、様々な設備や機器に展開できる創蓄連携システム「グリーンパワーシステム」を開発しました。独自のエネルギーソリューションで、くらしの重要なインフラ構築に貢献していきます。

用語解説

創蓄連携システム

太陽光発電や燃料電池で発電(創電)した電気を蓄電池に効率的に蓄え、系統電力が逼迫しているときや停電時に利用できるようにするシステムです。一般に使用されている電気は交流(AC)ですが、太陽光発電や蓄電池は直流(DC)です。このため、一般の太陽光発電システムにはパワーコンディショナーというDC/AC変換装置があり、変換時に電力ロスが出てしまいます。蓄電池に貯める際にもAC/DC変換が必要でロスが出ます。創蓄連携システムは太陽光パネルが発電したDC電力をそのまま蓄電池に貯め、電力を最大限に有効使用するシステムです。

グリーンパワーシステム

屋外にあるインフラ設備の停電対策用電源バックアップや電力削減(ピークカット)、また、無電化地域へのインフラ設備導入を可能にするソーラー連携リチウムイオン蓄電システムです。

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