納入事例
宮古島フィールド実証事業
(2018年〜)

株式会社 ネクステムズ様
[沖縄県 宮古島市]
宮古島市

宮古島フィールド実証事業の体制
電源制御の沖縄電⼒(株)様と
需要制御の(株)NEXTEMS様で、
需給バランス最適化を図る。
実証事業の実施にあたり、相互に協⼒することで、宮古島をはじめとする沖縄離島地域における第三者所有設備を活⽤した調整⼒制御(エリアアグリゲーション)の技術的成熟及び実現を⽬指し、離島電⼒系統での負荷率向上及び再エネ普及拡⼤を図ることを⽬的とする。
宮古島市市営住宅太陽光発電設置図
(2019年8⽉現在)
- 市営住宅に設置されたネットワーク型エコキュートは需給調整と温⽔提供を兼ねています。
- メーカーと協⼒して宮古島特有のカルシウム結晶化によるエコキュートのパイプの詰まりを防ぐ軟⽔器。
太陽光発電常時出⼒制限の流れ
変動性の⾼い太陽光発電を安定電源化するためにあえて⽇射による⾼位出⼒帯をカットして運⽤。
太陽光発電の主電源化をめざして
電⼒会社とアグリゲーター※2が協⼒
2016年(⾃給率2.9%)を基準年に、2030年⽬標22.1%、 2050年には⾃給率48.9%を掲げる宮古島市。離島という条件から、同市のエネルギーは約97%を島外からの化⽯燃料に依存しており、この費⽤の島外流出や⽕⼒発電によるCO₂排出量が課題でした。そこで⽬標達成に向けて、⼀般家庭や事業所における省エネアクションや省エネ機器への更新、電気⾃動⾞の利⽤促進、太陽光発電や⾵⼒発電等の導⼊拡⼤などにより、⾃給率向上を図っています。
2011年からは島嶼型スマートコミュニティ実証事業が実施され、家庭‧事業所‧農地にエネルギーマネジメントシステムを導⼊。2016年以降にはクラウド制御システムの開発に移⾏し、「エコパーク宮古」の実証サイトではエコキュートなどの蓄エネ設備を標準プロトコルECHONET Lite※3を⽤いてマルチベンダ環境※4における制御‧動作検証を実施されました。2018年度にはフィールド実証が⾏われ、市営住宅40棟202⼾に太陽電池モジュールと蓄エネ⽤エコキュートを設置。 2019年度には⼾建住宅500⼾、事業所50カ所、市営住宅100棟600⼾への設置が予定され、2020年には⼾建住宅1,000⼾、事業所50カ所が計画されています。
第五次エネルギー基本計画では、再⽣可能エネルギーの主⼒電源化が明⽂化されました。しかし、現在のところ、発電が不安定で予測困難な再⽣可能エネルギーをそのまま系統に組み⼊れることは難しいのが実情です。
宮古島フィールド実証事業の実施にあたっては、電源制御の沖縄電⼒様と需要制御の株式会社ネクステムズ様が需給バランスの最適化を図っています。「沖縄電⼒と当社が相互協⼒することで、宮古島をはじめとする沖縄離島地域における第三者所有設備を活⽤した調整⼒制御の実現と、離島電⼒系統での負荷率向上により、再⽣可能エネルギーの普及拡⼤を図ります」と、ネクステムズ様はおっしゃいます。
エコアイランド宮古島宣⾔2.0の⽬標を達成するには現在22MWの太陽光発電を2050年までに50倍にしなくてはなりませんが、太陽光発電は天候によって出⼒が変動するのでこれを制御する必要があります。そこで⽇射による変動成分が多い⾼位出⼒帯をパワーコンディショナーによる常時出⼒制限でカット。⼀⾒すると削減量が多く⾒えますが、全体からすると10%程度に。これが100軒、1,000軒と重なれば、⾮常に安定した太陽光電⼒が取り出せるようになります。また、どうしても太陽光が余る瞬間があるので、その時間はエコキュートを⼀台ずつタイミングを合わせて動作させ、グリッド全体で最適化するように制御。これにより、電⼒会社様は太陽光発電を系統に組み⼊れやすくなります。〔太陽光発電常時出⼒制限の流れ 参照〕
「今後は再⽣可能エネルギーでkWh価値がもっと安くなり、さらに蓄電池を⼊れても系統より安く電気を提供できるようになります。しかし当社は電⼒会社ではないので、天候によっては必要な電気を届けられない場合もあります。必要な電気をいつでも届ける電⼒会社のkW価値は⼤きいもの。沖縄電⼒と協⼒しながら宮古島宣⾔2.0のゴールを達成する道を模索したいと思っています」と、事業の展望を語られました。