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商空間クリエイターに聞く 〜LED、私はこう使う! 第1回

失敗しない店づくりがいま求められている ゲスト:西脇 一郎 氏(西脇一郎デザイン事務所代表)

メリットを最大に、デメリットを逆手に

笈川
最近お手がけになられた「ドトールコーヒーショップ 赤坂1丁目店」(2011年11月リニューアルオープン)について、照明プランのポイント、LED導入のメリットとデメリット、また特に気を遣った点などがあれば教えてください。
西脇

「ドトールコーヒーショップ 赤坂1丁目店」ではほぼ空間全体にLEDを導入しています。LEDのメリットは、やはりランプ寿命の長さです。ランニングコストが安く、メンテナンスの手間が省けることが大きなアドバンテージです。窓際ペンダントと間接照明のLED以外、すべてパナソニックのLED照明器具を採用しています。

LEDの光は直進性が強く、影が出やすいので、間接照明の設置角度には気を配っています。ショールームにて実寸のモックアップをもとに、光の角度の確認を何度も繰り返しました。その反面、間接照明はメンテナンスがしにくいので、LEDのランプ寿命の長さというメリットを存分に発揮できる個所でもあります。

笈川

西脇さんは、これまでに物販、
ブティック、飲食、美容サロン等々、幅広いジャンルの店舗のデザインを手掛けられていますが、業態ごとにLEDのメリット、
デメリットといった違いはありますか?

西脇

一概には言えませんが、ジュエリーショップではLEDの直進性の高い照明が良い効果をもたらすことが知られています。宝石にピンポイントで光が当たり、カットに反射して煌めき感がより強くなります。ただし、色温度に注意しないと、冷たい感じになったり、黄ばんでみえてしまうということもあります。
ランニングコストの安さはメリットですが、美容サロンですべての照明器具をLEDに変えた時、ドライヤーなど他の電気機器が膨大な電力を使うためトータルでは目に見える省エネ効果が得られなかったという事例もありました。

また、特定の業態の話ではありませんがメリットとデメリットの両方を併せ持つケースもあります。LEDは既存照明に比べパワーがまだ弱いので、灯数を増やさなければならないケースがあります。

例えば、既存の照明器具なら1mでよかったダウンライトの配灯間隔が、LEDに変えたためにその半分、30cmになったとします。このとき、前述したように灯数を増やすことで電気工事費が余計に掛かったり、天井面のデザインが煩雑になるといったことはデメリットになります。一方で、光源が増えたことで、光を用いて空間に方向性や広がりを持たせられるというメリットもあります。部屋の奥の壁面を鏡張りにしてその空間が持つ奥行きを広く見せる手法などを用いることができます。照明配灯の短いピッチの連続性を逆手に取ることで空間デザインに広がりを持たせることができるのです。

笈川
現在の若い世代の空間デザイナーは照明プランを器具メーカーのインハウスデザイナーに任せるケースがほとんどだと思います。
自身で照明プランを描いた経験のある世代のデザイナーとして西脇さんは、そうした経験値は空間デザイナーとしてプラスの影響が大きいとお考えですか。
西脇

空間のなかで"天井面のデザインをどう見せるか"という視点から言えば、自分自身で照明プランを描くということは重要だと言えます。ラグジュアリーブランドのブティックなどでは今でも天井面をすっきり見せるデザインにこだわります。ただ、これもクライアントに望まれてこそ、という側面があります。天井面が多少乱雑になっても工事費の安いほうが良いとクライアントに言われれば、そんなこだわりも必要なくなります。すべてがコストに直結してしまう時代と言えばそれまでなのですが。

逆に言えば、こういう時代だからこそ、若い空間デザイナーや照明プランナーには優秀な人材へとどんどん育っていって欲しいと思います。そのためには、第三者の適切な評価が重要になると考えています。

いま照明プランで高い評価を得ている事例は、間接照明などを用いて光源を極力少なくすることで雰囲気づくりを実現している飲食店がほとんどのような気がします。フラットな明るさが求められる物販店などがきちんとした評価を受けているのかは疑問が残りますね。消費電力の低さを競う空間デザインのコンペなども見受けられますが、これが本当に照明プランの進化を推進するのかどうか。こうした点でも正当な照明プランの評価軸が今こそ必要なのかもしれません。

ドトールコーヒーショップ赤坂1丁目店

■所在地:東京都港区赤坂1-11-28 赤坂1丁目森ビル
■リニューアルオープン:
2011年11月30日
■設計:西脇一郎デザイン事務所
■床面積:287m²
■客席数:154席
(禁煙席120席/喫煙席34席)
■URL:http://www.doutor.co.jp/

主な納入器具同等品
■客席

NNN73525W LE9

ユニバーサルダウンライト200形
中角15°/電球色(3000K)
NNN73525W LE9(生産終了品)
■客席・返却口周り

NNN72529W LE9

ユニバーサルダウンライト100形
広角30°/電球色(3000K)

コンパクト化とギラつきの軽減

笈川
今回「ドトールコーヒーショップ 赤坂1丁目店」で採用されたLED照明器具について良い点、他社製品との違いなどあれば教えてください。
西脇

今回、パナソニックのLED照明器具を導入するにあたり、汐留の「パナソニック リビング ショウルーム東京」に行って、ひと通り照明器具のシミュレーションを行うことができました。天井の高さも容易に変更できるのでLEDの光をリアルに体感でき、照明プランのシミュレーションがしやすかったですね。これは大きなアドバンテージではないでしょうか。

LEDの演色性については、メーカーによってかなりばらつきがあると感じています。器具のボディサイズも異なるので、一つの店舗に複数のメーカーのLED器具を配灯すると、全体的なまとまり感がなくなってしまいます。その点パナソニックのLED照明器具は、ダウンライトに替わるのはこれ、ハロゲンランプに替わるのはこれ、といったようにラインアップが充実しているため、その点は良かった点ですね。演色性もよく、パワーも十分。特にダウンライトは良かったという印象です。

笈川
今後LED照明器具に期待する点について教えてください。
西脇

具体的には、まだボディが大きいという印象を受けるので、もっとコンパクトなものが出てくるといいですね。それと、光源を直視したときのギラつき。これは私自身が感じるというより、クライアントから指摘されて却下になってしまうことがあります。この2点が解消されれば、ラインアップも豊富になっていますし、色温度も十分、ランニングコストも安いとなれば、従来の照明器具に徐々に取って代わり、人気は更に高くなっていくのではないでしょうか。

LEDは現時点で、既に一般の人々に認知されるという第一ステージをクリアしています。これからは、その他のさまざまな光源とともにLEDがどのような進化を遂げていくのかというステージに来たと思います。一人の空間デザイナーとして、私もその進化に期待を寄せています。


(2011年12月、西脇一郎デザイン事務所にて)

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