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2008年から2009年にかけて、直管形LEDランプが多数のメーカーから商品化されるようになりました。既設の蛍光灯器具にそのまま装着可能とするもの、器具を改造して装着するものなど、多種多様な直管形LEDランプが市場に流通し始めたので、日本電球工業会では、それらのランプが性能的に従来の蛍光灯に対して満足するのか、安全上の懸念がないかなど、買い上げ試験を実施しました。
その結果、次のような安全上の懸念が生じました。ランプ重量がG13口金を有したランプの許容値500gを上回ることによる落下の恐れ、またランプ同士の互換性がない(一部を除く)にもかかわらず装着でき、結線方法などタイプが異なる直管形LEDランプ(下図参照)の誤装着による安定器の予熱巻線短絡など。また、直管形LEDランプが使用できるように一旦改造された器具に対し、使用してはいけない蛍光ランプが誤装着されることによる電源短絡などの安全上の懸念も想定されます。
販売 事業者 |
DC電源内蔵 ・非内蔵 |
結線方法 | 接続する既設安定器 のタイプ |
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A社 | 内蔵 | 既設安定器 接続形 |
磁気式 スタータ形 |
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B社 | 内蔵 | 商用電源 直結形 |
- | |
C社 | 内蔵 | 商用電源 直結形 |
- | |
D社 | 内蔵 | 商用電源 直結形 |
- | |
E社 | 内蔵 | 商用電源 直結形 |
- | |
F社 | 内蔵 | 商用電源 直結形 |
- | |
G社 | 内蔵 | 既設安定器 接続形 |
磁気式 スタータ形 |
出典元:直管形LED ランプの購入調査報告書 [(社)日本電球工業会]
■懸念事項例
・LEDランプの過重量による器具からの落下の恐れ
・電源直結タイプのLEDランプ誤装着時の電源短絡などによる発煙、発火の恐れ
・両側給電によるLEDランプ装着時の感電の恐れ
直管形LEDランプはメーカーごとに仕様が異なり、こうした懸念がある中、日本電球工業会は業界を主導する立場として、直管形LEDランプを安全に使用できるように、2010年本格的に規格化を進めることになりました。
新規格では、ランプの誤装着や落下、挿入時の感電といった懸念を払拭すべく、蛍光灯器具にそのまま装着できない異なる形状の新口金システム「L形ピン口金GX16t-5付直管形LEDランプシステム」を規定しました。
蛍光灯器具に装着できない新口金システムを開発することで、LEDランプの誤装着を防止。また電源を片側給電にすることで、感電の危険を回避しました。「あたりまえに安全に使える」仕様を追求し、直管形LEDランプを開発しました。
照明器具の交換の目安は約10年といわれています。LEDランプに取り替える際に、すでに器具本体も数年使用されているわけですから当然、内部部品も劣化している恐れがあります。
しかも長寿命のLEDランプに取り替えると、器具をメンテナンスする機会も減り、内部部品の劣化に気付かないことも。こうした劣化を放置しておくと、不点灯やランプの落下などの不具合が生じる恐れがあります。見落としがちですがランプ交換の際には、安定器やソケット、リード線といった内部部品の状態をしっかり確認することも重要です。
パナソニックは、蛍光灯器具から直管形LEDランプ器具への取り替え時、安定器やソケットなどの部品を組み込んだリニューアル対応品をご用意。既設蛍光灯器具の本体を活かしながら、安定器、ソケット、リード線などをセットで交換できます。劣化の恐れがある内部部品も合わせて交換できる構造で、スピーディな施工に加え、安全性にも配慮しました。
直管形LEDランプには、ガラス製と樹脂製がありますが、一長一短。樹脂は紫外線による劣化の恐れがあり、ガラスは割れる心配があります。
パナソニックはランプメーカーとしてこれまで培ってきた経験と技術を活かし、長寿命光源のLEDランプとしてふさわしい素材を追求。性能面、品質面の実験を繰り返し、湿気による伸縮での破損、振動によるたわみによる落下、難燃性、紫外線による劣化などの点を考慮し、ガラス製の直管形LEDランプを販売することになりました。