「七宝紋様」が象徴するずっと居たくなる学びの場

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大正大学 8号館(2021年 照明デザイン賞 入賞)

左下・右上・右下 写真提供:株式会社大林組

エントランスホール

七宝紋様が連続する、ダイナミックな空間

建物正面に見える吹き抜けのエントランスホールは、ボーダー状の天井間に導光板のベースライトを配置し、やわらかな発光面で照らすことで、眩しさの少ない明るく整然とした印象を作り出した。間接照明によって照らされた七宝パネルが孤を描きながら外装から内部まで連続し、空間の一体感を高めている。

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  • 輝度分布

照明器具の存在を感じさせず、建築自体が発光しているように見せる照明設計

建物全体に展開する七宝パネルの間接照明は外部と内部、直線と曲線全てが途切れずに連続的に見え、七宝紋様自体が発光しているように見せている。利用者の視線に近いため、通常の視線では光源が見えず全く眩しさを感じさせない構造とした。

  • モックアップによる照明効果の検証
  • 階段断面図と七宝紋様パネル詳細図

七宝紋様の光に包まれる階段室

渓谷を思わせる吹き抜け空間

昼と夜で表情を変える、時の移ろいを感じる集いの場

「知と集いの渓谷」をコンセプトに設計された吹き抜けの図書館。中央部のトップライトから自然光を導入し、時の移ろいを感じる場とした。昼間は天井から自然光と導光板ベースライトの白い光が降り注ぎ、開放的で清々しい雰囲気となる。夜間は天井の導光板ベースライトを消灯して間接照明の空間となり、光の重点が低い位置に変化し、落ち着いた雰囲気となる。

上部4枚 写真提供:株式会社大林組

  • 導光板ベースライト、書架照明、七宝パネルの照明は自然光の導入量(天空輝度レベル)によって調光率が変化する制御を行っている。

  • 導光板ベースライトは点灯時にはやわらかい発光面の光のラインとなり、消灯時には透明となり存在感を消す。

輝度分布

図書館の図面

吹抜書架やラーニングコモンズなどの集いの場のベースライトを白色(4000K)、外周の開架書架や閲覧室など個の思索の場を温白色(3500K)、金色の七宝パネルを(3000K)として、用途ごとに適切な色温度とした。また、デスクライトや書架照明など低い位置の建築化照明で、効率的に手元照度を確保した。

  • ラーニングコモンズ

    学修・交流の拠点であり、日常利用、式典利用ともに対応できる大ホール。導光板ベースライトにより、吹き抜けから覗く上階の図書館とのつながりを感じながら、明るく開放的な空間とした。

礼拝ホール

天井一面の七宝紋様が生み出す厳かな空間

  • 阿弥陀如来坐像が安置された礼拝ホールは、仏教儀式を行う際には壁面上部に設けた間接照明によって天井の七宝リングを均一に照らし、空間の荘厳さを強調させている。授業や講演会場として利用する際は七宝リング内に設置されたダウンライトによって、グレアカットしながら机上面を照らす。
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  • 輝度分布

内陣の図面

物件情報

所在地 東京都豊島区
施主 学校法人大正大学
設計 株式会社大林組
施工 株式会社大林組
電気工事 東光電気工事株式会社
竣工 2020年7月

仏教系大学のシンボルであった礼拝堂(らいはいどう)を建て替え、ずっと居たくなる学びの場となることを目指し、「ラーニングコモンズ」「図書館」「礼拝ホール」を備えた総合学修支援施設として誕生した。自然光が建物内に降り注ぐ日中から、日没とともに間接照明による落ち着いた空間への時の移ろいを感じることができる。デザインモチーフとして建物全体に仏教にも由来する「七宝紋様」が展開され、夜に七宝紋様のパネルがライトアップされると、建物は大きな行燈となり、キャンパスや周辺地域に「賑わいと温かみ」を醸し出す。

採用照明器具

導光板照明

※特注仕様にて対応