野蒜北部丘陵地区を南上空から望む。津波被害があった臨海部から高台への移転が進む

まちなみ景観や環境に配慮したコンパクトな高台移転市街地

東松島市は東日本大震災によって市街地の約65%が浸水し、壊滅的な被害を受けた。このため市は、住民が一日でも早く安心・安全に暮らせるまちづくりの実現を目指して『東松島市復興まちづくり計画』を策定し、市域沿岸部で被災した市街地・集落を内陸部に集団移転し住宅団地を整備することを決定した。野蒜北部丘陵地区では、津波被害を受けた区域から集団移転するために93haにわたって高台の整備を計画。市が協力協定を締結した都市再生機構のもとで9つの工区に分けて企画競争が行われ、特定事業者により170戸の災害公営住宅が建設されることとなった。2015年5月にJR仙石線が移設され全線開通し、2017年4月には地区内に宮野森小学校が開校。また、公園や集会場などの公共施設や観光物産交流センターも整備され、まちなみ景観や環境に配慮し、生活支援施設を備えたコンパクトな市街地が整備された。土地利用やまちづくりルールの決定に関しては移転を希望している世帯で組織する『野蒜北部丘陵振興協議会』により協議されてきた。被災者の一日も早い生活再建と復興まちづくりの推進、快適で安全・安心なまちの実現に向けて、市と住民による協働のまちづくりが進められている。

  • 特定事業者は、第1:大和ハウス・花坂ハウス共同企業体、第2・第3:パナホーム・櫻井工務店共同企業体、第4:スモリ工業株式会社、第5:株式会社ダイケンホーム、第6:株式会社加藤工務店、第7:櫻井工務店株式会社、第8:株式会社櫻井建設、第9:有限会社田尻工務店。

建築設計Report vol.24/2018年2月発行
※会社名、役職名などは掲載時のものです。

第2工区災害公営住宅(パナホーム・櫻井工務店共同企業体)

第3工区災害公営住宅のLDK

同玄関

旧野蒜駅が津波により3.7m水没して大破するなど、沿岸部は甚大な被害を受け、高台移転が計画された


東松島市野蒜北部丘陵地区 災害公営住宅

所在地/宮城県東松島市野蒜ヶ丘
施主/東松島市
事業主/独立行政法人都市再生機構
竣工/2017年8月

主な設備

● 照明器具 ● 配線器具 ● 換気設備 ● 内装建材 ● 床材 など

東北復興ソリューション

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