サービス付高齢者住宅2棟(左上下)、学生寮(右上)、ファミリー住宅(右下)が木造で建設が進む桜美林ガーデンヒルズ

木と鉄の複合梁<テクノビーム>が実現した大規模木造建築によるCCRC

高齢者が健康な時から入居し、介護が必要になっても継続的に介護を受けて生活できる高齢者コミュニティ「CCRC」(Continuing Care Retirement Communities)が米国で普及している。日本でも「日本版CCRC構想有識者会議」により、東京圏をはじめとする高齢者が、自らの希望で地方に移り住み、健康でアクティブな生活を送りながら医療介護が必要な時には継続的なケアを受けることができる地域づくりをめざしている。今回の桜美林ガーデンヒルズは、大学のキャンパス内に立地し、大学と連携して運営される「カレッジリンク型CCRC」。生涯学習や学生との交流により、第二の人生を享受できるように計画されている。桜美林大学が出資する株式会社ナルドが事業主体となり、約7,300㎡の敷地に高齢者住宅、学生寮、ファミリー住宅、介護サービス事業所や学生と住民の交流スペース、コミュニティレストランなどを幅員6mの通路を介して配置。子供から学生、高齢者まで幅広い年齢層の人々が集い暮らす。
桜美林ガーデンヒルズのサービス付き高齢者住宅(60戸)2棟と、学生寮、一般住戸(40戸)各棟の延床面積は約1,000㎡。高齢者が関わる施設でもあるため、温かさを感じられる木造が求められたが、大規模建築で、食堂や集会室などの大空間が実現できるかが課題だった。そこで採用されたのがパナソニックの「テクノストラクチャー」。これは木と鉄の複合梁<テクノビーム>を用いる工法で、木の梁に比べてたわみが極めて少なく、『大スパン高天井』をコストパフォーマンスと施工性に優れた木造で実現できる。このため、近年では戸建だけでなく、集合住宅や非住宅での採用も増加している。
また、「テクノストラクチャー」ではすべての建物に構造計算を義務づけており、その許容応力度計算によって、実大実験で震度7相当の揺れを5回与えた結果、主要構造体に損傷・変形がなく、実証震度7の大震災にも耐えることが確認されている。

建築設計Report vol.19/2016年11月発行
※会社名、役職名などは掲載時のものです。

木と鉄の複合材<テクノビーム>が用いられた学生寮(B棟)
※ 写真は、撮影のために安全シートなどを外しています。


テクノストラクチャー工法で建設中の学生寮(B棟)


<テクノビーム>は強度があり、片持ち梁で2階廊下を支える

桜美林ガーデンヒルズ

所在地/東京都町田市小山ヶ岡
事業主/株式会社ナルド
設計/株式会社プラスニューオフィス一級建築士事務所
施工/谷津建設株式会社
竣工/2017年2月(予定)
構造形式/木造(テクノストラクチャー工法)4棟