5階エレベーターホールのセキュリティゲート上に顔認証の精度を上げるために設けられた
グレアレスユニバーサルダウンライトと、鉛直面照度を高める小口径ウォールウォッシャーを配置

スムーズな顔認証を実現するセキュリティゲートの照明環境

五街道の起点と制定され、経済・文化の中心として大いに賑わった日本橋を活性化し、新たな魅力を創造する「日本橋再生計画」が、官・民・地域が一体となって進められている。「日本橋室町三井タワー」は、2014年に完成した日本橋室町東地区開発計画に続く、日本橋の北の玄関を担うプロジェクト。 施設は、延べ床面積約168,000m2、地上26階、地下3階建ての大規模複合ビルで、オフィス・商業・広場空間・ホールなどで構成され、施設の複合性とソフトの付加価値で賑わい創出がめざされている。
オフィスには最先端のインフラ設備が採用されており、その一つが顔認証による入退管理システム。統合型セキュリティシステムeX-SGとディープラーニングを応用した顔認証技術を搭載した「KPAS」との連携により、5階エレベーターホールのセキュリティゲートと三井不動産入居スペースの専有部執務室へ、 ICカードをかざすことなく、非接触での入退室が可能になっている。5階セキュリティゲートでは、認証精度を高めるために顔面の照度を確保するとともに、顔面の陰影が少なく、ハレーションを起こさない照明環境を実現。セキュリティゲート利用者へのグレアにも配慮されている。

建築設計Report vol.37/2021年5月発行
※会社名、役職名などは掲載時のものです。

ワーカーの顔を照射する照明器具の存在を極力軽減するように計画を検討
ワーカーの顔を照射する照明器具の存在を極力軽減するように計画を検討

セキュリティゲート(5階エレベーターホール)
セキュリティゲート(5階エレベーターホール)

入居フロアのKPAS壁掛けチェッカー
入居フロアのKPAS壁掛けチェッカー

昼には色温度を高く(5000K:左)、夕刻から夜には低く(3000K:右)照度も抑えられる、1階エントランスホールとエレベーターホール(写真奥)のサーカディアンリズムを考慮した照明
昼には色温度を高く(5000K:左)、夕刻から夜には低く(3000K:右)照度も抑えられる
1階エントランスホールとエレベーターホール(写真奥)のサーカディアンリズムを考慮した照明

多目的対応の舞台設備を備えた『室町三井ホール&カンファレンス』
多目的対応の舞台設備を備えた『室町三井ホール&カンファレンス』

日本橋室町三井タワー

所在地/東京都中央区日本橋室町

事業主/日本橋室町三丁目地区市街地再開発組合 (事務局:三井不動産株式会社)

都市計画・基本設計・監理/株式会社日本設計

実施設計/KAJIMA DESIGN

デザインアーキテクト/ペリ クラーク ペリ アーキテクツ+ペリ クラーク ペリ アーキテクツ ジャパン

室町三井ホール&カンファレンス デザイン/株式会社イリア

共用部ライティングデザイン/有限会社内原智史デザイン事務所

施工/鹿島・清水・佐藤工業特定業務代行共同事業体

電気工事/東光電気工事株式会社、株式会社関電工、株式会社九電工

竣工/2019年3月

主な設備

● 統合型セキュリティシステム eX-SG ● 顔認証入退セキュリティ&オフィス可視化システム「KPAS」 ● LEDグレアレスダウンライト ● LED建築化照明 ● 調光設備 ● 舞台照明設備

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