日没後には、2階外周ランニングコースと軒下の照明が連続し、施設全体が輝く宇宙船のように夜空に浮かび上がる

アリーナと屋内プールが一体となった宇宙船を思わせるランドマーク

福島県浜通り地方の中心に位置する楢葉町の重大施策は、農業再生と教育の充実、そして、スポーツ振興と健康増進。原発事故で全町避難指示が出された町に避難指示が解除されたのは2015年9月。以降、58%の町民が戻ってきている(2020年1月現在)。「町民の多くが高年齢層なため、健康な心と身体を維持し、生きがいを持って暮らせるまちづくりに取り組んできた。
その一環として、近隣市町村で働く人も対象とした、スポーツが楽しめる屋内体育施設『ならはスカイアリーナ』を整備した。ここは、スポーツを通して仲間・家族・世代をつなぎ、町民の健康と魅力ある暮らしを支える“スポーツと文化の新交流拠点”」と楢葉町教育委員会 教育総務課 課長 髙木さつき氏。設計にあたった山下設計 意匠担当 田村 翔氏は「総合グラウンドの丘の上という地の利を生かすことを考え、外観を未確認飛行物体(UFO)のような『浮遊感』を与えるものとし、透明感と爽快感を目指した」と語る。夜には光のランドマークとして際立ち、夕方以降の施設利用者は列をなす。同町では、ならはスカイアリーナとJヴィレッジというスポーツ環境の積極的活用が検討されており、アリーナは交流と賑わいの発信拠点となることが期待されている。

  • Jヴィレッジ:サッカー等のスポーツトレーニング施設。日本サッカー界初のナショナルトレーニングセンター

建築設計Report vol.34/2020年8月発行

天井トラス間に3灯用バンクライトが設置されたアリーナコート

屋上階キャットウォークから天井を照らすことで柔らかな光環境をつくり出している温水プール

2階屋内に設けられた1周265mの外周ランニングコース

温水プールが望める2階フィットネスルーム


ならはスカイアリーナ

所在地/福島県双葉郡楢葉町
事業主/楢葉町
設計・監理/株式会社山下設計
施工/前田建設工業株式会社 東北支店
竣工/2019年3月

主な設備

● 特注LED高天井用照明器具ユニット ● PiPit調光 LED高天井用照明器具 ● 塩素対応特注LEDダウンライト ● LEDダウンライト ● 舞台照明設備

東北復興ソリューション