メインエントランスとなる大階段(学校の幹)は小学校と中学校をつなぐ中央に位置し、
交流スペースにもなっている。電球色の照明が採用され、明るく柔らかな空間に

子供たちをまちの中心に 夢と志を育む小中一貫教育学校

宮城県女川町の中心、町を一望する高台に移転した女川町立女川小学校・女川町立女川中学校。入り口正面の大階段(学校の幹)には大きな窓から外光が差し込み、子供たちの笑い声が響く。
震災時、町内に複数あった小学校と中学校は、津波による被害は免れたものの、地震により校舎や体育館などが大きく破損した。コンパクトシティを掲げたまちの復興計画では「女川の教育を考える会」を設置。震災直後から、学校関係者や保護者、生徒など町民が広く参画して協議が重ねられ、施設一体型の小中一貫教育学校をまちの中心に建設する方針が固められた。新校舎は、中央に小学生と中学生が交流する共有スペースが設けられ、ICT教育のためのメディアセンターや地域連携室を新たに設置。宮城県女川町教育委員会 係長の木村直人氏は「教室や共用部など、空間によって照明の色温度を細かく選択し、用途に応じて快適な空間になるよう配慮した」と話す。中学の総合学習「潮活動」では、地域や外部から講師を招き、郷土のことや生活実学を学んでいる。女川町立女川小学校 校長 早川知宏氏は「今後は総合学習を小学校にも広げ、夢と志を育み、日本の将来のために活躍する人材を育てていきたい」と語る。

建築設計Report vol.36/2021年2月発行
※会社名、役職名などは掲載時のものです。

黒板や机上が見やすい視環境を配慮した教室照明
黒板や机上が見やすい視環境を配慮した教室照明

町を一望できる大きな窓から外光が差し込むメディアセンター町を一望できる大きな窓から外光が差し込む
メディアセンター

総合学習「潮活動」でも利用される和室
総合学習「潮活動」でも利用される和室

ダウンライトが多数設置された明るいランチルーム
ダウンライトが多数設置された明るいランチルーム

LEDベースライトが採用された第1理科室
LEDベースライトが採用された第1理科室

技術室にはリーラーコンセントも配置
技術室にはリーラーコンセントも配置

災害時には避難所としても利用される西体育館
災害時には避難所としても利用される西体育館

大階段から小学校の教室につながる廊下
大階段から小学校の教室につながる廊下

女川町立女川小学校/女川町立女川中学校

所在地/宮城県牡鹿郡女川町
事業主/女川町
設計/株式会社昭和設計
施工/株式会社奥村組
竣工/2020年7月

主な設備

● 一体型LEDベースライト iDシリーズ「スクールコンフォート」 ● LED高天井用照明器具 ● LEDダウンライト ● SmartArchi: Spot Light ● LEDシーリングライト ● ローポールライト

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