昔ながらの沿道型向かい合わせの商店街を思わせるモール&パティオ。庇の構造部がモスグリーンやブルーに塗り分けられている

生活者が集まるまちに“変化”を演出するライトアップ

岩手県南部の大船渡市では東日本大震災の津波により中心市街地がほとんど流失。このため、旧市街地のJR大船渡線から海側を災害危険区域に指定。そこを「キャッセン大船渡」エリア(9.9ha)として8街区に分け、小規模事業者の構成による商店街が計画された。推進役は、震災翌年から有識者も加え官民を挙げて活動を続けたワーキンググループとまちづくり協議会。この業務と役割を継承する形で株式会社キャッセン大船渡が設立された。「津波で構造物や建物は流されたが、引き継いできたまちの文化や人びとの心意気は奪われないという知見を私たちは得た。そういうものが、次の世代に引き継がれていくまちをつくろうと考えた」と株式会社キャッセン大船渡取締役の臂 徹(ひじ とおる)氏。モール&パティオには飲食や物販など17店舗、フードヴィレッジには12店舗が出店。震災直後にも事業を続けていた比較的小規模な商業者による商店街が形成されている。また、商店街の表情に変化を与えるために軒下にカラー演出照明を設け、四季やイベント時に合わせて庇を光色で染め上げる。「ようやく、まちづくりの種まきが形になって“良い意味での手垢”がついた段階。100年後の大船渡人に引き継ぐまちを創っていきたい」と語る。

建築設計Report vol.28/2019年2月発行
※会社名、役職名などは掲載時のものです。

■シーン演出

四季やイベントに合わせて膜構造の庇をカラー照明で演出


パティオとして設けられた千年広場


千年広場に面したコミュニティ・スペース

大船渡駅周辺地区整備計画図

キャッセン大船渡 モール&パティオ/フードヴィレッジ

所在地/岩手県大船渡市大船渡町
事業主/株式会社キャッセン大船渡
設計・監理/パシフィックコンサルタンツ株式会社
施工/大和リース
竣工/2018年4月

主な設備

● LED街路灯 ● ガーデンライト ● LED建築化照明 ● LEDダウンライト ● LEDスポットライト ● 一体型LEDベースライト iDシリーズ
● LEDカラー演出照明

東北復興ソリューション