INTERVIEW 田村岳人氏「ペリエ千葉では、壁面にもトルソーを当ててメリハリのある空間をつくっています」

  ペリエ千葉は、JR千葉駅の大規模改良とともに建設された商業施設である。エキナカ開業に続き、2017年9月には駅ビルの2〜7階(店舗面積約1万4500平米、107店舗)がオープン。線路上空を活用した大規模な商業施設が誕生した。キーワードは「フロム千葉」。千葉ならではの豊かなライフスタイルを提案・発信していく。ファッションや飲食店舗のほか、催事スペース、フリースペースも多く取られ、「コト」も楽しめる場となっている。

店舗を引き立てる照明としてトルソーを採用

  ここに、施設の照明(環境照明)として「トルソー」が採用されている。その範囲は広く、通路、壁面、トイレなど、共有部分の照明は全般にわたりトルソーだといっていい。採用の経緯を、ジェイアール東日本建築設計事務所 千葉プロジェクト設計監理担当の田村岳人主任(一級建築士)は、こう語っている。
  「駅ビルに限らず、まず安全性が第一。照明が熱をもって発火したという事例を聞いたことがありますが、その点パナソニックは信頼しています。また、ペリエ千葉は、地域密着型の施設でもあり、落ち着いた環境が望まれます。その意味からも、ムラなく美しい光のトルソーが合っていると採用に踏み切りました」
  共用部の照明は、いわば脇役だ。通路などは自己主張せず、店舗を引き立てる役割を果たす。一方で、壁や柱周り、ポスターには照明を当て、明るさを出して空間のメリハリをつける。ときに店舗サイドにある照明を商品に当て、ファサードを際立たせ、千葉産の山武杉を使った壁には、ライトを当てて目立たせる。サインなど機能的なものにも、さりげなく光を当てて注意を引く。このように、様々な場所でトルソーが活躍している。

通路側は明るさを押さえ、ショップを際立たせる

通路側は明るさを押さえ、ショップを際立たせる

居心地のいい空間をつくる

  ペリエ千葉には、いくつかの「こだわり」の部分がある。一つは、館内に設置されている大小のレストスペースだ。ここは明るすぎないことがポイントで、必要なところに絞って照明を使うことで、居心地のいい空間をつくっている。
  もう一つがトイレだ。各階とも、それぞれデザインを変えてつくられているが、パウダールームのライトは特に何度も検討したという。最初は、ダウンライトのみとしたが髪などの影が気になる。そこでライトの角度が変えられるタイプを追加し、鏡への反射光で顔を明るく照らすことにした。ここでは、グレア(まぶしさ)を大幅に低減したタイプで、肌を美しくみせる「美光色LED」を採用している。
  また、「チバコトラボ」は、「千葉でのくらしをより良く」をテーマとし、イベントやワークショップなど「コト」を楽しむスペース。同時にカフェなど6つのショップもある。そこで、どんな使い方にもフレキシブルに対応できるよう、小型のトルソーが配置されている。
  「館の雰囲気は照明によって大きく変わる。照明の選択はとても重要です。トルソーは壁面や柱周りに当てると、ムラなく優しい光が出せ、まぶしさも抑えられます。トルソーの光の効果にとても満足しています」(田村主任)
  各店舗内の照明はそれぞれ各社に任されているが、ディベロッパーからは推奨器具としてトルソーが推薦されており、採用しているテナントも少なくない。2018年夏以降には1階・地下部分が開業予定だが、ここでも多くのトルソーが活躍しそうだ。

「チバコトラボ」。小さめのトルソーが天井面をすっきり見せている

「チバコトラボ」。
小さめのトルソーが天井面をすっきり見せている

ペリエ千葉

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