地域住民に開かれた公民館ホールには太陽光発電と蓄電量を表示するサイネージが設けられている

太陽光発電と大型蓄電池で地区を支えるコミュニティセンター

岩手県大船渡市赤崎町の公民館は、海沿いの小高い漁村センターに設けられていた。東日本大震災では、津波による直接被害は免れたが、周囲が水没して陸の孤島となり、物資も届かず防災拠点としての機能を果たせなかった。小学校や県道が整備される高台に新設してほしいという住民の意向を受け、大船渡市は建設委員会を設立。地域の交流が図れ生涯学習ができるなど多目的に活用でき、災害発生時には避難所や地区本部となる機能を持たせた地域のコミュニティセンター建設を推進した。
「地区には住民が集まれる場が少ないので拠点が必要。そして、災害があれば地区本部となる機能が求められる。災害時には行政の避難指示が発動されなくても、自主的に避難することが必要で、市もそれを支援している」と語るのは、館長の金野 律夫氏。「津波被害で停電が1カ月以上も続き、電気の重要性を痛感した。今回は太陽光発電と蓄電池を備え、照明もLEDになったので消費電力も少なく、防災拠点としてだけでなく、避難場所としても役立つ。壊滅状態から、全国の皆さんから多くの支援をいただいてここまで来れた。皆さんの気持ちを力にして、これまでより、さらによい地区にしたい」と語る。

建築設計Report vol.32/2020年2月発行
※会社名、役職名などは掲載時のものです。

公民館の屋根に設けられた太陽電池モジュールHIT240(10kW)

産業用リチウムイオン蓄電システム(22kWh)

サイネージには日・月・年ごとの発電電力量を表示

高台移設した公民館と保育園、小学校

大船渡市立赤崎地区公民館

所在地/岩手県大船渡市赤崎町
建築主/大船渡市
設計/有限会社池田菅野建築設計事務所
施工/株式会社小松組
電気工事/気仙電気工事共同企業体
     代表者 株式会社佐藤デンキ商会
竣工/2019年2月

主な設備

● 太陽電池モジュール HIT240(10kW) ● リチウムイオン蓄電システム 22kWh ● 見える化サイネージ

東北復興ソリューション