岩手県野田村スマートコミュニティ

充電ステーションがあるスマートコミュニティで低炭素まちづくりを支援。東北復興ソリューション岩手県野田村スマートコミュニティ

東北復興の課題

財源が豊かではない村の公共施設電気料金削減が求められていた

東日本大震災により壊滅的な被害を受けた三陸沿岸部中小村落の復興まちづくりのため、再生可能エネルギーの導入や効率的なエネルギーマネジメントを行う「スマートコミュニティ」を構築する施策が進められています。
スマートコミュニティを実現するためには、まず村全体のエネルギー消費を計測する仕組みをつくり、その内訳を調査・分析する必要がありました。
また、人口約4,500名(2015年2月)の野田村は東日本大震災で市街地をはじめ民家の約1/3(512棟)が被災しています。村は厳しい財政の中で震災復興を進めていますが、野田村役場をはじめ小中学校や体育館など、公共施設の電気使用料金がかさみ、その削減も課題となっていました。

岩手県野田村

岩手県野田村

取り組み

低炭素まちづくりのため、村全体のエネルギーマネジメントを計画

パナソニック東北復興ソリューションプロジェクトは、2012年度から野田村のスマートコミュニティ構想を支援するプロジェクトに参画。村全体のエネルギー計測や分析などに協力してきました。
1年間にわたる電力使用量調査が行われ、その結果判明したのは、3月11日の津波犠牲者の追悼式典の日に電力使用量が増大してピークを迎え、これを基準に電気料金が高く設定されていたこと。この日の電力使用を抑えれば契約電力料金が低く抑えられることでした。
また計測で分かった点は、公共施設の照明電力使用量が多く、電力消費の約半分を占めていたことです。
このため、2014年度には野田村役場や体育館など電力使用量の多い施設の照明をLED化。また、村内にある11の公共施設の電力を自動計測し、リアルタイムで消費電力量を可視化。データは担当者のPCだけでなく、役場のデジタルサイネージでも確認でき、村全体の省エネ意識を高めることも意図されています。
さらに、電力使用量が多い施設にはデマンド制御システムが組み込まれ、使用電力が逼迫すれば、調光制御などにより消費電力をセーブすることを計画。
ピーク時に電力を供給する蓄電システムも導入されています。

体育館に設置された高天井用LED 照明器具

体育館に設置された高天井用LED 照明器具

省電力のLED 照明に一新された野田村役場

省電力のLED 照明に一新された野田村役場

  • 村役場の照明制御盤、電力計測器村役場の照明制御盤、
    電力計測器
  • 村役場のリチウムイオン蓄電池村役場のリチウムイオン蓄電池
  • 体育館の照明制御盤体育館の照明制御盤

野田村役場エントランスに設置されたデジタルサイネージ野田村役場エントランスに設置されたデジタルサイネージ

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■イントラネットでつなぐ、野田村のスマートコミュニティイントラネットでつなぐ、野田村のスマートコミュニティ

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  • ■道の駅のだ道の駅のだ
  • ■生涯学習センター生涯学習センター
  • ■野田小学校野田小学校
  • ■野田中学校野田中学校
  • ■国民宿舎えぼし荘国民宿舎えぼし荘
  • ■総合運動公園総合運動公園
  • ■野田村役場野田村役場
  • ■学校給食センター学校給食センター
  • ■総合センター総合センター
  • ■体育館体育館
  • ■アジア民族造形館アジア民族造形館
地域のモビリティ充電ポイント「充電ステーション」を設置
このようなスマートコミュニティに対応した設備に加え、村民がエネルギーの地産地消を体験できる施設として、道の駅と役場の前に「充電ステーション」が設置されました。
ここには太陽光発電と蓄電池が連携したシステムが組み込まれており、平常時はシニアカーなどのパーソナルモビリティや携帯電話などへの充電が可能。災害時には自立電力を通信用や炊き出しなどに利用できます。ここでは、充電の待ち時間に、高齢者が自然と会話を交わす、コミュニティづくりが目指されています。
充電ステーション

充電ステーション

岩手県野田村 特定課題対策課 総括主査 小屋畑浩明 氏

岩手県野田村
特定課題対策課 総括主査
小屋畑浩明

野田村では公共施設の消費電力削減をテーマに事業を進めています。村役場と体育館、総合センターは隣接しており、3棟で1つの受電契約となっています。2013年3月11日の津波犠牲者追悼式では、式場となる体育館、遺族等控室のある総合センター、業務を行う役場、3棟を合計した消費電力量が多くなり、高圧電力受電の基本料金を引き上げていました。2014年には、各棟に設置した電力計を見ながら不要な電気を消灯。今年度は体育館と役場などの照明をLEDにして、デマンドを監視した結果、想定した電力を超えることがありませんでした。また、大型蓄電池はピークシフトに貢献してくれると思います。さらに、村内2カ所に設置した充電ステーションが村民の集う場所として活用されることも期待しています。

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