工事会社の安心・安全な現場環境づくり

建設業は、社会的使命を担う業種です。感染症蔓延を防止するため、現場や事業所での「3つの密」の回避対策について、具体的な取り組みを紹介します。

1朝礼・打合せ編

毎朝行われる朝礼やKY(危険予知)活動における取り組み事例

朝礼時の配列間隔は、作業員間の一定距離を約2メートル確保します。点呼時においても同様に、他の作業員とできる限り2メートルを目安に一定の距離を保つことが大切です。

対人間隔の確保が難しい場合は、朝礼の参加を職長のみとし、朝礼後にグループ別に伝達事項を共有するなど、参加人数を縮小します。

説明のポイントを絞ったり、伝達事項が明確な資料を活用したりするなど、朝礼の時間短縮や内容の効率化を図ることが大切です。

肩もみなど、接触を伴う活動を省略します。

指差呼称をする場合は、必ずマスクをし、十分な距離を確保します。ただし、マスクの入手が難しい場合は、指差呼称自体を省略します。

朝礼時に、サーモグラフィカメラによる体温測定を実施します。

現場と事務所の間では、テレビ通話ツールなど中継用機器を利用し、遠隔で朝礼などを開催します。

現場事務所等での業務・打合せに関する取り組み事例

事務作業を行う場合は、対人間隔を十分に確保し、窓やドアを開放して十分換気します。
また、現場事務所などでは、空気清浄機を使用します。

Web(TV)会議を実施したり、メールや電話を使ったりして、対面の打合せを極力削減します。どうしても対面で打合せなどを実施する場合は、対面距離を2メートル以上空けたり、3人掛けの机を2人掛けで利用したり、対面とならない座席配置にし、十分な対面距離を確保することが必要です。

打合せを時間差で実施し、分散化させたり、打合せ時間を短縮したり人数を縮小します。

現場事務所などでは、空気清浄機を使用します。

2休憩・移動編

食事や休憩時における取り組み事例

休憩室等の窓やドアは、常時開放したり、定期的に換気したりする等、空気の循環を励行します。

時間差で休憩室や更衣室などを利用したり、班別の休憩取得を励行したりするなど、休憩時間を分散化させます。

食事や休憩は、屋外や移動車・トラックなどの車中も検討します。ただし、夏は熱中症などの対策を取ることが必要です。

更衣室や休憩室では、2メートル以上の対人距離を確保します。

簡易なパーテション(アクリル板等)を設置し、密接状態にならない工夫をします。

手洗い場では、ペーパータオルを利用し、通常のタオルは撤去します。

現場作業や移動時の取り組み事例

作業員の配置をブロック分けし、密接した作業を回避します。

現場へ車両で移動する場合は、車両数を増やしたり、近隣に借地して駐車スペースを確保したりするなどして、移動時の同乗・相乗りを避けます。なるべく個別の移動を励行します。

現場と自宅の直行・直帰を推奨します。

移動車両のハンドルや操作レバー、工事に使用する道具等はアルコール消毒を徹底します。また、車両運転時や現場作業時にはゴム手袋を着用することも大切です。

密室や密閉空間等、室内作業を行う場合は、換気や送風機等を使用します。

3室内現場編

室内の現場における取り組み事例

設備工事等、室内における作業では、工事エリアごとに区画を設定して作業を実施します。

狭い場所や居室での作業は、広さに応じて入室人数を制限して実施します。入口に掲示などを行い、周知徹底することが大切です。また室内は窓を開けて換気をしておきます。

大部屋での作業においても、あらかじめ工程調整等を行い、フロア別に人数を制限することに取り組みます。また、職種別でも作業日を分散するなど、1日の現場の入場人数も制限します。

室内には集塵機等の換気装置を設置し、換気に留意します。

工程管理や作業の仕上げの確認や是正作業等は、Webカメラや通信端末等を利用し、データの共有等も遠隔で相互確認できるようにします。

作業用エレベーターは、定員制限をポスター等で明文化して掲示して周知徹底したり、乗降時や階数ボタン等の操作盤の消毒を徹底したりするなど、3密を回避するための使用をルール化します。

4意識改善啓発編

頭の中で「しなければいけない」と思っていても、何をすればよいかが視覚化されていないとなかなか実行につながらないものです。
現場や事務所等の良く目につく場所に、「しなければならない」ことをポスターや看板にして掲示することで、意識は向上するはずです。

作業員の意識向上を啓発するポスターやロゴ、看板の事例

「3つの密」を避けるための4つの取り組みについて

電気・設備工事を含む建設業は、道路・港湾・上下水道・公園・公営住宅・病院・学校など、産業や生活の基盤となる公共施設である社会資本を整備する担い手であると同時に、災害時には最前線で地域社会の安全・安心を確保する業種として、社会的使命を果たす重要な役割を担っています。
「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針(令和2年5月14日変更)」において、公共工事は、社会の安定・維持の観点から、緊急事態措置の期間中にも継続を求められる事業として位置づけられています。国民の安定的な生活を確保する観点から、自宅等で過ごす国民が必要最低の生活を送るために不可欠なサービスを提供する「インフラ運営関係(電力、ガス、上下水道等)」や「家庭用品のメンテナンス関係(配管工・電気技師等)」事業の事業継続を要請するとされています。
今後、感染症の完全な終息までの期間が長期化することを考えると、感染予防のための取り組みを進め、新型コロナウイルス感染症の蔓延を防止していく役割に加え、事業を通じた国民生活への貢献拡大という役割が求められます。
それを実践するためにも、事業者の現場や事業所において、現場の実態に応じた予防対策を行う際の基本事項(消毒液の使用やうがい、石鹸による手洗いの励行等による健康管理、作業・打合せ時のマスク着用など)について、政府の対処方針を踏まえた対策の徹底はもとより、「3つの密」の回避やその影響を緩和するための対策を徹底することをテーマに、4つ場面での具体的な取り組みや工夫について、ここではご紹介いたしました。

※なお、このコンテンツは「建設業における新型コロナウイルス感染予防ガイドライン(令和2年5月14日版)」【国土交通省】を参考にして作成しています。