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特殊環境用照明設備:耐蝕型器具

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化学工場などのように、特殊な腐蝕性ガスが発生する場所に使用される照明器具の耐蝕性能は、器具が設置される場所の環境条件や耐用年数などに応じて、本体、反射板、安定器、ソケットなどの構成部品や構造、塗装などを検討して決定します。

耐蝕型器具の構成材料

一般に構成材料として、FRP(ガラス繊維入強化ポリエステル樹脂)、ステンレス鋼などを使用しますが、すべての腐蝕に対して耐蝕性がある材料はないので、設置場所の環境を調査し、それに応じた材料を選定する必要があります。

また、照明器具の設置工事についても、取り付け方法、配線の接続方法などに充分配慮しなければなりません。

表12に、本体材料にFRP、ランプカバー材料にアクリルを使用した器具の耐薬品性を示します。

なお、ステンレスを使用した器具は、ハロゲンイオン、特に塩素や高濃度の塩水に侵されますので、ご注意ください。

表12:耐蝕型器具の本体(FRP)、カバー(アクリル)の耐薬品性

種類 代表的な薬品 濃度 適応性
無機酸 硫酸 10%
50% ×
塩酸 10%
35% ×
硝酸 10%
30% ×
有機酸 酢酸 10%
50% ×
蟻酸 30%
蓚酸 10%
アルカリ 苛性ソーダ 5%
苛性カリ 30% ×
アンモニア水 10%
中性酸 塩化ナトリウム 15%
塩化カリウム 15%
塩化カルシウム 15%
塩化アンモニウム 15%
炭酸ナトリウム 15%
アルコール溶剤等 メタノール 95%
エタノール 99.5%
イソプロピルアルコール
ベンゼン ×
トルエン ×
シンナー
ガソリン
メチル・エチルケトン ×
四塩化炭素 95%
アセトン 95% ×
テトラヒドロフラン ×
植物油 ヒマシ油
大豆油
その他 過酸化水素 30%
クロロフォルム 95% ×
ホルマリン 37%
洗剤 3%
殺虫剤

適応性 ○…使用可 △…使用条件(応力、紫外線、温度)より問題となる場合がある ×…使用不可 試験条件:15日間浸漬

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