ZEHとは

ZEHとは、自宅で「創るエネルギー」が「使うエネルギー」よりも大きい住宅のこと。経済産業省では、ZEHは「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギー等を導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅」と定義しています。
従来のZEHの定義は、「一次エネルギー消費量が正味ゼロ」ですが、経済産業省の「ZEHロードマップ検討委員会とりまとめ(平成27年12月)」によると「再生可能エネルギーを除き、基準一次エネルギー消費量から20%以上の一次エネルギー消費量を削減すること」が条件として規定されています。
また、2018年3月の「ZEHロードマップフォローアップ委員会とりまとめ(案)」では、『ZEH』よりもさらに高い性能をもった「ZEH+(プラス)」が定義され、一般的なZEHが増えて標準仕様となるように意図されています。

2018年12月にZEHの定義が改訂されました。 これまで、再生可能エネルギーが対象でしたが、非FIT電源の電気逆潮流が可能になることを受け、 「再生可能エネルギー」→「再生可能エネルギー」に変更。 これにより、エネファームの売電分も創エネ効果として評価されることになりました。

■ ZEHの定義

エネルギー供給量 省エネルギーエネルギー自立 75%以上減 100%以上減(Net Zero) 負荷の抑制(高断熱化、日射遮蔽等)自然エネルギー利用(再生可能エネルギーを除く)設備システムの高効率化 再生可能エネルギーの導入(容量不問)20%以上減 基準 一次エネルギー消費 ReferenceHouse エネルギー消費量 『ZEH』 Nearly ZEH

■ ダブル発電(太陽光+エネファーム)の場合のZEH評価イメージ

ダブル発電(太陽光+エネファーム)の場合のZEH評価イメージ 『ZEH』 Nearly ZEH ZEH Oriented 省エネ効果(コジェネ発電自家消費分を含む) 省エネ効果(コジェネ発電自家消費分を含む) コジェネ発電売電分の発電に用いた一次エネ消費量 コジェネ発電売電分の発電に用いた一次エネ消費量 コジェネ発電売電分の一次エネ削減量 売電分を創エネ効果として評価 自家消費分は省エネ効果として評価
注)計算方法の詳細は、省エネ基準検討委員会(一般社団法人建築環境・省エネルギー機構)にて検討予定

■ 省エネルギー水準、断熱性能、補助金適用などの比較

トータルの一次エネ消費削減率 再生可能エネルギー抜きの一次エネ消費削減率 外皮の断熱性能 LCCM 住宅の生涯で100%以上 20%以上 強化外皮基準 LCCM ZEH+(プラス) 居住期間で100%以上(以下同様)25%以上 強化外皮基準(ランクアップ外皮平均熱貫流率が選択肢) 注文・建売・集合 『ZEH』100%以上 20%以上 強化外皮基準 注文・建売・集合 Nearly ZEH 75%以上 20%以上 強化外皮基準 強化外皮基準 ZEH Ready 50%以上 20%以上 強化外皮基準集合(4F・5F) ZEH Oriented 20%以上(再生可能エネルギー不要) 20%以上 強化外皮基準 集合(6F以上)・狭小地 省エネ基準住宅 基準点(0%) 基準点(0%) 省エネ基準

『ZEH』

以下の①~④に適合した住宅

  1. 強化外皮基準(1~8地域の平成25年省エネルギー基準〈ηA値、気密・防露性能の確保等の留意事項〉を満たした上で、UA値 1、2地域:0.4[W/m2K]以下、 3地域:0.5[W/m2K]以下、 4~7地域:0.6[W/m2K]以下)

  2. 再生可能エネルギーを除き、基準一次エネルギー消費量から20%以上の一次エネルギー消費削減

  3. 再生可能エネルギーを導入(容量不問)

  4. 再生可能エネルギーを加えて、基準一次エネルギー消費量から100%以上の一次エネルギー消費量削減

ZEH+(プラス)

以上記の①、③、④を満たした上で、再生可能エネルギーを除き、基準一次エネルギー消費量から25%以上の一次エネルギー消費を削減。
さらに、自家消費を意識した再生可能エネルギーの促進に係る措置を次の3つのうちから行うことを求めています。

  • 外皮性能のさらなる強化

  • 高度エネルギーマネジメント(HEMSなど)

  • 電気自動車への充電

とくに、高度エネルギーマネジメントに関しては、将来的にはDR(デマンドレスポンス)やVPPに参画する要件となることも想定されています。

これから2030年にかけて、エネルギー政策が段階的に進められていきます。

政府は、住宅の生涯CO2排出量を削減するLCCM住宅(ライフサイクル・カーボンマイナス住宅)を最終目標に、低炭素住宅化を進めていきます。
2021年には、「改正建築物省エネ法」において300m2未満の新築での「説明義務制度(省エネ基準への適否等の説明)」が施行され、2030年には新築戸建は平均でZEHとなります。

■ 低炭素化に向けた住宅イメージ

低炭素化に向けた住宅イメージ 最終目標LCCM住宅 ライフサイクルカーボンマイナス住宅 一般住宅2013年改正省エネ基準レベル2020年義務化へ ZEH+(プラス) 『ZEH』 ZEH Nearly ZEH ZEH Ready ZEH Oriented 認定低炭素住宅 2030年新築住宅の平均でZEH2020年 新築戸建の50%

LCCM住宅

(ライフサイクル・トータルのエネルギー消費がマイナス)
建設から廃棄までの一生涯のCO2収支をマイナスにする住宅。

ZEH+(プラス)

(『ZEH』よりもさらに高い性能をもった住宅)
再生可能エネルギーを除き、25%以上の一次エネルギー消費を削減。
創るエネルギー量が一次エネルギー消費量よりも100%以上多い省エネを達成した住宅。
さらに、次の3つのうちから2つの措置を求めています。

  • 外皮性能のさらなる強化

  • 高度エネルギーマネジメント(HEMSなど)

  • 電気自動車への充電

『ZEH』

(正味で100%以上省エネを達成した住宅)
再生可能エネルギーを除き、20%以上の一次エネルギー消費を削減。
創るエネルギー量が一次エネルギー消費量よりも100%以上多い省エネを達成した住宅。二重カギ括弧で『ZEH』と表記します。

Nearly ZEH

(正味で75%以上省エネを達成した住宅)
再生可能エネルギーを除き、20%以上の一次エネルギー消費を削減。
創るエネルギー量が消費エネルギー量よりも75%の省エネを達成した住宅。
都市部などの市街地に建つ狭小住宅に配慮して設けられました。

ZEH Oriented

(正味で20%以上省エネを達成した住宅/ 再生可能エネルギー不要)
再生可能エネルギーを除き、20%以上の一次エネルギー消費を削減。
再生可能エネルギーが設置できないマンションなどに配慮して、再生可能エネルギー不要のZEHが設けられました。

認定低炭素住宅

(一次エネルギー消費量が-10%以上の住宅)
建物の一次エネルギー消費量が、2013年改正省エネ基準に比べて-10%以上となる住宅。省エネ基準以上の断熱性能やCO2排出量を抑える設備や処置の別途選択が必要。

省エネ基準住宅(2013年改正省エネ基準レベル)

外皮(外壁や窓など)の断熱性能に加えて、一次エネルギー消費量が2013年改正省エネ基準以下になる住宅。

■ZEH普及に向けたロードマップ

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