ここから本文です。

天神地下街| LIGHTING STYLE Vol.8 | P.L.A.M. | 照明設計サポート製品を探す

LIGHTING STYLE Vol.8

07 天神地下街

LED で既存の光環境を再現

ヨーロッパの街並みをイメージしたメリハリある照明空間

九州最大の繁華街、福岡市天神の中心軸となる渡辺通りの直下を
南北に走る地下街であり、都市と商業と交通、そして人が豊かに交流
する大きな「劇場」となっている。19世紀のヨーロッパの夜の街並み
をイメージしてデザインされ、南欧風の石畳の道や唐草模様の天井
が特徴。照明は、全体的に落ち着きがあり、路面に落ちる光だまりが
リズミカルに連続する。そこに各店舗の光が漏れ出し、店舗自体が
際立ち、メリハリのある照明空間がショッピングの楽しさを増幅してい
る。天神の顔として完成された街並みはデザインの老朽化を感じさせ
ず、LED によって既存の照明環境を再現しつつ、より快適で環境に
やさしい明かりが求められた。

PDFをダウンロードPDF

■物件概要
竣工:2013 年11 月
所在地:福岡県福岡市
施主:福岡地下街開発株式会社
設計:福岡地下街開発株式会社
電気工事:株式会社九電工

天神地下街

POINT1

光の効果を忠実に再現する技術

1976 年の開業以来、ハロゲン等の白熱光源を多用していたため、ランプ寿命が短くランプ交換が頻繁になり、メンテナンス負荷が大きくなっていた。既存の光環境が市民に愛され、街の顔となっていたことから、「天神地下街らしさ」をLED でなるべく忠実に再現することが目標となった。既存の配光と色温度とDuv(色味のずれ)を測定し、実験と改良を繰り返し、さらに不快なグレアの低減化を行い、LED 化を実施した。新たな配線工事をすることなく、LED 化部の電力量は22%(78% 減)を達成。通行市民も、各店舗もLED 化したことを気づかないほどの再現が成功し、永続的な光環境維持が可能となった。

フルカラーLED 投光器33 台でトラス構造体をライトアップ

石畳の道と唐草模様の天井が特徴の地下街。明るさを抑えた空間に各店舗の光が漏れる。

断面イメージ図
光を操る方法
視野角の中の輝度の計測を行い、適度な遮光角の深さの設定に活用。

視野角の中の輝度の計測を行い、適度な遮光角の深さの設定に活用。

視覚的明るさ感(Feu)を測定し、まぶしさ軽減と明るさ感のバランスを確認した。

視覚的明るさ感(Feu)を測定し、まぶしさ軽減と明るさ感のバランスを確認した。

「ミキシング技術」を活用。

分類したLED パッケージを混ぜて配置することで任意の色度を再現する
「ミキシング技術」を活用。色度範囲が狭くバラツキを少なくすることが可能になった。

上は北・東街区、下は南・東街区のLED 改修前後の比較。

上は北・東街区、下は南・東街区のLED 改修前後の比較。改修前の雰囲気を保ちつつ、天井面のグレアをなくし、店舗がより際立つようになった。

  • 既存器具の間に新しいLED 器具を設置し、効果の検証を行った。

    既存器具の間に新しいLED 器具を
    設置し、効果の検証を行った。

  • グレアレスプレート

    グレアレスプレートにより、既存より不快なグレアが
    大幅に軽減されている。

  • 特注グレアレスダウンライト詳細図 縮尺1/8

    特注グレアレスダウンライト詳細図 縮尺1/8

Owner's Comment

光環境をLED で忠実に再現

光環境は、天神地下街の意匠において重要な役割を担っています。光の強弱や色味といった従来からの演出効果を新しいLED 技術で忠実に再現でき、大変満足しています。

古川 隆一氏

古川 隆一氏

福岡地下街開発株式会社

大島 睦

大島 睦

ソリューションライティング
デザイングループ(九州EC)