厳しいスケジュールの中
短期間で本社ビルのZEB化に成功。

外皮改修を行わない既設ビルのリニューアルではZEBの達成が難しい中、松永建設様は本社ビルの改築で、高COP対応の空調設備や省エネの換気設備・新LED照明、太陽光発電などの設置により、高水準なNearly ZEBを達成されました。

ただ、今回のZEB化にあたって大きな問題となったのが、補助金申請までの期間の短さでした。「本社ビルのZEB化プロジェクトが立ち上がったのが2023年3月末で、5月末から6月初旬が最終申請期限、7月中旬の採択という厳しいスケジュールでした」と増野様。

最初に声をかけたメーカーからは期間的な難しさを理由に断られましたが、パナソニックの営業担当者に連絡したところ、すぐに話を聞きに来てくれました。

「この建物の図面を一から書き起こしてくれるなど、パナソニックが突貫で申請準備を進めてくれた結果、約2ヶ月で補助金採択までこぎつけることができました。短期間でのプロジェクト完遂は大変でしたが、自信にもつながりました」と増野様は振り返ります。

2023年の11月には改修工事が無事終了し、ZEB化を実現した新しい本社ビルが完成しました。

信頼関係が築けるメーカーとの取り組みが重要。

「今回は自社ビルのZEB化がゴールではなく、これをどうお客様に展開していくかがゴールです。この先を見据えて一緒に取り組んでいけるメーカーを最初から考えていました。その点、高効率の空調設備や省エネ照明・換気など、総合的に幅広い商品展開をしているパナソニックには大きな魅力を感じました」と増野様は語ります。

さらに、「高COP対応の空調設備や省エネ照明の導入により、省エネ効果に加えて、ネットワーク連携や自動制御などの利便性が向上するのも大きな利点です」と、同じメーカーの商品を統一して導入することのメリットを強調しています。

インテリジェントコントローラーで快適性が向上。

今回、ZEB化にあたってインテリジェントコントローラーを導入し、室内ユニットを集中管理。「いままでは、各部屋を回ってこまめに節電したり、エアコンの温度を27度に設定したりしていましたが、インテリジェントコントローラーで集中管理されているので、もう節電を意識しなくてよくなりました」と、増野様は格段に向上した快適性を実感されています。

まだ改築後1年経っていないため、昨年との消費電力の比較はされていませんが、省エネ性と快適性には大変満足しています。

脱炭素社会の実現に向けてZEBの普及を積極推進。

「2,000㎡以上の案件でZEBの補助金を取得した事例が全国でも多分10例目ぐらいだったので、大規模建築物の既存改修としては、先進的な取得だったと思います。また、補助金の採択結果をご覧になったお客様から、補助金申請の進め方に関する問い合わせが多く寄せられています」と、本社ビルをZEB化したことで、お客様からの問い合わせも増えています。

国の方針でも「2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取り組み」が打ち出されていますが、松永建設様も脱炭素社会の実現に向けてZEBの普及を積極的に推進しています。

「将来的なことを考えると、補助金を活用してZEBなどの先進的な取り組みをするのが良いと思います。その方が、お客様にも納得感がありますよね。建設業界も環境面で革新を図る時期に来ていると思っています。大手ゼネコンはその風習を変えるのが難しい中、我々のような中小ゼネコンが先進事例を作っていこうと思います」と増野様。

今後、学校や病院施設に対しても、パナソニック商品を導入したZEBの提案を進める予定で、松永建設様の取り組みはますます注目されそうです。