HEMS(ヘムス)の基礎知識と導入費用、失敗しない選び方
家庭のエネルギーを最適化する
HEMS(ヘムス)の基礎知識やメリット、
失敗しないための選び方を解説。補助金の活用についても紹介します。
HEMS(ヘムス)の基礎知識と失敗しない選び方
家庭で使う電気やガスなどのエネルギーを「見える化」し、家電や電気設備を「自動制御」してくれるHEMS(ヘムス)。
省エネ意識の高まりや電気代の変動への対応、そして災害への備えとして、これからの住まいに欠かせないシステムとなりつつあります。
しかし、長く使う設備だからこそ、導入前のプランニングは重要。
家庭のライフスタイルに合った機器構成や連携機能を選ばなければ、操作が難しく感じたり、期待したほどの節約効果が得られなかったりする原因となります。
そこでこの記事では、HEMSの基礎知識や失敗しない選び方、そして気になる導入費用や補助金の活用法をご紹介します。
また、統一感のある洗練された空間を実現する、パナソニックの思想「Archi Design(アーキデザイン)」に基づいたHEMS関連機器についても紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
1.HEMS(ヘムス)の基礎知識と導入のメリット
HEMSとは「Home Energy Management System(ホーム エネルギー マネジメント システム)」の略称で、家庭で使うエネルギーを最適に制御するための管理システムです。
HEMSの2大要素
使用電力量の見える化
どれだけのエネルギーをいつ・どこで・何に使用しているのか、目で見て確認できること
機器の最適制御
家中の機器を一括してコントロールしたり自動的にエネルギー使用量を最適化すること
政府は、2030年までにすべての住まいにHEMSが設置されることを目指しています※1。
新築住宅のネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH※2)化にもHEMSの設置が不可欠であり、各自治体から補助金が交付されるなど、HEMSは住まいの標準設備としてますます普及が進んでいます。
※1:経済産業省 資源エネルギー庁 平成27年7月「長期エネルギー需給見通し関連資料」より
※2:家庭での年間エネルギー消費量をおおむねゼロにする住宅のこと
システムと聞くと少し難しく感じるかもしれませんが、複雑なプログラムを組む必要はありません。
次に紹介する4種類の機器を揃えるだけです。
HEMSを構成する4種類の機器
HEMSは、以下の4種類の機器を連携させることで、家庭内のエネルギー管理を実現します。
パナソニックの製品を例に、それぞれの役割を見ていきましょう。
1.HEMS本体
HEMSの中心となる、システムの「司令塔」にあたる機器です。
分電盤で計測した使用電力量データを無線通信で受け取り、スマホやモニターへ情報を送信したり、家電に制御の指示を出したりします。
パナソニックでは「AiSEG3(アイセグ3)」の本体がこれに該当します。
2.HEMS対応 住宅分電盤
使用電力量の計測を行うための機器です。
AiSEGとつながることで簡単に回路ごとの電気の見える化が可能になり、きめ細かに電気の使用量の確認などができます。
※HEMSによって、対応する分電盤が異なります
3.家電・設備
HEMSの指示を受けて動く家電や設備です。
エアコンや照明といった「電気を使う機器」だけでなく、太陽光発電システムや蓄電池、電気自動車(EV)などの「電気をつくる・貯める機器」も含まれます。
※HEMSによって対応する家電、設備が異なります。接続、コントロールなどできない機器もあります
4.表示装置・モニター
HEMS本体から送られてきた情報を確認・操作するためのスマートフォンアプリやモニターです。
※HEMSによって接続できるモニターは異なります
続いて、HEMSを導入することで具体的にどのようなメリットがあるのかを、詳しく解説していきます。
【メリット1】
エネルギーの“見える化”で節電意識がアップする
HEMSの最大の特長は、これまで見えなかった使用電力量が見えるようになることです。
「いつ」「どこで」「どれくらい」電気を使っているかが、HEMSのモニターでひと目でわかります。
電気の使用量だけでなく、電気代や太陽光発電や蓄電池を使っている場合の電気の自給率も確認できるため、家族みんなに節電意識が芽生えます。
【メリット2】
創エネ・蓄エネ機器をムダなく賢く活用できる
太陽光発電システムや蓄電池と連携させることで、発電した電気を賢く使う「自家消費」を自動でサポートします。
天気の良い昼間は太陽光で発電した電気を使い、余った電気は蓄電池や電気自動車に貯める。そういった複雑な制御を、HEMSが自動で行ってくれるのです。
【メリット3】
外出先から家電や住宅設備機器を操作できる
スマホと連携すれば、外出先からでもエアコンの操作やお風呂のお湯張りなどが可能となり、帰宅前に快適な環境を整えられます。
また、「スマートスピーカー」と連携させることで、声だけでエアコンや照明のオン・オフを簡単に行うことができます。
【メリット4】
万一の災害時にも備えられる
災害による停電が発生しても、蓄電池と連携したHEMSが自動で自立運転に切り替えます。
停電時に、電気自動車と蓄電池の電気を利用できるのはもちろん、電気使用量がモニターで確認できるため、「あと何時間くらい電気が使えるか」がわかり安心です。
HEMSは、このように快適で賢い暮らしをもたらしてくれますが、導入前のプランニングに失敗すると「操作が難しくて機能が使いこなせない」「思ったよりも節電効果が得られない」といった後悔につながってしまう可能性があります。
そこで、HEMS選びで失敗しないためのポイントについても解説しておきます。
2.HEMS選びで失敗しないためのポイント
HEMSは、多くの機器をまとめて管理するシステムだからこそ、導入前のプランニングが重要です。
なんとなくで選んでしまうと、「思っていた機能が使えない」「インテリアに合わない」といった後悔につながるかもしれません。
ここからは、HEMS選びで失敗しないための5つのポイントをご紹介します。
【ポイント1】現在の設備や将来の拡張に対する「連携性」を意識する
HEMSを導入する際、「どのメーカーの家電でもつながる」とは限りません。
そこで重要になるのが「ECHONET
Lite(エコーネットライト)」といった統一規格に対応しているかどうかです。
ECHONET
Liteとは、スマートハウス向けのオープンな国際標準通信規格です。
もし規格が異なれば、機器同士が連携できないという問題が生じます。
たとえば、パナソニックの「AiSEG3」は、パナソニック製品だけではなく、ECHONET
Lite規格に対応した他社製のエアコンや給湯器とも連携が可能です。
既に設置されている設備や、今後導入を検討しているEV充電設備などがつながるかどうか、事前に確認しておきましょう。
※AiSEG3の対応機器一覧は、弊社サイトご確認ください
【ポイント2】導入目的と機能グレードを適合させる
「見える化」だけが目的なのか、それとも「自動制御」まで行いたいのかで、選ぶべき設備が変わります。
単に電気代を確認したいだけであれば、比較的安価な計測機能中心のモデルで十分かもしれません。
一方、太陽光発電や蓄電池を最大限に活用し、電気の自給自足や、エネルギー収支をゼロ以下にする家を意味する「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」を目指すのであれば、より高機能で細かく制御できるモデルが必要です。
【ポイント3】スタイルに合わせた「設置タイプ」を選ぶ
HEMSを導入する際、事前に検討しておきたいのが機器の「設置タイプ」です。
ライフスタイルやインテリアへのこだわりに合わせて、最適なものを選びましょう。
最近では、リビングに専用モニターを設置したくないというニーズに応え、モニターのない「ゲートウェイ型」が増えています。
おもちのスマートフォンで確認できるため、住まいのデザインを損なうことなくスマートに導入できます。
一方で、家族全員がその場ですぐに状況を確認・操作したい場合は、「モニター型」が便利です。
ただし、HEMSのモニターはリビングなど目につく場所に設置されることが多いため、単なる「設備機器」としてではなく、インテリアと調和するシンプルで洗練されたデザインのものを選ぶのがオススメです。
※AiSEG3の場合モニターとスマートフォンで、確認できる内容が異なります。
【ポイント4】初期導入のコストと将来的な効果を照らし合わせる
HEMSを選ぶときは、本体価格だけで決めるのではなく、光熱費をどれだけ節約できるかという効果も、長期視点で比較・検討することが大切です。
たとえば、太陽光発電と蓄電池をHEMSで最適制御することで、年間の電気代の削減をサポートするシミュレーション結果も出ています。
※上記シミュレーションは2段階の売電単価に対応した場合です
※当社シミュレーション条件によります。シミュレーション条件については、ページ最下部をご覧ください
導入コストを単なる「出費」と捉えるのではなく、将来の光熱費削減への「投資」として考えることをオススメします。
【ポイント5】導入後のサポート体制を確認する
HEMSは、長く使い続けることを前提としたシステムです。
ファームウェア(HEMSのソフトウェア)のアップデートによって新しい機能が追加されたり、新しい家電に対応したりすることがあります。
導入後もしっかりとサポートが受けられる、信頼できるメーカーを選ぶことが安心につながります。
これらのポイントを押さえて選べば、暮らしの快適性や省エネ性を大きく高められます。
一方で、導入するための費用が気になるという方も多いでしょう。
そこで、導入費用の負担を軽くするためにぜひ活用したいのが、国や地方自治体などが実施しているHEMS関連の「補助金制度」です。
続いては、HEMSの導入費用の目安と、補助金についてご紹介します。
3.HEMSの導入費用と補助金の活用
HEMSを導入した際、「思ったよりも費用がかかった」とならないために、費用の内訳と補助金制度についても押さえておきましょう。
導入費用の内訳
HEMS導入にかかる主な導入費用は、「機器本体費用」「対応分電盤への交換費用」「設置、設定工事費用」です。
また、導入するHEMS機器本体と規格の合う家電・設備に買い替える場合は、その費用も別途必要になります。
初期費用を考えると高額になりそうだと感じるかもしれませんが、初期費用だけでなく、光熱費削減による節約効果を比較検討する視点も大切です。
なお、新築時に導入する場合と、リフォームで後から設置する場合とでは、工事費用が異なります。
特に、リフォームで後付けする際は、配線工事の規模によっては費用が高額になる場合があります。
詳しい工事費用については、ハウスメーカーや販売・施工店に直接お問い合わせください。
以下は、パナソニックの「AiSEG3」を導入することを想定したプラン例です。
機器や設備費用の参考にご確認ください。
※HEMSに接続される家電、設備機器単価や工事費用、設定費用は含まれておりません
【プラン例1】カーボンニュートラルなくらしがしたい方にオススメ
※1:上記は概念図です。
※2:別途工事費以外に設定・設置調整費がかかる場合があります。
※3:連携機器本体は合計金額に含まれておりません。実際の納入・施工・設定については販売・施工店にお問い合わせください。
※1:壁付電源同梱タイプもあります。品番 : MKN7141、希望小売価格(税抜):102,000円
※2:太陽光発電システムとV2H蓄電システムの品番・価格は住宅の仕様により異なります。詳しくは、各商材のカタログをご確認ください。
※3:AI ソーラーチャージPlus対応機種は、ソーラーチャージ機能搭載のエコキュートです。
詳細はWEBサイトをご確認ください。
【プラン例2】高気密高断熱で省エネ・創エネな次世代住宅「ZEH」を建てられる方にオススメ
※1:上記は概念図です。
※2:別途工事費以外に設定・設置調整費がかかる場合があります。
※3:連携機器本体は合計金額に含まれておりません。実際の納入・施工・設定については販売・施工店にお問い合わせください。
※1:壁付電源同梱タイプもあります。品番 :MKN7141、希望小売価格(税抜):102,000円
※2:太陽光発電システムと蓄電システムの品番・価格は住宅の仕様により異なります。 詳しくは、各商材のカタログをご確認ください。
※3:AI ソーラーチャージPlus対応機種は、ソーラーチャージ機能搭載のエコキュートです。詳細はWEBサイトをご確認ください。
※4:照明器具・スイッチプレートは別途必要です。回路数・機能など詳細打合せが必要です。
※ZEH住宅には、この他にも高性能断熱外皮(断熱材、窓)などの構成機器や部材が必要です。
HEMSを導入する際の目安となる費用をご紹介しました。
続いて、補助金についても見ていきましょう。
補助金の活用
国や地方自治体の補助金制度を賢く活用することもポイントです。
SII(環境共創イニシアチブ)が実施する補助事業では、ZEHなどの条件を満たす住宅において、HEMS機器が補助対象となるケースがあります。
また、地方自治体独自で「スマートハウス補助金」や「省エネ機器導入助成金」を設けている場合もあります。
これらの制度は年度ごとに内容が変わるため、最新の情報をチェックするようにしましょう。
ここまで解説してきた機能や経済性といった側面とは別に、HEMSモニターは、家の中の目に触れる場所に設置されることも多く、デザイン性も重要になります。
そこで最後に、パナソニックのデザイン思想「Archi
Design(アーキデザイン)」に基づくHEMS関連機器の魅力をご紹介します。
4.統一感のある洗練された空間を実現する
「Archi
Design(アーキデザイン)」とHEMS
「Archi Design(アーキデザイン)」とは、電気設備を建築的視点で考えるパナソニックの思想です。
「Archi
Design(アーキデザイン)」の電気設備は、視覚的なノイズをできる限り減らすことを目指してデザインされています。
天井や壁と調和する色や質感で、電気設備を建築の背景に自然に溶け込ませ、快適な空間を創出します。
HEMSというと、機能優先でメカニカルなデザインをイメージされるかもしれませんが、「Archi
Design(アーキデザイン)」の思想は、HEMS関連機器にも息づいています。
その思想に基づいた製品が、
HEMSの中心となる本体機器「AiSEG3(アイセグ3)」です。
本体への印字やボタンをなくすことで、インテリアに溶け込むシンプルなデザインになっています。
また、画面デザインも水平垂直を基調とし、見やすく飽きのこない表示を追求しています。
「Archi Design(アーキデザイン)」のスイッチやコンセントとあわせてコーディネートすることで、壁面のノイズを整理し、統一感のある洗練された空間を実現します。
また、HEMSの中核となる住宅分電盤「FLEXIID(フレキシード)」も、デザインを一新しました。
従来の分電盤は、ブレーカーの出っ張りや配線のごちゃつきが気になり、脱衣所やクローゼットの奥に隠される存在でした。
しかし、「FLEXIID(フレキシード)」は、空間の可能性を広げる自由自在な分電盤です。
100mmの薄型でフラットな形状と、建築モジュールに沿った50mmピッチの多彩なサイズ。
表面にはマットで上質な印象を与える特殊シボ加工が施されており、空間の背景に美しく溶け込みます。
縦も横も自由自在に設置が可能で、天井や壁面に隙間なく設置できるため、リビングやキッチンなど、目に見える場所にあってもインテリアの調和を乱しません。
さらに、太陽光発電・蓄電システムにおいても、「Archi
Design(アーキデザイン)」の思想は貫かれています。
それが、住宅用V2H蓄電システム「eneplat(エネプラット)」です。
「eneplat(エネプラット)」は、電気自動車(EV)と蓄電池を同時に充放電できる先進のシステムでありながら、その外観は極めてシンプル。
屋外に設置されるパワーステーションやコンバータは、建築の水平・垂直ラインに馴染むようデザインされており、余計な凹凸を取り除いたノイズレスな形状です。
一般的なエアコン室外機よりもコンパクトなサイズで、建物の外観を損なうことなく設置できます。
HEMSを導入することは、単にエネルギーを管理するだけでなく、これからの快適で美しい暮らしをデザインすることでもあります。
機能性はもちろん、デザイン性にも優れたパナソニックのHEMS機器で、賢く、そして美しいスマートハウスを実現してみてはいかがでしょうか。
<シミュレーション条件>
シミュレーション結果につきましては、お客様の生活パターン、機器の使い方、エネルギー機器の種類、電気自動車の種類や使い方、燃料価格の変動や気候の変化、その他の要因等により変動しますので、実際の削減額や支払額を保証するものではございません。
東京電力 スマートライフLプラン
●太陽光発電システムの搭載容量:7kW
●エコキュート:パナソニック製エコキュート(品番HE-J37KQS)
●太陽光発電量の計算 各システムの容量、地域別日射条件、
システムの各損失等を考慮して、年間推定発電量を算出しておりますが、保証値ではございません。設置条件(方位・角度・周辺環境)、地域、および設置形態により異なります。
●日射量データ:NEDO〔国立研究開発法人
新エネルギー・産業技術
総合開発機構〕の日射量データベース閲覧システムのMETPV-20の気象データを用いています。
https://appww2.infoc.nedo.go.jp/appww/index.html
●傾斜面日射量の計算:「拡張アメダス気象データ(EA気象データ)」
の解説書等に基づきます。本シミュレーションでは、屋根は南向きで勾配30度としています。
●発電量の計算:「JISC8907:2005
太陽光発電システムの発電
電力量推定方法」に基づきます。
●需要量の計算:一般負荷及び
給湯負荷(エコキュート)は、国立研究開発法人
建築研究所発行の「平成28年省エネルギー基準に準拠したエネルギー消費性能の評価に関する技術情報(住宅)現行版」を参考に作成しており、給湯負荷は「2.エネルギー
消費性能の算定方法 第七章 給湯設備 第一節
給湯設備」に示された計算方法に基づいています。一般負荷の試算条件は以下の通りです。暖冷房負荷:平成11年基準超相当(暖房は、熱交換換気あり)、冷房・暖房設備:エアコン(区分い)、換気設備:ダクト式第一種熱交換
換気(省エネ型)、照明設備:LED、家電等:4人世帯、調理設備:ガス調理、床面積/間取り:120.08m2/4LDK(4人世帯)。
●蓄電池容量:6.4kWh
●売電単価:4年目まで24円、5年目以降8.3円