ブレーカー・分電盤:ブレーカーにまつわる電気事故

ブレーカーにまつわる電気事故

ブレーカーは配線を保護する目的で設置しますが、取扱いを間違えると火災につながる事にもなりかねません。
ここではブレーカーにまつわる電気事故をご紹介します。

電気設備機器による火災要因

H18(全件数:1,050件)

H19(全件数:994件)

H25(全件数:1,111件)

H26(全件数:1,020件)

発火源

件数

発火源

件数

発火源

件数

発火源

件数

1位

電線の短絡

175

電線の短絡

168

接触部の過熱

225

電線の短絡

198

2位

接触部の過熱

168

接触部の過熱

163

電線の短絡

199

接触部の過熱

174

3位

可燃物が接触

140

可燃物が接触

125

可燃物が接触

109

可燃物が接触

99

4位

トラッキング

84

トラッキング

82

トラッキング

86

トラッキング

85

5位

絶縁劣化により発熱

62

絶縁劣化により発熱

78

絶縁劣化により発熱

68

絶縁劣化により発熱

58

上記にある通り、1位と2位は「接触部の過熱」と「電線の短絡」が占めています。「電線の短絡」は前項の③コードがショートしたとき(短絡)で説明のある通り、コンパクトブレーカーSH型で保護 することが可能ですが、「接触部の過熱」とはどんな事象なのでしょうか?

「接触部の過熱」とは?

接触部とはブレーカーと電線の接続点のことで、主に端子部のことをさします。つまり端子部が何らかの原因で発熱し、そこから電気火災という事象につながったということになります。では何故、端子部が発熱するのでしょうか?

例1「緩み」

端子部分が緩んだ場合、接触部面積が不足し、温度が急激に上昇するため、この事象が発生すると考えられます。

例2「締め付け時のトルク不足」

どのメーカーも施工説明書などに端子締め付け推奨トルク(ネジを締め付ける力)を掲載しているのですが、このトルク未満だと、例1と同様に接触面積不足の為、この事象が発生すると考えられます。

例3「電線許容電流値<ブレーカー定格電流値」

ブレーカーは配線保護が目的ですので、電線の許容電流値以下の定格電流値のブレーカーを選定する必要があるのですが、その逆になった場合、電線が許容電流値を超えて電流を流してしまい被覆のない接触部が加熱し、この事象が起きると考えられます。

以上のとおり、いずれも施工時に気づきにくく、特に日常生活の場面では気づくことが困難です。
これらの電気事故を軽減させるためにコンパクトブレーカー(速結端子構造)などで対策は可能ですが、主幹ブレーカー部分については、幹線サイズが多岐にわたる為、端子ネジの構造となっています。
「接触部の過熱」による電気火災を未然に防ぐためには、定期的に住宅分電盤の点検が必要です。
安全のためにも、是非地区ごとにある電気保安協会に一度点検してもらってみてはいかがでしょうか?
また60A以上は接続信頼性向上のため、「圧着端子」仕様としています。

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