電気自動車(EV)の燃費(電費)とは?計算方法や走行距離について解説 電気自動車(EV)の燃費(電費)とは?計算方法や走行距離について解説

近年はガソリン代が高騰しているため、電気自動車(EV)に注目が集まっています。経済産業省資源エネルギー庁が発表している、2025年1月時点のレギュラーガソリンの全国平均価格は約185円です。2024年12月時点の全国平均価格が180円だったので、1か月で約5円値上がりしています。

本記事では、ガソリン車の燃費にあたる電気自動車(EV)の電費の計算方法をはじめ、電費を抑えるポイントや満充電時の走行距離について解説します。

電気自動車(EV)の電費とは

電気自動車(EV)にも、ガソリン車にあたる燃費が存在します。燃費は燃料消費率の略で、燃料1Lあたりに車が走行できる距離を数値で表したものです。電気自動車(EV)では交流電力量消費率で表され、「電費」と呼ばれています。

ここでは、電気自動車(EV)の電費について紹介します。

電気自動車(EV)の電費の定義

電気自動車(EV)の電費には、2つの単位があります。1つ目の電費は、1km走行するために必要な電力量のことをいいます。単位は「Wh/km」で表され、電費は「数値が小さいほど電費がいい」という評価になります。

また、もう1つの電費は「km/kWh」という単位で表され、1kWhの電力量で走行できる距離を意味します。その場合は、数値が大きいほど電費が優れているという評価になります。

ガソリン車の燃費の定義

ガソリン車の燃費は、燃料1Lで走行できる距離を示す「km/L」で表記されます。ガソリン車の場合は、数字が大きいほど燃費が優れていることになります。

電費と燃費を表す数値を評価する際の注意点

ガソリン車の場合は「燃料1Lでどの程度走れるのか」を燃費として評価します。一方、電気自動車(EV)の場合は「1kmを走行するのにどの程度の電力量が必要か」が電費のため、示された数値に対する評価には注意が必要です。

ガソリン車の場合は「数値が大きいほど燃費がいい」という評価になりますが、電気自動車(EV)の場合は、Wh/kmでは「数値が小さいほど電費がいい。」km/kWhでは「数値が大きいほど電費がいい」という評価になります。

ガソリン車より電気自動車(EV)の方がランニングコストが安い

例として、電気自動車(EV)とガソリン車で100km走行した場合のコストを比較します。

電気自動車(EV)とガソリン車で100km走行した場合のコストを比較

これらの計算から、100km走行した場合は電気自動車(EV)の方がガソリン車より約509円コストを抑えることができます。

電気自動車(EV)の電気代はいくら?ガソリン車との比較や充電料金を抑える方法を解説記事はこちら

電費の計算方法

電費は「Wh/km」と単位を示すため、計算式は以下となります。

電費(km/kWh)=1÷交流電力量消費率(kWh/km)

1kmあたりの電費と燃費を比較

電気自動車(EV)の電費とガソリン車の燃費は、どちらがコストを抑えられるでしょうか。ここでは、1kmあたりの電費と燃費を比べます。今回、電気自動車(EV)は日産リーフXを例に、ガソリン車はそれと同じ程度の大きさのホンダシビック・ハイブリッド車を例に、それぞれ電費と燃費を計算します。

電気自動車(EV)とガソリン車で1kmあたりの電費と燃費を比較

1kmあたりの電費と燃費を比較すると、電気自動車(EV)の方が安いという結果になります。

2020年4月より国際基準「WLTP」に基づき、燃費・電費の測定を義務化

WLTPは、Worldwide harmonized Light vehicles Test Procedureの略です。WLTPとは、国連自動車基準調和世界フォーラム(WP29)によって決められる燃費などを測定する際の国際基準のことをいいます。

日本では、ガソリン車などと同様に電気自動車(EV)の電費についても、2020年4月より国際基準「WLTP」をもとに測定されることが義務化されました。これまでは日本独自の基準「JC08モード法」で計測されていましたが、2030年度乗用車燃費基準では国際基準「WLTP」に基づく測定法「WLTC モード法」が採用されます。

主な電気自動車(EV)の電費比較

ここでは、国産の主な電気自動車(EV)の電費について紹介します。それぞれの車種の諸元表(2025年2月時点)に基づき、電費を記載します。

国産の主要車種 電費(Wh/km)
スバル ソルテラ 126~148
トヨタbZ4X 126〜148
日産アリア(B6型/B9型) 166〜169/169〜187
日産サクラ 124
日産リーフ 155〜161
マツダMX-30 EV 145
三菱ekクロスEV 124
レクサスRZ(450e・300e) 135〜147/120〜137
レクサスUX300e 141

季節や走り方によって電費は変わる

電気自動車(EV)はバッテリーによってモーターを駆動させて走行し、エアコンをはじめとした車載の電気機器を動かします。そのため、電気自動車(EV)はバッテリーの影響を受けます。例えば、バッテリーは季節の気温によって性能が変化します。猛暑が続くような夏や雪が降り積もるような冬はバッテリーの性能が低下するため、電費が変化します。

また、電気自動車(EV)は上り坂で多くの電力を消費する特長があります。一方、下り坂では電力によるエネルギーを回収できる機能が働き、バッテリーに電気が貯めることができます。つまり、電気自動車(EV)は走り方によって電費をコントロールできます。

エアコン(冷房・暖房)の使用は多くの電力を消費する

暑い夏に冷房をつけると、ガソリン車と同様に、電気自動車(EV)も電費が悪くなります。また、寒い冬に暖房をつけるとガソリン車と違い、電気自動車(EV)は熱源がないため、大きなエネルギーを必要とします。なお、ガソリン車は燃料を燃焼する際のエネルギーを転用できるため、暖房をつけても燃費に大きな影響はありません。

電気自動車(EV)の場合、電費を抑えるにはエアコンの設定温度を調整することが効果的です。エアコンの設定温度を調整すれば、電力の消費が抑えられます。

急加速や急ブレーキなど、運転方法で電力の消費量が変わる

電気自動車(EV)の場合、急加速や急ブレーキは危険運転というだけでなく、電費を悪化させる要因になるデメリットもあります。理由は、急速にモーターを回す際に多くの電力を消費するからです。

電気自動車(EV)は、ブレーキ操作をする際に運動エネルギーを電気エネルギーに変換して回収する「回生ブレーキ」という仕組みを採用しています。急加速や急ブレーキを行うと、回生ブレーキの効率が悪くなり、電気エネルギーを無駄に消費してしまいます。

電気自動車(EV)の電費を抑えるポイント

ここでは、電気自動車(EV)の電費を抑えるポイントを3つ紹介します。

エコモードを利用する

電気自動車(EV)はさまざまな走行シーンに合わせて、ドライブモードを選択できます。その中にある「エコモード」は電費の性能を向上させるモードです。エコモードを選ぶと、エアコンの温度設定やモーターの出力を自動制御できます。

電気自動車(EV)のモーターは、発進時から高出力を発生させる特長があるため、市街地などを走行する場合は穏やかな加速性能となるエコモードで電費を抑えることをおすすめします。

運転前に車内を適切な温度に設定する

電気自動車(EV)は、スマートフォンのアプリなどでエアコンの起動や予約ができます。事前に車内を快適な温度に設定しておけば、走行時に車内を急いで温めたり冷やしたりすることを避けられるため、電力消費の抑制につながります。

例えば寒い冬の場合は、運転時にシートヒーターやステアリングヒーターに切り替えるなど、走行前に車内を快適な温度にしておくことで電費を抑えることが可能です。ヒーターを使えば直接搭乗者を温められるため、冷える心配はなく、暖房よりも電力消費を抑えられます。

シートヒーターは多くの電気自動車(EV)に装備され、最近はフロントシートに加えてリアシートにもヒーター機能がついている車種もあります。このようにエアコンやヒーター機能を使い分けることも、電費を抑える方法です。

急加速・急ブレーキを避ける

電費を抑える方法の1つとして、走り方を工夫するやり方があります。例えば、ブレーキから足を離してゆっくりと発進し、アクセルを徐々に踏むことで急加速せずにゆっくり加速することで電力消費を抑えることができます。

また、走行中は前方車との車間距離に注意し、速度を一定に保つように運転するとブレーキを踏む回数を減らすことができ、電力消費の抑制につながります。

主な電気自動車(EV)の一充電走行距離

電気自動車(EV)も電費を抑えて運転すれば、自動車メーカーが公表している満充電時の走行可能距離を目指すことが可能です。そこで、国産の主な電気自動車(EV)の一充電走行距離をそれぞれ諸元表(2025年2月時点)に基づいて紹介します。

国産の主要車種 満充電時の走行可能距離(km)
※充電「100→0%」まで走行した場合
スバル ソルテラ 487~567
トヨタbZ4X 487〜567
日産アリア(B6型/B9型) 460〜470/560〜640
日産サクラ 180
日産リーフ 322〜450
マツダMX-30 EV 256
三菱ekクロスEV 180
レクサスRZ(450e・300e) 494〜534/530〜599
レクサスUX300e 512

【まとめ】電気自動車(EV)は賢く乗りこなす

電気自動車(EV)は気温の変化や路面状況、そしてドライバーの運転の仕方次第で電費が変化します。そのため、電費を抑えるにはスマートフォンのアプリを利用してエアコンを事前に作動させて車内温度を管理したり、標高差の少ないルートを設定したり、また走行時には急発進・急加速といった負荷のかかる運転をしないことが大切です。

また、電気自動車(EV)を賢く乗りこなすためには、外充電をできるだけ控え、おうち充電することもポイントです。電気自動車(EV)は自宅に充電設備を設置すれば、おうちで充電できるのでガソリンスタンドへ行かずに済むというメリットがあります。しかも夜間の電気代が安い時間帯に充電すれば、コストを抑えられます。

近年、燃料代が高騰を続けている中、電気代はガソリン代ほど大きく変動していません。そのため、「おうちEV充電サービス」のアプリなどを利用して電気自動車(EV)の充電環境も上手に管理すれば、ランニングコストを抑えることが可能です。

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