納入事例(ライトアップ演出)|浅草寺・五重塔
浮かび上がる厳かな伝統美。
美しい朱色や日本の伝統美を再現するやさしい和のあかり。
東京都台東区にある都内最古のお寺「浅草寺」。観世音菩薩を本尊とすることから「浅草観音」とも呼ばれ、年間約3000万人もの参拝者が訪れる。国際都市・東京の観光スポットとしても有名であり、海外からの観光客も多いお寺である。浅草寺に初めて塔が建立されたのは942年に遡る。
その後、倒壊・焼失を重ねたがその都度再建されてきた。1648年には徳川家光が五重塔を再建。以来、江戸・浅草のランドマークとなった。現在の五重塔は、高さ約48mの鉄骨・鉄筋コンクリート造りで、1973年に再建。築40年以上を経て外部改修工事が行われることになった。
夜間のライトアップは、江戸開府四百年記念事業として2003年から本堂・五重塔・宝蔵門・雷門で始められていたが、今回の改修工事に合わせて演出照明設備のリニューアルも行われることになった。新たな照明演出には、独自のLED光学設計により色ムラのない照射面を実現した「ダイナシューター」の調色タイプも採用されている。美しい朱色や日本の伝統的なディティールを再現するため、色温度調整はもちろん、灯体の色や配置なども観る側の視点から細やかな配慮が施された。
改修を終えて久しぶりにその姿を現した2017年の暮れ。日没とともに新しいあかりが灯り、朱も鮮やかな五重塔が浮かび上がった。あかりが放たれた瞬間、参拝者で賑わう昼間とは異なる空間へ移動したかのように、荘厳な世界が静かな境内に広がった。日本の伝統美が、現代の先進技術によって引き立てられ、後世へとつながっていく瞬間でもあった。
所 在 地 | 東京都台東区 |
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施 主 | 浅草寺 |
照明デザイン | 株式会社石井幹子デザイン事務所 |
使用器具 | 相輸・軒裏角/ ダイナシューター 超狭角7°タイプ(調色)×5台 1階軒裏/ LED投光器 1000形 広角 3000K×4台 2階~5階軒裏/ LEDスポットライト 350形 広角 3000K×48台 |
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LED化照明監修 | 東京国立博物館 木下史青 |
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電気工事 | パナソニック ESエンジニアリング株式会社 |
リニューアル | 2017年12月 |