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水中照明

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水中照明の特長

水面に入射した光の一部は反射しますが、大部分は水中へ入ります。この時、水中の懸濁粒子や水自身による散乱・吸収などによって入射光が影響を受けます。

入射平行光束Foが水中で距離Lだけ透過した時、懸濁粒子や水自身による散乱・吸収によってその光束がFとなった場合の関係は次式で表されます。

F/Fo=e-cL

c=a+b
但し、

c:消散係数
a:吸収係数
b:全散乱係数

この消散係数は波長によって異なりますが、非常に透明な海水の消散係数は0.03m-1~0.1m-1程度であり、蒸留水と同程度であると言われています。しかし、沿岸部の汚れた海水では消散係数は0.4m-1程度となり、海中での光の透過特性は非常に悪くなります。

なお、透明な湖の波長毎の消散係数を求めた例を表1に示します。

表1:下方向放射照度についての消散係数c〔Tyler and Smith, 1970〕

波長 c 波長 c
362 0.038 532 0.0573
367 0.033 537 0.0597
371 0.028 542 0.0638
376 0.0238 547 0.0679
381 0.0216 552 0.0717
386 0.0202 557 0.0733
391 0.190 561 0.0778
396 0.0180 566 0.0819
401 0.0172 571 0.0916
406 0.0166 576 0.1037
411 0.0162 581 0.1226
416 0.0159 586 0.1450
420 0.0158 591 0.1833
425 0.0158 596 0.223
430 0.0159 601 0.272
435 0.0162 605 0.282
440 0.0169 610 0.291
445 0.0183 615 0.301
450 0.0201 620 0.308
455 0.0212 624 0.317
459 0.0218 629 0.322
464 0.0225 634 0.329
469 0.0233 639 0.338
474 0.0241 644 0.354
479 0.0249 649 0.373
484 0.0259 654 0.401
488 0.0276 658 0.422
493 0.0292 663 0.430
498 0.0324 668 0.437
503 0.0366 673 0.445
508 0.0438 678 0.452
513 0.0489 683 0.477
518 0.0507 687 0.500
523 0.0520 692 0.533
527 0.0541 697 0.565

人工照明による水中照度

人工照明(点光源)で水中を照明する場合、光の消散(吸収・散乱)と共に、光源からの距離Lの2乗で照度が減衰します。

従って、水中で被照面の法線照度Eは次のようになります。さらに、『水中の物を見る』ことを考えた場合には、被照面からの反射光に対する水の消散も考慮しなければなりません。

E=l・e-cL/Lの2乗

但し、I:照明器具の被照面方向の光度(cd)

なお、水中での照度計算を正確に行うためには、各波長ごとの消散係数と光源の分光分布を考慮して計算しなければなりません。

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