「きょう」の架け橋として水都大阪をイメージする駅へ全面リニューアル

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JR西日本 大阪環状線 京橋駅

柵外

コンコース:水都大阪を流れる橋をモチーフとした建築意匠を、水面をイメージした照明で演出

JR京橋駅は大阪環状線と東西線・学研都市線が立体交差する駅である。また、京阪京橋駅と隣接し、地下鉄長堀鶴見緑地線への乗換駅ともなっている。乗降人数がJR西日本の上位を占めるターミナル駅でありながら、老朽化や錯綜する旅客動線、エレベーター乗換の多数必要なバリアフリー経路や、主動線から外れた店舗配置などにより、お客様にご不便をおかけしている状況にあった。そこでJR西日本は、京橋駅を大阪「ヒガシ」の玄関口として位置づけ、これらの課題を一掃し、安全で快適な駅空間を創造するとともに、京橋駅のみならず大阪環状線全体のイメージ刷新を図った。
駅を境に東西で街の雰囲気が全く異なることから、東西のコンコースを「京橋(きょうばし)」の「2つの『きょう』の架け橋」とし、調光システムで朝と夕方の色温度を変えることによって、朝はスタイリッシュな東口ビジネス街への出発(今日)、夕方は人情味あふれる西口商店街への誘導(興)を演出。天井面は橋に映る水面をイメージし、まぶしさを抑えやさしい印象を与えるSmartArchiのソフトライトの調光調色タイプをランダムに配置し、水面のゆらぎときらめきを表現した。自動改札上部は「さざ波ゲート」と呼び、波を模したR型の光天井を設け、やわらかな光の下をくぐり抜ける演出とした。

ライトマネージャーFxで朝5000K→昼4000K→夕3500K→夜3000Kの自動運転としている。

■柵外柵内照度分布図

※断面図と詳細図をクリックいただくと別ウィンドウで拡大表示されます。

■北口柵外コンコース:実物大のモックアップで検証

採用照明器具

柵内

満足度の低かった空間を憩いの場へとリニューアル

柵内の天井にはSmartArchiのフロートライトのラインタイプを採用。すっきりとした2本のラインでまぶしさを抑えつつ照度を確保。
エスカレーターはSmartArchiのブラケットを採用。壁面への間接光による美しい光で照らしている。

BEFORE

AFTER

  • プラットホームには特注品のホーム用LEDベースライトをご採用。

  • 環状線外回りホームからアクセスできる展望デッキ。シンボルツリーを設け、アッパーライトとフットライトで照射。

  • 北口旅客トイレをリニューアル。トイレ前にはベンチを設け、間接照明で足元を心地よく照射。壁面は凹凸と照明による陰影で水面をはねる波紋をイメージ。ルーバー天井からまぶしさを抑えながらダウンライトで床面を照射。

  • 旅客トイレのパウダーコーナは鏡内に照明を仕込み、環状線を模したくり抜きを行って乳白パネルを入れ、後ろから照明を当てている。天井のダウンライトはお化粧直しがしやすい、美光色を採用。

  • モックアップにて確認
     

採用照明器具

ファサード

円形ガラスとライン照明で、大阪の街と京橋駅の周囲を走る路線を表現

西口ファサードの中央部には、水運で栄えた大阪をイメージした円形ガラスを設置。その周囲を走る大阪環状線、水平に走る東西線・学研都市線をライン照明で表現し、結節点は京橋駅の位置を示している。また、下部のライン照明は陸運で栄えた京街道をイメージし、陸運⇒水運⇒鉄道へと遷り行く京橋を表現。

採用照明器具

東口ファサードは、人情味や温かみのある駅を、色温度を低くして表現。

物件情報

所在地 大阪市都島区
施主 西日本旅客鉄道株式会社
設計 ジェイアール西日本コンサルタンツ株式会社
施工 建築:大鉄工業株式会社/電気:西日本電気システム株式会社
竣工 2022年3月

JR西日本で乗降人数が上位を占めるターミナル駅でありながら、老朽化や錯綜する旅客動線、エレベーター乗り換えの多数必要なバリアフリー経路や、主動線から外れた店舗配置などにより、お客様にご不便をおかけしている状況にあった京橋駅を5年の歳月をかけて全面リニューアル。これらの課題を一掃し、安全で快適な駅空間を創造するとともに、京橋駅のみならず大阪環状線全体のイメージを刷新。駅を境に東西で異なる街の雰囲気を、西口は都会的でスタイリッシュな空間、東口は人情味あふれる温かみのある空間に、様々な照明手法を用いて演出した。

採用照明器具

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