古都・奈良の県庁本庁舎にWell-Beingなオフィスが誕生

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奈良県庁 本庁舎

奈良県では2022年より、働き方改革の一環として、オフィス環境の改善を目指し、庁舎でのWell-Beingの取り組みを開始。課題であった、組織を越えたコミュニケーションの円滑化や、職員の柔軟で自由な発想の創出を目指し、日常業務を行う1階執務室と、多目的に利用できる地下1階オープンスペースのリニューアルを行った。
このWell-Beingの思想を取り入れたオフィスは、職員はもとより入庁志望のインターン生からも「役所のイメージが変わった」「こんな空間で働きたい」と絶賛。今後もWell-Beingの考えに基づいた庁舎全体をリニューアルを計画している。

1F 執務室

官公庁の堅いイメージを変えるため、無機質だったオフィスの照明を一新

1階の執務室は、従来のオフィスのイメージを変えるために、奈良県産の木材を活用したルーバー天井が採用されている。
整然と並んだデスク、均一に明るい照明、部署ごとに仕切られた閉鎖的な空間といった、典型的な従来型オフィスを見直し刷新。執務内容を精査し、朝・昼・夕方の時間帯によって変わる、働く人の心情までを考慮し、什器やインテリア、ライティングのすべてを見直すことで新たなオフィスモデルを構築した。

メリハリ照明の採用で、リラックス感と集中を両立できるオフィス環境を実現

1階の執務室はフリーアドレスとし、その時々の仕事の内容によって最もフィットする環境の中で働くことができるよう、複数のスペースを用意。照明手法は、あかりの強弱をつけて必要な部分を必要な分だけ照らす「メリハリ照明」を採用。明るさの中心を机上面とすることで没入感を演出し、集中しやすい空間を創出し、Well-Beingの実現を目指した。同時に、机の周辺の明るさを抑えることで消費電力の削減も実現した。

メリハリ照明とは?

必要な部分を必要な分だけ照らすことで、「省エネ」×「快適」を両立する オフィス照明の手法です。

詳しくはこちら >
メリハリ照明のイメージ画像
ポイント1:まず、全体照明(300lx)で部屋全体を程よく明るくします。ポイント2:作業面(机の上)は十分に明るくなるよう、作業照明(750lx)を追加します。

メリハリ照明の指標「メリハリ値」

光のメリハリ感は
「メリハリ値」という指標で定量的に表現できます。

メリハリ値(照度比)=

作業面照度※1(机の明るさ)

全般照度※2(部屋全体の明るさ)

※1: 全般照明に作業照明を加えた時の、作業面の平均照度
※2: 作業照明がない状態(全般照明のみの状態)での、    エリア全体の平均照度

■メリハリ値の活用によるシーン演出

ひとつの空間を、目的に応じてメリハリ値を変えることで、そのシーンに最もふさわしい光環境で多用途に使用することが可能に。

メリハリ度2(5:3), 100%点灯

日中はさわやかなあかりで気持ちよく作業がはかどる空間に

メリハリ度2(2:1), 70%点灯

集まって会議や打ち合わせする時など、議論が活発化する空間に

メリハリ度3(5:2), 30%点灯

照度を落として落ち着いた空間を演出し、リラックス感を出したい時に

メリハリ度4(4:1), 5%点灯

集中しやすく没入感のある照明で、個人が集中して作業する時間帯に

メリハリ値
5:3

メリハリ値
2:1

メリハリ値
5:2

メリハリ値
4:1

ベース照明には、天井ルーバー下に建築化照明器具
「C-Slim S」の調光タイプを取付け、
全点灯時はオフィスに必要とされる750 lxを確保。

配光角調整型「TOLSO BeAm Free」
スポットライトを机の位置に合わせて配置し、
机の大きさに合わせた配光角に設定。

会議室

プロジェクターの投影時は、スクリーン画面の周辺を暗くし、デスク上をスポットライトで照射し明るさを確保することで、画面も手元資料も見やすく配慮。

カウンター

一人作業はもちろん、同僚とコミュニケーションを取りたい時などにも活用できる場となるよう、ペンダントを使用し、カフェのように演出することで、リラックス感のある空間を醸成。

個室ブース

囲われたパーソナル空間で、一人で集中して作業を行いたい時に利用されるスペース。パーティションで空間を仕切るだけでなく、スポットライトで手元にあかりを集めることで、没入感を演出し、より集中しやすい空間を実現。

コミュニケーションスペース

打ち合わせから雑談まで、気軽にコミュニケーションがとれるスペース。カジュアルなデザインのペンダントを採用し、空間をやわらかく照らして、会話がしやすい雰囲気を演出。

採用照明器具

地下1F オープンスペース

照明に音楽をプラスすることで、働く人にとってリラックス感のある環境に

地下一階にあった機械室兼書類保管庫を、職員が自由に多目的利用が可能なオープンスペースに改装。地下のため窓がなく、外光が差し込まないことから、一体型ベースライトsBシリーズで地明かりを取りながら、働く人にとってリラックス感のある環境となるよう、TOLSOスポットライトで雰囲気よく照射。さらにスポットライト型のワイヤレススピーカーを採用し、天井から音が降り注ぐ演出で、よりリラックス感を高めている。分電盤をグリーンのシートで化粧するなど細部にまでこだわった空間で、内装とライティング、音が一体となり、従来の役所にはないWell-Beingなオフィス空間を実現している。職員からも「お洒落な雰囲気のオフィスで、前向きな気持ちで仕事ができる」との声が上がっている。

一体型ベースライトsBシリーズ点灯時

地明かりとなる一体型ベースライトsBシリーズは白色を、机上面や柱、壁面などを照射するTOLSOスポットライトは温白色を採用。ほどよいバランスで色温度をミックスすることで、明るさを確保しながらも落ち着いた雰囲気に。

一体型ベースライトsBシリーズ消灯時

一体型ベースライトsBシリーズを消灯し、温白色のTOLSOスポットライトのみを点灯した状態。暗すぎずほどよい明るさで、落ち着いた雰囲気を演出。よりリラックス感のある空間で過ごしたい時に。

左がワイヤレススピーカー。
スポットライトと同様に
ダクトレールに取付けできる。
空間を音で包み込むように
天井から音が降り注ぐ。

採用照明器具

物件情報

所在地 奈良県奈良市
施主 奈良県
設計 中村建築事務所
施工 株式会社中尾組(藤原電気工業)
竣工 2023年11月

採用照明器具

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