地域の工務店が高性能賃貸住宅プロジェクトを始動。
賃貸でも快適な暮らしを提供し、街の未来を変えたい
小泉木材株式会社様[神奈川県 横浜市]
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小泉木材株式会社
代表取締役
小泉 武彦 様 -
Kizuki 小泉木材株式会社
詳しくはこちら
https://kizuki-home.co.jp/
来年創業80年を迎える小泉木材株式会社様は、住宅価格の高騰を背景に高性能賃貸住宅プロジェクトを開始。
「快適な賃貸住宅が街を変える」と、家づくりのみならず地域の街づくりに貢献されています。
真冬でも暖房がいらない高性能で快適な賃貸住宅
昭和21年創業、新築戸建住宅の設計・施工を中心に、4法人9事業を展開される小泉木材株式会社様。
同社は2025年1月、高性能賃貸住宅プロジェクト第1弾である「Kizuki Terrace house(キズキ・テラスハウス)桜台」を横浜市青葉区に竣工されました。代表取締役の小泉様は高性能賃貸住宅の企画に至った経緯を次のように説明されます。「近年、資材や運搬費、人件費が高騰し、横浜市内では住宅価格が40%以上アップしました。当社は住まいを通じて豊かな暮らしを人々に提供したいと事業を展開してきましたが、これでは中間層の方々には高性能注文住宅に手が届きません。そこで、高性能の住宅を『所有』ではなく、『借りる』という選択肢をご提供するのも地域の工務店の責務と考え、プロジェクトを立ち上げました」。
「Kizuki Terrace house桜台」は、丹沢山系や富士山を望む、桜の名所の公園に程近い好立地にあり、メゾネットタイプ2LDK2戸で構成される木造2階建て。UA値は0.21W/㎡・Kで、断熱等級7という国内最高等級の断熱性能であり、C値は0.2㎠/㎡という、非常に高い気密性能を誇ります。南側1階・2階の大開口にはドイツ製の高性能断熱サッシとフランス製のトリプルガラスを採用して陽射しをたっぷりと採り入れ、真冬でも室内温度が22~23℃までしか下がらず暖房が不要なほど。「冬でも半袖でちょうどよいくらい暖かい家」と小泉様はおっしゃいます。
「自宅の窓から美しい景色を望むことや、『美しいたたずまいのある』街に住むことは、ここで育つこどもたちの心の豊かさに直結します。3.7kWの太陽光発電を各戸に載せており、再エネを利用できるようにしたのも、月々の電気代1~2万円が浮く分をこどもへの投資に使ってもらいたいとの思いからです」。
高性能賃貸住宅をつくることで街の未来を変えたい
同社では入居者を子育て世代に絞り、月家賃22万円に設定。長い目で見たときに、近辺で新築戸建住宅を建てた場合の月々の住宅ローン返済額よりも割安になるよう設定されています。「小学校が隣接しており、ここに住む家族のこどもだけでなく、地域のこどもたちにとってもこの家が原風景になれば、将来大人になった時に同じような高性能住宅を建てようとするでしょう。この住環境が『高性能』ではなく『標準』となるような、100年後の街の未来を変える第一歩になりたいという思いで建てました」。
設計を手掛けた同社の安藤様も「高性能というだけではなく、心が豊かになれる、生活に豊かさが生まれる、情緒がはぐくまれる、そのような住宅を目指した」とおっしゃいます。入居された方からも「生活に潤いができました!」とのお声をいただいているそうです。
導入されているパナソニック製品は、エコキュート、エアコン、ドアホン、AiSEG2、スマートコスモなど。いずれも同社で長く採用されている商品であり、「パナソニックには安心感がある」とおっしゃいます。現在、横浜市都筑区にプロジェクト第2弾を建設中で、こちらには前述のパナソニック製品に加え、LED照明も採用される予定です。
電気工事での貫通部が住宅の性能や寿命を左右することも
同社では電気工事業も手掛けられ、自社で電気工事を行うことで、高気密高断熱住宅での施工ノウハウを蓄積されています。そこで常に気を配られているのが、建物内外の貫通部の穴の処理です。「貫通部の施工が丁寧でないと気密性が保てないだけでなく、結露や家の耐久性にも影響します。建物の高性能化に伴って設計レベルは上がっていますが、現場レベルはまだまだ勉強すべきところが多いと感じます。また、断熱性・気密性が高くなると、従来の部屋の畳数にあわせたエアコンの選択方法ではオーバースペックになります。メーカー、代理店、電気工事会社は、そのあたりの知識もアップデートしていただきたいですね」とお話しくださいました。
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