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合成樹脂管 の
意味・解説・呼称など
COMMENTARY
職人用語
エンビのパイプ、ビーパイ など
合成樹脂管とは?
【英語名】
VE管：Vinyl Electric（ビニールエレクトリック）
CD管：Combined Duct（コンバインドダクト）
PF管：Plastic Flexible conduit（プラスチックフレキシブルコンデュート）
合成樹脂管は、主に電線の保護資材として用いられる電線管である。
合成樹脂管には、可とう性を持つ電線管と、可とう性を持たない電線管とがある。
通常、合成樹脂管という場合は、可とう性のない「VE管」を指す。
また、塩化ビニルを主材に製造されていることから、エンビのパイプ、ビーパイと呼ばれることもある。
合成樹脂管は、電線管の種類の特性に合わせて屋内外の施工現場で使用できる。
また、電気的絶縁性にも優れており、耐水性、耐油性があるため腐食に対する耐性も高い。
ただし、デメリットとして機械的な強度には弱い点が挙げられる。
その点は金属製の電線管に劣るため、注意が必要である。
合成樹脂管の仕組み・使い方
【施工方法】
合成樹脂管のうち可とう性のないVE管に関しては、熱加工によって電線管を屈曲させることが可能である。
可とう性のあるCD管、PF管に関しては、電線管自体が蛇腹構造となっているため、熱を加える必要はなく、手で容易に曲げることができる。
また、可とう性の有無に関わらずどちらの合成樹脂管にも共通しているのは、コネクタを使用する点である。
アウトレットボックスへの接続時や、電線管の延長時には、適応したコネクタを使用することで施工が可能となる。
VE管に関しては相互接続をする際に、TSコネクタという部材を使用する。
接着剤の有無によって差し込み深さが異なり、接着剤ありでは差し込み深さが管外径の0.8倍以上、接着剤なしでは差し込み深さが管外径の1.2倍以上と規定されている。
合成樹脂管の仕様・スペック
【サイズ】
・VE管：全長2～4m、外径14～114mm程度
・PF管：全長30～50m、外径23～36.5mm程度
【材質】
硬質塩化ビニル、難燃ポリエチレンなど。
【種類】
合成樹脂管には、主に以下の4種類がある。
・VE管（硬質ビニル電線管）
硬質ビニルで製造された電線管で、屋外の露出電線管として利用されている。
熱加工で容易に屈曲できるので、施設現場の状況に合わせた施工が可能。
・HIVE管（耐衝撃性硬質ビニル管）
VE管よりも耐衝撃性能を高めた電線管。
・PF管（合成樹脂可とう電線管）
隠ぺいする場所の電線管やコンクリート埋設など、大抵の場所での施工が可能な可とう性のある電線管。
PF管は2種類に分けられ、屋内ではPFS管、屋外ではPFD管といった使い分けが一般的である。
・CD管（合成樹脂可とう電線管）
他の合成樹脂管がグレーやベージュ色であるのに対して、オレンジ色であることが特徴。
PF管と比べて外径が細い。PF管に比べて価格が安いが、自己消化性がなく耐候性もないため、コンクリート内での埋設配管や電線の保護管として使用される。
合成樹脂管の仕組み・特徴
【仕組み】
合成樹脂管は熱加工接続、もしくはコネクタ接続をすることで、アウトレットボックスにつないだり延長したりすることができる。
その仕組みは至ってシンプルであり、電気工事の現場では欠かせない配管部材である。
金属製の電線管と比べて強度面には劣るという点を考慮して、適材適所での使用が求められる。
また、可とう性のある合成樹脂管のうち、PF管には自己消化性があるが、CD管には自己消化性が備わっていない。
自己消化性とは、電線管を燃焼させた後に、一定時間内に消化する特性を指す言葉である。
CD管をオレンジ色に着色することで識別性を高め、間違えて施工しないようにされている。
これらの電線管を使用した施工を実施する際には、基本的に電気工事士などの資格が必要である。
合成樹脂管の廃棄方法
・自治体の回収ルールに従って廃棄する
各自治体で規定されている回収ルールに従い、合成樹脂管を廃棄することが可能である。
ただし、工場や施工現場などの事業者が排出する廃棄物は一般ごみではなく、産業廃棄物として処分しなければならない規定があるため、注意しなければならない。
・産業廃棄物として廃棄する
産業廃棄物処理業の許可が下りている業者に対して、合成樹脂管の廃棄を依頼する方法もある。
処分の際は基本的に費用がかかる点に注意が必要である。
・リサイクル業者に依頼して廃棄する
リサイクル業者に依頼して、合成樹脂管を廃棄処分することも可能である。
産業廃棄物やリサイクル業者に依頼する際には、合成樹脂管に含まれる塩素濃度が高いという理由から、まれに取り扱いができない場合もあるので事前に確認しておくと良い。
