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遮断器 の
意味・解説・呼称など
COMMENTARY
職人用語
ブレーカー など
遮断器とは?
【英語名】
Breaker(ブレーカー)
Circuit breaker(サーキット ブレーカー)
遮断器は、回路に過電流が流れた際に自動的に回路を遮断する装置である。
過電流を検出する過電流遮断器・配線用遮断器と漏電を検出する漏電遮断器とがあり、これらは似ているため、区別がつかない人も少なくない。
大きな違いは、漏電動作確認を行うテストボタンがついているか否かである。
過電流遮断器や配線用遮断器には漏電動作確認ボタンはついておらず、漏電遮断器にはついている。
遮断器の仕組み・使い方
【使い方】
事故を防ぐための遮断器だが、場面や場所によって使用する遮断器のタイプや型式が異なる。
定格感度電流や動作時間、遮断する電流などに分類することができるため、その場面と状況にあった遮断器を選定しなければならない。
最も身近なのは家庭にある遮断器(安全ブレーカー)であり、電子レンジやエアコン、炊飯器など電化製品の使い過ぎで一時的に過電流になった際に「ブレーカーが落ちた」といわれるブレーカーである。
家庭用の遮断器が落ちる原因は、このように電気の使い過ぎが原因である場合がほとんどである。
復旧方法は、電化製品の電源を抜いてブレーカーをONにし、その後必要な電化製品だけ電源を入れる。
【施工方法】
遮断器を設置する場合は、電力会社の電気引き込み工事が必要である。
一般家庭であれば、電力会社との契約は入居時にすでに完了しているのがほとんどとなる。
ただし、建設工事の場合は新たに申請が必要である。
なお、遮断器の設置や交換は電気工事士の資格がないとできない。
遮断器の仕様・スペック
【規格(スペック)】
大手通販サイトや電材屋、ホームセンターなどで購入することができる。
【重量】
使用用途によりバラバラである。
【サイズ】
小型のものもあれば、大型のものもある。
【種類】
遮断器は主に以下の種類がある。
・油入遮断器(OCB)
油が入ったタンク内に設置してある遮断器。
遮断時に発生するアークにより、油が水素ガスに分解され冷却により消弧する。
・真空遮断器(VCB)
真空状態に保たれた容器内に設置してある遮断器。
遮断時に発生するアークの金属蒸気を拡散して消弧する。
・ガス遮断器(GCB)
SF6ガス(絶縁や消弧性能が高いガス)が充填されている容器内に設置してある遮断器。
遮断時に発生するアークにSF6ガスを吹き付けて消弧する。
・磁器遮断器(MBB)
磁器が発生する鉄心やコイルに囲まれた遮断器。
コイルで発生させた磁界で遮断器のアークを消弧室に押し込み、障壁によって冷却・裁断消弧する。
・空気遮断器(ABB)
圧縮空気が噴出するノズルの前に設置してある遮断器。
遮断器に発生するアークに圧縮した空気を吹き付け、圧縮した空気の絶縁耐力を利用して消弧する。
・気中遮断器(ACB)
空気中に設置してある遮断器。
遮断電流で作られる磁界により消弧室にアークを押し込む。障壁によって冷却・裁断、消弧する(交流600V・直流500V以下の低圧で使用)。
・配線用遮断器(MCCB)
交流600V・直流500V以下の低圧で使用される遮断器。
消弧室内の障壁によって冷却・裁断、消弧する。
・漏電遮断器(ELB)
配線用遮断器に地絡検出機能を組み込んだ遮断器。漏電が発生した時に遮断する。
遮断器の仕組み・特徴
【特徴】
遮断器によって電流を断つことを遮断という。また、遮断するために電極を開放する動作を引き外しという。
電力回路の電流は大きいため、遮断しようとしても電極間にはアーク放電が発生してしまう。アーク放電を素早く消滅(消弧)させることが遮断器の役割である。消弧方式は多種多様となっている。
遮断器の廃棄方法
事業者として排出する場合は、産業廃棄物の処理を行う。
遮断器のうち、まだ使用できるものは買い取りに出すこともできる。