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合成樹脂製可とう電線管 の
意味・解説・呼称など
COMMENTARY
職人用語
CD管、PF管 など
合成樹脂製可とう電線管とは?
合成樹脂製可とう電線管は電線管の1種であり、電力ケーブル(CVケーブル、VVRケーブルなど)や通信ケーブル(光ケーブル、LANケーブルなど)の保護管として用いられることが多い。
可とう性(柔軟で、ある程度自由に折り曲げもできる性質)があり、施工しやすい。
多用途であり、コンクリート打込用や埋設用など多くの場面で使用できる。
合成樹脂製可とう電線管の中には、PF管とCD管の区分けがある。
PF管は耐燃性(自己消火性あり)であり、CD管は非耐燃性(自己消火性なし)である。
自己消火性とは、火に触れている間は燃え、火から離れると自然に消火する性質のことである。
合成樹脂製可とう電線管のほかにに合成樹脂製電線管(VE管)もあり、これらをすべて含め、合成樹脂管という。
なお、VE管には可とう性はなく、曲げる場合はトーチランプを使用する。
トーチランプの火でVE管をあぶると、あぶったところが可とう性を持ち、曲げやすくなる。
PF管と VE管とを組み合わせて使用することで、施工効率向上にもつながる。
合成樹脂製可とう電線管の仕組み・使い方
【使い方】
ケーブルラックや壁面、H鋼やC鋼など、さまざまなところの隠ぺい配管や露出配管に適している。
曲げやすく軽量のため、手で自在に曲げることが可能。カッターナイフや電工ナイフがあれば簡単に切断できる。
コイル巻形状でコンパクトなため、持ち運びもしやすい。
サイズにもよるが、1巻5kg程度の重量なので、大量に運搬する際もそれほど負担にならない。
【施工方法】
施工場所により施工方法が異なる。
・ケーブルラックへ配管する場合は、合成樹脂製可とう電線管をケーブルラック上に配管し、結束バンドなどで固定する。
・壁面へ配管する場合は、壁の材質にもよるがアンカーボルトで電線管を支持する。
電気設備技術基準・解釈の第158条3三では「管の支持点間の距離は1.5m以下とし、かつ、その支持点は、管端、管とボックスとの接続点及び管相互の接続点のそれぞれの近くの箇所に設けること」とされている。
合成樹脂製可とう電線管同士の接続や鋼製電線管との異種管接続、プルボックスへの接続など、施工用途は多い。
合成樹脂製可とう電線管の仕様・スペック
【規格(スペック)】
PF管はクリーム系やグレー系など多種の色があり、サイズも豊富である。
金属電線管(薄鋼電線管や厚鋼電線管)ほどの機械的強度はないものの、屋外でも使用できるほど十分な強度や耐候性および耐久性や耐衝撃性がある。
一方、自己消化性も耐候性もないCD管は、PF管との誤認を防ぐためオレンジ色など派手な色合いとなっている。
【種類】
PF管は、単層構造の「PFS」と複層構造の「PFD」に分類でき、直射日光に長時間さらされるといった過酷な環境ではPFDの使用が望ましい。
このほか、埋設施工に適した(JIS C3653)強度の高いFEP管(波付硬質合成樹脂管)もある。
このように、合成樹脂製可とう電線管には多くの種類があり、さまざまな施工現場に対応している。
また、扱いやすくケーブルの保護に最適な配管といえる。
種類としては、主に下記のような階層分けとなる。
<合成樹脂管>
・合成樹脂製可とう電線管
PF管(自己消火性あり)
CD管(自己消火性なし)
FEP管(衝撃や圧力に強い・難燃タイプあり)
・合成樹脂製電線管
VE管(接地工事不要・腐食および酸化しない)
合成樹脂製可とう電線管を購入できる場所は、電材業者やホームセンター、大手通販サイトなど、多く存在する。
合成樹脂製可とう電線管の仕組み・特徴
【特徴】
硬質ポリエチレンの波付管の表面に軟質塩化ビニル被覆がある可とう電線管。
コンクリート打込で使用する場合は自己消火性がないCD管が適しており、自己消火性があるPF管は、屋内外問わずさまざまなところに適している。
合成樹脂製可とう電線管の廃棄方法
事業者として排出する場合は、廃プラスチック類として産業廃棄物処理となる。
(処理にあたっては費用が発生する。)
個人で使用した場合は、合成樹脂製可とう電線管の長さや数量にもよるため、処分方法を各市町村に確認する。