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カバー付ナイフスイッチ の
意味・解説・呼称など
COMMENTARY
職人用語
CKS、ナイフスイッチ など
カバー付ナイフスイッチとは?
【英語名】
Covered Knife Switch(カバードナイフスイッチ、略称CKS)
カバー付ナイフスイッチとは、主に屋内配線に用いられる配線用遮断器のこと。感電事故防止のため、充電部が筐体内に収納されている仕様が一般的である。
また、通常のナイフスイッチは事故電流への対応ができないが、カバー付ナイフスイッチは電路保護を目的として電力ヒューズを内蔵している点も特徴の一つ。ヒューズは過電流で焼き切れ、物理的に遮断される装置であり、焼き切れたら交換が可能。
カバー付ナイフスイッチは、1951年に日東工業株式会社がヒューズとナイフスイッチを一体化させ、充電部を絶縁筐体に収めた配線用遮断器の製造・発売を開始したのが始まり。それ以来、日本国内で広く普及した。しかし、現在では配線用遮断器(ブレーカー)の需要が高まり、置き換え工事をする施設もある。
カバー付ナイフスイッチの仕組み・使い方
【施工方法】
分電盤にカバー付ナイフスイッチをねじ止め固定をした上で、配線工事を実施する。
その際、カバー付ナイフスイッチの取付方向は、上方向を電源側(1次側)、下方向が負荷側(2次側)の取付となるよう注意が必要。
理由は、自重や振動によってスイッチが勝手にON状態とならないよう配慮するためである。
カバー付ナイフスイッチへの配線取付は、電線直締用のナイフスイッチや圧着端子用のナイフスイッチなど、それぞれの仕様に合わせて、工具での締め込みを行う。
その際、1次側の電源供給を事前に遮断しておくことが必須。
また、単相3線式で使用する場合は、中性相の箇所にヒューズを使用することは厳禁。
理由としては、何らかの要因でヒューズが切れた場合、欠相事故へと発展して、回路接続されている電子機器を損傷させる可能性があるためである。
中性相には、溶断しない導体を使用すると良い。
カバー付ナイフスイッチの仕様・スペック
【サイズ】
・電線直締用の2P仕様:高さ120~220mm、幅40~71mm、奥行44.5~83mm(レバーを閉状態)
・電線直締用の3P仕様:高さ120~220mm、幅60~106mm、奥行44.5~83mm(レバーを閉状態)
適合電線の許容電流容量によって、サイズが変動する。
【材質】
銅合金
【種類】
・カバー付ナイフスイッチ(電線直締用)
定格電圧:250V
端子構造:電線直締形
付属品:銅つめ付鉛ヒューズ15〜60A、低温ヒューズ100A
・カバー付ナイフスイッチ(圧着端子用)
定格電圧:250V
端子構造:圧着端子形
付属品:低温ヒューズ、木ねじ(200〜300A)
カバー付ナイフスイッチの仕組み・特徴
【仕組み】
銅合金で作製された刃の形状をした電極を、同じく銅合金で作製された電極(刃受け)へと差し込むことで、導通状態とする仕組み。
刃切開閉器と呼ばれることもある。
実際に使用する場合は、手動でレバー部分を操作することで、回路のON/OFFの切替をすることが可能である。
一般的に、上方向の電源側(1次側)にレバーを倒すとON(閉状態)、下方向の負荷側(2次側)にレバーを倒すとOFF(開状態)となる。
また、短絡事故の防止目的としてヒューズが内蔵されており、過電流によりヒューズが溶断すると電力供給が停止される。
ヒューズを新品に交換しない限り、電路は開放されたまま復旧することはない。
ヒューズ交換に手間がかかるということもあり、現在ではカバー付ナイフスイッチの代わりに、配線用遮断器を使用することが一般的。
カバー付ナイフスイッチの廃棄方法
・産業廃棄物として廃棄する
産業廃棄物処理業の許可が出ている業者に、カバー付ナイフスイッチの廃棄を依頼する。
処分の際は費用がかかるため、注意が必要である。
・電設資材買取センターに買い取ってもらう
電設資材買取センターに買い取ってもらうことが可能である。
専門業者や大手家電メーカーで受付をしているため、連絡してみると良い。
・リサイクルショップで買い取ってもらう
上記の電設資材買取センターと同様、リサイクルショップで買い取ってもらうことも可能である。
注意点として、カバー付ナイフスイッチは高電圧電源の切替器具として使用されているため、交換や取り外しの電気工事の際は、電気工事士の資格保有者が実施しなければならない。