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コンクリートボックスとは?

【英語名】
Concrete box(コンクリートボックス)

コンクリートボックスは、配線工事ボックス類の1つ。
コンクリートのスラブ配管用に作られたもので、コンクリート内に埋め込んで使用する。

電線管の分岐や、長距離の電線管の中継接続、そして電線管内部に入線されている電線やケーブルの接続、分岐用ボックスとしての役割がある。
使用するシーンとしては、照明器具や放送スピーカー、各種感知器などを取り付ける際に用いる。

【類似材料】
コンクリートボックスと混同しやすい類似材料として、アウトレットボックスがある。
電線やケーブル類をボックス内で接続、分岐するという用途は同じである。
大きな違いは、アウトレットボックスはコンクリートへ埋め込むのではなく、天井内や壁に取り付けて使用する点である。

コンクリートボックスの仕組み・使い方

【施工方法】
コンクリートボックスは、RC(鉄筋コンクリート)埋設配管敷設作業において使用する。
RC埋設配管敷設の作業では、電気工事士だけではなく、仮枠大工や鉄筋屋など、異なる職種の人間と協力して作業をすることが前提となる。

施工方法としては、まず合成樹脂製可とう電線管であるCD管やPF管を、組みあがった鉄筋の間に敷設する。
その際、電線管の接続先としてコンクリートボックスも敷設しておく。

その後、コンクリート打設の工程を経て、電線やケーブルを入線し、配線経路を仕上げる。
コンクリートボックスには固定用のツメがあるため、このツメを型枠へ固定してから、コンクリートを流し込んで一体化させる。

また、コンクリートボックスの材質には、樹脂製と鋼製などいくつか種類があるため、施工現場において必要とする強度によって使い分ける。

コンクリートボックスの仕様・スペック

【種類】
1)型で選ぶ
コンクリートボックスには、四角コンクリートボックスと八角コンクリートボックスがある。
電線管の分岐の仕方などによって、型を使い分ける。電気工事の現場では、単に「八角ボックス」や「八角」などと省略して呼ばれることも多い。

2)大きさで選ぶ
メーカーによっては、四角コンクリートボックスを中型と大型の2種類でサイズ展開しているところもある。
代表メーカーの1つであるパナソニックを例にとって確認してみると、中型で外形寸法102mm×102mm、高さ44mm~100mmである。
大型では、外形寸法119mm×119mm、高さ44mm~100mmのサイズ展開である。

3)材質で選ぶ
コンクリートボックスの材質には、鋼板製、鉄製、耐衝撃性樹脂(HI)、耐衝撃性硬質塩化ビニルなどさまざまな種類がある。
施工現場において求められる耐久度によって、コンクリートボックスを使い分けることが可能である。
また、金属製のコンクリートボックスにおいては、電着塗装のものも多い。電着塗装とは、被塗物に対して直流電流を流し、水溶性塗料を密着、形成させる塗装方法である。メリットとしては、塗膜が均一であること、水溶性塗料であるため火災の危険が少ないことなどが挙げられる。

【規格】
コンクリートボックスの規格では、JIS規格の中でJIS C8435、JIS 8340などが適用されている。

コンクリートボックスの仕組み・特徴

【特徴】
一般に、コンクリートボックスはアウトレットボックスと混同されやすい部材とも言われているが、見分ける方法はコンクリートボックスに備わっているツメである。

外枠から飛び出したこのツメがあることで、RC埋設配管敷設作業の際、型枠にコンクリートボックスを固定することが可能となる。

また、配線図記号において、コンクリートボックスとアウトレットボックスは、正四角形で表記される。

コンクリートボックスであるかを見分けるには、ボックスの設置場所がコンクリートの床や壁であるかという点で判断しなければならない。型番を調べて確認することも有効な方法である。

施工時に、塗代(ぬりしろ)カバーと呼ばれる器具を合わせて使用することもある。

塗代カバーを使用した場合、コンクリート打設後も、ボックスの多少の傾きであれば調整することが可能である。

コンクリートボックスの廃棄方法

【廃棄方法】
1)産業廃棄物として廃棄する
電気工事など事業活動で発生したコンクリートボックスは、産業廃棄物として処分しなければならない。
産業廃棄物処理業の許可が下りている業者にコンクリートボックスの廃棄を依頼し、処分を実施する。産業廃棄物として処分する際は費用がかかる。

2)電設資材買い取り業者に買い取ってもらう
未使用の金属製、樹脂製のコンクリートボックスを、電設資材買い取り業者へ依頼して買い取ってもらう方法もある。ただし種類が多いため、材質によって買い取り価格に差が出る可能性が高い。

3)金属資材買い取り業者に買い取ってもらう
未使用の金属製コンクリートボックスを、金属資材買い取り業者へ依頼して買い取ってもらう方法もある。大量のボックスがある場合は、持ち込みではなく出張買い取りサービスを利用できる業者を選ぶと良い。

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