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職人用語

コア、芯線 など

心線とは?

【英語名】
Core wire(コアワイア)

心線は、電線やケーブルの導体部分のこと。
電線やケーブルは、電気の伝導の役割を担っており、電気工事においては欠かせない部材の1つである。

また心線は、コア、芯線と呼ばれることもあり、意味としてはすべて同じである。
ビニル素材の絶縁被覆に覆われており、使用する際は工具を使用して心線を露出させてから使用する。

コネクタ用の圧着ピンで圧着したり、そのままコネクタ挿入口へ差し込んだりと、使い方はさまざまである。
電線やケーブルには許容電流値が定められているため、施工現場で必要とする電流値に合わせて選定しなければならない。

許容電流値に応じて心線の太さは変化し、許容電流値が高いほど心線の断面積は大きく、電気的な抵抗が少ない。
誤った許容電流値の電線やケーブルを選んでしまうと、心線が加熱されて絶縁被覆やシースを溶かして火災につながる恐れがあるため、注意が必要である。

心線の仕組み・使い方

【施工方法】
電線の心線は、1本1本が絶縁被覆と呼ばれるもので保護されている。
ケーブルの場合は、この絶縁被覆に加えて、シースという外皮でさらに覆われている。

心線を使用して、電気工事をするためには、まずこの絶縁被覆やシースを剝く作業が必要である。
なお、ケーブル型式には心線が明記されているが、これは2心であれば心線が2本、10心であれば心線が10本という意味となる。

施工方法として、ケーブルの心線を露出させる方法を例に挙げる。
まずは、複数の絶縁電線を覆っているシースを剥かなければならない。

シースを剥く際は、電工ナイフやケーブルストリッパーなどの工具を使用して、剥きたい長さの箇所に傷を入れて剥く。
どの方法でも共通の注意点は、シースの中にある絶縁電線の被覆に傷が入らないようにすることである。

これは、電線の同士の短絡事故や心線に傷が入ることによる許容電流値の低下を防ぐためであり、剥いた後は必ず目視確認をする。

その後、ケーブルストリッパーを使用して絶縁被覆を剥く。
その際、目安となるのがSQ、AWG表記である。SQやAWGとは、心線の直径や断面積に応じたサイズ表記のことで、電線やケーブルの型式には基本的にこのSQやAWGが記載されている。

AWGとはアメリカンワイヤゲージの略で、UL規格で認定されている電線の規格である。
ケーブルストリッパーには太さに応じて複数のカット位置が設けられているため、適切な位置で絶縁被覆を剥き、心線を露出させる。

なお、圧着ピンや差込形コネクタなど、作業する上での適切な心線長が規定されているので、ケーブルストリッパーを使用する際は、その心線長を目安に剥く。
心線を半田付けする際は、必要な長さよりもやや長めに絶縁被覆を剥き、半田付けしてから必要な長さへカットすると良い。

理由としては、心線を短く剥いた状態のままでは、半田ゴテの熱で絶縁被覆が溶けやすいためである。

心線の仕様・スペック

【種類】
心線の種類としては、主に以下の2点が挙げられる。
1)単線
1本の導体が絶縁被覆で保護されており、曲げた形状を維持しやすいという特徴がある。

2)より線
単線とは異なり、複数の細い導体が絶縁被覆で保護されている。柔軟性が高いことが特徴。

なお、心線には、銅、銅メッキ、アルミニウムなどが多く使用されている。

【規格】
心線で構成される電線の規格としては、日本のSQ(JIS)、アメリカのAWG、ドイツのDINなどがある。

心線の仕組み・特徴

【特徴】
心線を覆う絶縁被覆は、識別標識と呼ばれる色分けを採用している。
この識別標識は、電気工事を行う上で、間違い防止のために大切な目印となる。

配線図を作成する際に、あらかじめ電線の色分けを明確にしておくことで、誤配線による短絡や地絡事故を防ぎ、スムーズな施工を可能とする。

絶縁被覆の色としては、茶赤橙黄緑青紫灰白黒の10色が一般的であり、フラットケーブルと呼ばれる細い絶縁電線が連なったケーブルは、配列がこの配線色と同じ並びのものも多い。

心線の廃棄方法

【廃棄方法】
心線を含む電線やケーブルの廃棄方法は、主に以下となる。

1)産業廃棄物として廃棄する
産業廃棄物処理業の許可が下りている業者に電線やケーブルの廃棄を依頼し、処分する。

2)廃電線処理業者へ依頼して廃棄する
廃電線処理業者へ依頼すれば、導体と被覆材を分離させた上でリサイクルしてくれる。環境保護の観点からも良い方法である。

3)金属買取業者やリサイクルショップで売る
金属買取業者やリサイクルショップへ依頼して買い取ってもらうことも可能である。保管状態の良い未使用の電線やケーブルであれば、高値で取り引きされる傾向が高い。

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