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架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル の
意味・解説・呼称など
COMMENTARY
職人用語
CVケーブル、CV、CVT、CVQ、CVD など
架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブルとは?
【英語名】
Crosslinked polyethylene insulated PVC sheathed cable（クロスリンクドポリエスチレンインシュレイテッドPVCシースケーブル）
架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブルは、屋内外の配線として、広く普及している電力ケーブル。商業施設や住宅、工場、病院、学校など、規模の大小を問わず多くの建築物で使用されている。
電気的特性に優れているという点に加え、長期間使用の耐性、軽量性、耐候性があるため、屋外での露出配線にも対応するといったように高い機能性を持つ。一般的には、CVケーブルという呼称で呼ばれることが多い。
ケーブルの被覆材としては、入手が簡単で絶縁特性に優れている架橋ポリエチレンが使用されている。架橋ポリエチレンはポリエチレンに化学処理を施して分子を網状にしたものであり、耐熱性、耐水性、耐化学薬品性など、優れた性能を持っている。
架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブルの仕組み・使い方
【使い方】
架橋ポリエチレン絶縁ビニールシースケーブルは、受変電設備から制御盤・分電盤までの電力供給を担う幹線設備や、盤から大型機器への電源供給ケーブルに使用されている。
CVケーブルには可とう性があり、その屈曲する機能性が施工時に役立っている。
ただし、電線の太さが250～325sqクラスのCVケーブルになると、外径が太いために屈曲性は悪くなるため注意が必要。
極端な屈曲をしてしまうと、将来的な性能劣化へとつながる可能性がある。
CVケーブルの最小曲げ半径としては、ケーブルが固定された状態で外径の6倍以上を確保する必要がある。
また、CVケーブルを敷設する際は、ケーブルを損傷させないように算出した許容張力を超えないよう注意し、運搬・施工しなければならない。
架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブルの仕様・スペック
【サイズ】
・2心×2sq、600VのCVケーブルで外径10mm
・2心×60sq、600VのCVケーブルで外径29mm
※メーカーにより若干の違いがある。
【材質】
架橋ポリエチレン、ビニル、導体など。
【種類】
・CVケーブル
導体の周囲を絶縁体の架橋ポリエチレンで覆われたケーブル。
心線の本数に対応して、CV-2C（2心）、CV-3C（3心）、CV-4C（4心）と表記される。
・CVDケーブル
CVDケーブルは、2本のCVケーブルをより合わせたケーブル。
・CVTケーブル
CVTケーブルは、3本のCVケーブルをより合わせたケーブル。
工事現場においては、トリプレックスケーブルという名称で呼ばれることもある。
・CVQケーブル
CVQケーブルは、4本のCVケーブルをより合わせたケーブル。
なお、より線の本数が多くなるほど放熱性能は劣るため、CVQケーブルとCVDケーブルでは、サイズが同一であってもCVQケーブルの方が許容電流値は低い。
架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブルの仕組み・特徴
【特徴】
ポリエチレン分子を結合させた架橋ポリエチレンを使用しているため、従来のポリエチレンには備わっていない耐熱性の高さに加えて、耐候性、耐薬品性、耐水性を有する。
また、架橋ポリエチレンの耐熱性は最高許容温度が90℃、短絡時の許容温度が230℃と非常に優れている。
耐候性に優れていることから、屋外での露出配線として施工される機会も多いが、屋外施工のCVケーブルの寿命は15～20年程度である。
ただし、屋内施工の場合は、20～30年程度の寿命が期待できる。
高圧の電路部にCVケーブルを使用する場合は、絶縁性を高めることを目的として、通常のCVケーブルに比べて厚い外装仕様の高圧ケーブルを使用する。
仕上がり外径としては、通常のCVケーブルの約1.3倍である。
架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブルの廃棄方法
・産業廃棄物として廃棄する
産業廃棄物処理業の許可が出ている業者に、CVケーブルの廃棄を依頼する。
処分の際は費用がかかるため、注意が必要である。
また、CVケーブルは特殊加工品である架橋ポリエチレンが使用されているため、リサイクル時には、サーマルリサイクル、マテリアルリサイクルといった方法がとられている。
・サーマルリサイクルで、熱エネルギーとして利用する
サーマルリサイクルとは、廃棄物を単に焼却処理するのではなく、焼却時に発生する熱エネルギーを回収・利用するリサイクル方法。
・マテリアルリサイクルで、材料として再度利用する
マテリアルリサイクルは、架橋ポリエチレンの架橋構造を破壊、熱可塑化して、製品の原料として再度利用するリサイクル方法。
なお、CVケーブルは銅線を使用しているので金属買取をしている業者に廃棄を依頼する方法もある。
