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EM-EEF の
意味・解説・呼称など
COMMENTARY
職人用語
エコ電線、エコケーブル・安全用電線 など
EM-EEFとは?
EM-EEF/F(ポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル平型)が正式な記号(規格名称)である。
エコ電線、エコケーブルとも言われており、素材を塩化ビニルからポリエチレンに変更したことにより、耐燃性の向上や、廃棄・焼却時に有害なハロゲンガスやダイオキシンなどの発生を抑え、環境に与える負荷の低減に役立っている。
名称にもEcomaterialを冠していることから、環境保全に配慮されたケーブルで、住宅やビルなど屋内外建築設備機器の600V以下の電力用配線として使用され、公共工事で使用が推進されていたり地域や作業現場によっては指定されている場合もある。
【類似材料】
VVFケーブル
EM-EEFの仕組み・使い方
【使い方】
器具を用いてシース、絶縁被覆を剥ぎ取り心線を接続する。
構造はVVFケーブルとおよそ同一のため、被覆を剥ぎ取る際にはVVFストリッパーを使用すると効率的に加工できる。
ストリッパーを使用する場合、加工時に心線が抜けやすいのであらかじめ加工する反対側を折り曲げておき、外装シースにストリッパーで切り込みを入れ横にスライドさせてシースを引き抜く。
シースに粘りがあるため膜がはって引き抜けない場合は上下に折り曲げるなどして膜をちぎるように引き抜く。
絶縁被覆の剥ぎ取りは1本ずつ処理する。
剥ぎ取る長さを測ってストリッパーで切り込みを入れそのまま半周ほど回すか、ペンチを使用して軽く挟み、同じく半周ほど回して引き抜く。
絶縁被覆や心線を傷つけないよう作業は慎重に行う。
EM-EEFの仕組み・特徴
【特徴】
被覆材にハロゲンや塩化ビニル、鉛などの金属を使用しない環境に配慮された素材で、リサイクルも可能。
耐燃性も高くその許容温度は75度に設定されており、PVCケーブルと比較して15度高いので多くの電流を流すことが可能となっている。
欠点としては、シースや内部絶縁被覆に使用される素材がポリエチレンというやや粘りのあるものになったため硬く感じ、被覆剥ぎ取り加工(ストリップ)の際内部を傷つけてしまったりと難度が上がることや、擦れに弱い特性から、収容する際強く擦れると白く跡が付き(白化現象)外観が悪くなることもある。
硬さについては、柔軟性を改善したEMケーブルも販売されている。
EM-EEFの廃棄方法
【廃棄方法】
2011年よりシースに一条突起を付与することによって廃棄電線のリサイクル業者が目視や手触りによって識別しやすくなった。
それにより、導体に使用される銅は電線・銅製品に、被覆はサーマルリサイクルとして高炉原料・燃料油や固形燃料に、マテリアルリサイクルとして電線、その他プラスチック製品に再利用されており、ビニル製品と比べて有価物となる。