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梁 の
意味・解説・呼称など
COMMENTARY
梁とは?
梁(はり、りょう)とは建造物の水平方向に架けるものであり、主に建造物の上から荷重を支えるために用いられる。
地震が発生した場合には、水平方向の地震の揺れに対して耐える役割も果たす。
木造建築物と鉄骨建造物によって梁の種類は異なるが、基本的な梁の役割は同義である。
梁を設置する場所によっても役割や名称は変わり、建物内の各柱と柱を繋ぐように架かっているものを大梁、大梁と大梁の間に架けていくものを小梁と呼称する。
電気工事において梁は直接手をかける部分ではないが、天井面のスペースがなく梁を貫通して電線を通さなければならない場合には貫通穴を開けたり、コンクリート打設前にスリーブを入れ込んで配線スペースを確保したりするなど、施工に大きく関係する。
梁の仕組み・使い方
【施工方法】
電気工事において梁を直接施工することはまずないため、梁に関する電気工事施工方法について解説する。
木造建築の場合、階をまたぐ配線などがある場合にはこの梁に対し貫通穴を開けて施工する場合もある。
しかし、構造上梁に耐荷重がかかり、穴を開けすぎると強度の低下に陥るため、穴あけ時には建築工事との確認などが必要。
コンクリート躯体の場合には、コンクリート打設前にビニルパイプ(スリーブ)を梁内部に取付けておくことにより、配線箇所の確保が可能。
また、梁をまたいでPF菅を用いたエンド配管をしておくことによって、その後の通線、配線を容易にできる。
コンクリートの梁に貫通穴を開けることは容易ではないため、配線の追加、変更の場合には配線ルートの確保、打ち合わせが非常に重要である。
梁の仕様・スペック
種類
・木造梁
大規模建造物においては建造物の構造体に使用できる技術基準が定められているため、住宅など比較的規模の小さい木造建築工事で主に使用される。
建築工事において基礎工事後の「棟上げ」の工程で施工される。
・鉄骨梁
ビルや大型の建造物において使用される。
鉄骨建方の躯体工事において鳶や鉄骨屋などによって鉄骨の柱などと共に組み上げ、施工される。
・RC梁
鉄筋コンクリート造(RC造)の構造体で採用。
また、鉄骨造などの基礎工事の段階で地中梁として施工される。梁の骨組みとして鉄筋組みを行い、その後に型枠を建て込み、コンクリート打設を行うことで成形する。
梁の仕組み・特徴
【仕組み】
各梁による役割、仕組みについて以下に一覧を挙げる。
・大梁
柱と柱の間に水平に架けているものを大梁と呼称する。
各柱と接合されることによって、地震の際に水平方向の地震の揺れに対して耐える役割を担う。
建造物の構造上において非常に重要な役割を持つ。
・小梁
大梁と大梁の間に架かっているものを小梁と呼称する。
主に屋根や床からの荷重を支える役割を持っており、大梁と同様建造物において重要な部分である。
・地中梁
大型の建造物の工事において、基礎工事の段階で鉄筋組みとコンクリート打設を用いて施工される梁。
建造物の基礎となり、根幹となる部分を担っている重要な部分である。