現場のお役立ちツール
墨つぼ の
意味・解説・呼称など
COMMENTARY
墨つぼとは?
【英語名 】
Ink pot(インク ポット)
Marker(マーカー)
木材をはじめ各種材料のケガキ線として直線を引いたり、建築現場で基準墨となる地墨や腰墨を引いたりするために使用。
鉛筆、定規では材料の凹凸によって線が歪んでしまう場合があるが、墨つぼの場合は凹凸などに影響されず、正しい直線を引くことができる。
起源は古代エジプトにさかのぼり、日本に伝来してからは法隆寺建設の際に使われた痕跡があることから、古来より現場の必需品として建築技術発展を担ってきたといえる。
現在はプラスチック製のハンディタイプが主流。
【代用できる工具】
チョークライン
墨つぼの仕組み・使い方
【使い方】
直線を引く予定の両端位置に鉛筆や墨サシで印をつけておき、墨液のついた糸を張らせて指で弾くと真っすぐな直線を引くことができる。
カルコを引き出し、片方の印の木口などに突き立てて固定。糸を張った状態でもう片方の印を通過して支えたら、中間部の糸を5cm程つまみ上げ、張力や位置に異常がないか確認ののち糸を放す(弾く/打つ)。
【仕組み・安全性】
本体に巻き取られている糸を引く構造は、メジャーと同じ仕組みである。
カルコの差し込みが甘いと糸を張る過程で外れることがある。また、糸の巻き取り時にも自動タイプのものの場合巻き取る勢いが強いので、カルコが手や眼に飛来する危険があるため注意が必要。
使用時には保護メガネを装着するなどの対策が重要である。
墨つぼの仕様・スペック
【種類】
墨液を糸に含ませて線を引く墨つぼ、類似工具にはチョークの粉で線を引くチョークラインがある。
糸の巻き取り方法については「手動巻き取りタイプ」、「自動巻き取りタイプ」の2種類がある。
チョークラインは線を消して引き直すことが可能。主に位置決め線や切り揃えの目安で水平線を引く際に使用するが、初心者でも扱いやすい。墨がつきにくいプラスチックや金属など表面がツルツルとした材料に向いている。
墨つぼは墨液であるため、一度引いた線を消すことはできないが、明瞭な線を引けるのが特徴。ノコやカンナを使う際に多く用いられる。
墨液(インク)色は職種により使い分けられ、黒色は建築、赤色は設備・電気工事によく使用されている。
【サイズ 】
ハンディタイプのものでは15~20cm程度、重量も150~200g前後のものが多い。糸の長さは15~30m前後とさまざまなので、使用用途により選定する。
価格はメーカーや機能などにより変動するが、1,500~4,000円程度。2,000円前後のものが多く使われている。
【耐用年数 】
継続使用により、擦れによる糸の弱りや切れ、カルコ針の劣化、自動タイプはバネの切れなどがみられた際は、メーカー記載の説明書に即して部品の交換を行う必要がある。