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金属管 の
意味・解説・呼称など
COMMENTARY
職人用語
電線管、鉄管、配線管 など
金属管とは?
【英語名】
Metal tube(メタルチューブ)
金属管は管内に電線を通して、電線の保護や隠ぺいなどを目的とした電気工事において用いられる部材。施工現場によって程度の差はあるが、衝撃や直射日光から電線類を保護し、安全な送電をするためには欠かせない。
金属管には、パイプベンダーなどの曲げ工具を使用しなければ屈曲させることのできない直管型の電線管と、屈曲が可能な可とう電線管の2種類がある。通常、金属管と呼称する際には直管型の電線管を指す。
また、金属管の中には、肉厚に違いがある厚鋼電線管と薄鋼電線管の2種類がある。屋外は厚鋼電線管、屋内は薄鋼電線管という使い分けが一般的である。
金属管工事を実施する際は、電気設備技術基準解釈159条の規定を遵守したうえでの施工が必須となる。
金属管の仕組み・使い方
【施工方法】
金属菅の施工時には、厚鋼電線管や薄鋼電線管、ねじなし電線管の3種類を使用する。
厚鋼電線管と薄鋼電線管の管口には、ねじ山が切られているため、対応するカップリングなどの部材を使用して、連結することが可能。
ねじなし電線管はその名称の通り、ねじが切られていないため、対応する配管部材に備わっている止めねじを利用して金属管を固定する必要がある。
金属管の連結や分岐には、主に以下の配管部材を使用する。
・カップリング
・ねじなしコネクタ
・ノーマルベンド
・ロックナット
・アウトレットボックス
・露出ボックス
また、金属管工事は多くの施設で実施できる。場所の例を挙げると、以下の通り。
・露出した壁面や天井などの展開した場所
・点検の際にアクセスしやすい天井裏や床下などの点検できる隠ぺい場所
・.点検が容易にできない壁の内部や天井のふところなどの点検できない隠ぺい場所
ただし、湿気や水気の多い場所に関しては防湿装置を施す必要がある。
金属管の仕様・スペック
【サイズ】
・厚鋼電線管:外径21~113.4mm、重量3.88~34.7kg
・薄鋼電線管:外径19.1~76.2mm、重量2.53~13.4kg
・ねじなし電線管:19.1~76.2mm、1.94~12.1kg
なお、3種類の金属菅はすべて定尺長さ3.66mである。
【材質】
鋼、亜鉛など。
【種類】
・厚鋼電線管
3種ある電線管の内で最も肉厚な電線管。
溶融亜鉛めっきを施しているため、耐候性に優れており、屋外の露出配管として使用する金属菅として最適。
電気設備の図面ではG菅と表記される。
・薄鋼電線管
厚鋼電線管と比べて肉薄であるが、溶融亜鉛めっき処理が施されているのは同様である。
屋内配線用の配管として最適。電気設備の図面ではC菅と表記される。
・ねじなし電線管
薄鋼電線管よりもさらに肉薄で、屋内で使用する電線管。
肉薄な分、電線の入線量を多くする利点はあるが、強度的には弱くなるため取り扱いには注意が必要である。
電気設備の図面ではE菅と表記される。
金属管の仕組み・特徴
【仕組み】
金属管の中で厚鋼電線管と薄鋼電線管には、管口部分にねじ切りがされており、そのねじ山を利用して中継接続する仕組みである。
また、金属管の端となる部分には、電線の損傷を防止するためにブッシングと呼ばれる部材を装着して電線を保護する。
ねじなし電線管同士の接続には、ねじなしカップリングを使用して、カップリングに付属の止めねじを利用して固定する。
金属管の施工工事の際は、C種接地工事もしくはD種接地工事をすることが義務付けられている。
それぞれの工事の違いは以下の通り。
1.C種接地工事
300Vを超える電線に使用する金属管、低圧電気機械器具などに施す接地工事。
2.D種接地工事
300V以下の電線に使用する金属管、低圧電気機械器具などに施す接地工事。
金属管の廃棄方法
・産業廃棄物として廃棄する
産業廃棄物処理業の許可が下りている業者に、金属管の廃棄を依頼。処分の際は費用がかかるため、注意が必要である。
・リサイクルショップで買い取ってもらう
金属管をリサイクルショップで買い取ってもらうことも可能である。
リサイクルできる金属管を専門の業者へ買い取ってもらうのは、環境保護にもつながる。
大量の金属管がある場合には持ち込みは難しいため、出張買い取りサービスを利用すると良い。
・金属スクラップ業者に買い取ってもらう
金属管を金属スクラップの専門業者に買い取ってもらうことも可能。
この場合もリサイクルショップでの買い取りと同様、大量数の金属管がある場合は、業者の出張買い取りサービスを利用すると良い。