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PFD管(2重管)とは?

PF管のうち、複層構造のものがPFD管である。層が厚い分、PFS管よりも耐久性があるとされ、より環境条件が過酷なケースではPFS管ではなくPFD管を使用した方がよい。

PFS管同様、自己消化性(万が一、火が付いたとしても、熱源と距離を取ることで自然に消化する性質)があることも特徴である。

主に露出配管や隠ぺい部の配管に使用される。「露出している=雨風に吹かれやすく、太陽の光にもさらされている」ため、耐久性能が高い材質で出来ている。PFD管は耐候性が高いことから、露出配管向きといえる。

また、CD管のカラーリングがオレンジに限られていることに対し、PFD管はアイボリーやベージュ、ブラックなど幅が広い。外装の色と近いものを使用できることから、隠ぺい部への使用にも適性がある。

一方、PFS管よりも単価は高い。

PFD管(2重管)の使い方・施工方法

【使い方】
保護したい電線やコード類を管の中に通して使用する。電線やコード類が露出していると、劣化や火災につながる恐れがあるため、保護は必須である。

【施工方法】
耐候性の高さや自己消化性を持つことから、コンクリートへの埋め込みは必須ではない。

天候条件が過酷な場合は、PFS管よりもPFD管の使用がよい。

基本的に、ボックス(配線の分岐点や長い配管の接続に使うもの)を使用しない状態での配管は控える。

また、折り曲げ可能とはいえ、管を著しく変形させることは望ましくない。

管と管の接続にはカップリング(接続に用いる機器)を使用し、直接接続は避ける。

PFD管(2重管)の規格・種類

【種類】
次のようなサイズから、用途に合ったものを選択できる。なお、サイズは一例であるため、すべてのメーカーから購入可能というわけではない。

・内径:16.0mm、外形:23.0mm、長さ:50m
・内径:22.0mm、外形:30.5mm、長さ:50m
・内径:28.0mm、外形:36.5mm、長さ:30m
(参考:Panasonic、合成樹脂製可とう電線管:パナフレキPFD)

内径と外形には7~9.5mmの差があるため、購入・選択時は両方の値を確認することがおすすめ。

PFD管(2重管)の仕組み・特徴

【特徴】
PFS管よりも高い耐久を生かし、紫外線にさらされる場所や太陽光発電の引き込みの際など、より過酷な条件下でも使用できる。

電線やケーブル、LAN・TV・電話線などの保護に利用可能。

樹脂製であることから、手での折り曲げが可能であり、軽量。高所での作業や複雑な配管にも適した管である。

耐久性が高い一方、加工の際の切断は金属製の管ほど手間を取らない。「使い勝手がよい保護管」という評価がふさわしいといえる。

性能がよい反面、単価はPFS管よりも高い。予算と施工条件に応じて、使い分けることも必要だろう。

PFD管(2重管)の廃棄方法

【廃棄方法】
合成樹脂管の主な廃棄方法は以下の3つ。

・産業廃棄物として処理
「産業廃棄物処理業」の許可を得ている専門業者に廃棄を依頼するパターン。依頼費用がかかるが、処分をプロに代行してもらえるため、確実性は高いといえる。

・自治体のルールに則って処理
企業はもちろん、家庭で廃棄する際は、各自治体が定める廃棄ルールに則って処分することも可能。ただし、企業が行う場合は、「産業廃棄物」として処分することが必要。一般ごみとしての処分は認められない場合がある。

・リサイクル業者に処理を依頼
業者によっては、引き受けてもらえる場合がある。事前に問い合わせておくことが無難。

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