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金属製可とう電線管 の
意味・解説・呼称など
COMMENTARY
金属製可とう電線管とは?
【英語名】
Metal flexible conduit(メタルフレキシブルコンデュート)
金属製可とう電線管は、電線の保護や隠ぺい性を目的として電気工事において使用される金属管の名称。金属管には、主に厚鋼電線管や薄鋼電線菅に分類される鋼製の電線管と、屈曲が容易にできる金属製可とう電線管の2種類がある。
金属製可とう電線管はその可とう性を活かして、エキスパンションジョイントや振動の影響を受ける電動機への接続など、鋼製の電線管での結合が難しい施工現場で用いられる。
鋼製の電線管と併用されることも多い。
また、金属製可とう電線管には、1種金属製可とう電線管と、2種金属製可とう電線管の2つのタイプがあり、施工場所に応じて使い分けが可能である。
金属製可とう電線管の仕組み・使い方
【施工方法】
施工の際は、金属製可とう電線管の中に電線を通して使用する。
中に通す電線は600Vビニル絶縁電線で、より線もしくは直径3.2mm以下の単線であることが定められている。
金属製可とう電線管同士を接続する際には、カップリングが用いられる。
金属製可とう電線管と、鋼製の電線管を接続する場合には、コンビネーションカップリングと呼ばれる部材を使用する。
金属製可とう電線管の固定にはサドルを用いる。
支持点間の距離は以下のように定められている。
・造営材の側面または下面において水平方向に施設:支持点間距離 1m以下
・接触防護措置を施す:支持点間距離 1m以下
・金属製可とう電線管同士及び金属製可とう電線管とボックス、器具と接続:支持点間距離 接続箇所から0.3m以下
・その他の場合:支持点間距離 2m以下
金属製可とう電線管の仕様・スペック
【サイズ】
・1種金属製可とう電線管:外径10~26.4mm程度
・2種金属製可とう電線管:外径13.3~107.3mm程度
【材質】
ビニル、亜鉛、導体など。
【種類】
・1種金属製可とう電線管
金属製可とう電線管の種類の一つで、フレキシブルコンジットとも呼ばれる。施工できる場所には制限があるため、注意が必要である。
・2種金属製可とう電線管
金属製可とう電線管の種類の一つ。1種金属製可とう電線管と異なり、施工できる場所の制限がないため、多くの現場で使用されている。
金属製可とう電線管の仕組み・特徴
【特徴】
金属製可とう電線管は蛇腹状の構造となっているため、手で簡単に曲げることができる。
鋼製の電線管であれば、パイプベンダーといった工具やノーマルベンドなどの接続部材を必要とするが、施工場所の状況に合わせて自在に屈曲させることができる金属製可とう電線管は、利便性が高い。
金属製可とう電線管を屈曲させる際、1種金属製可とう電線管と2種金属製可とう電線管のどちらも、曲げ側の半径は管内径の6倍以上を確保することが定められている。
ただし、2種金属製可とう電線管を露出場所もしくは点検できる隠ぺい場所へ施工する場合は、曲げ側の半径を管内径の3倍以上とすれば良い。
また、金属管や合成樹脂管など、全ての電線管において共通の禁止事項として、電線管内での配線接続をしてはいけないという規定がある。
配線を中継接続する場合は、必ずボックスなどの中で行うようにする。
金属製可とう電線管の電気工事をする際は、必ず接地工事も実施する。電線の供給電圧が300V以下の場合はD種接地工事、供給電圧が300Vを超える場合はC種接地工事を実施することが義務付けられている。
金属製可とう電線管の廃棄方法
・産業廃棄物として廃棄する
産業廃棄物処理業の許可を有している業者に、金属製可とう電線管の廃棄を依頼する。
産業廃棄物の処理には費用がかかるため、注意が必要。
・リサイクルショップで買い取ってもらう
金属製可とう電線管をリサイクルショップで買い取ってもらうことも可能である。
大量の金属製可とう電線管を買い取りしてもらう場合は、業者の出張サービスを利用して買い取りをしてもらった方が良い。
・金属スクラップ業者に買い取ってもらう
リサイクルショップでの買い取りと同様に、金属スクラップの業者に金属製可とう電線管を買い取ってもらうことも可能である。
事前に連絡した上で業者の出張サービスを利用することにより、持ち込みの手間を省くことができる。